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080. フライパンで今度は何作る?

一日一描。

今日は、本屋さんが併設されたカフェへ行って、おやつを食べながら一描き。

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おやつを食べて、夫と私は各々好きな本を読む。娘はその間お絵かき。

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私は料理研究家の土井善晴さんの本「一汁一菜でよいという提案」を。
初めて読んだときは、まだ結婚したての頃だったでしょうか。

土井さんの紡ぐ言葉も哲学も思想も、すごく好きだったのだけれど、「土井さん・・そうは言っても一汁一菜は・・」なんて思っていたし、読めば読むほど「足るを知りなさい。よく深いあなたよ」と諭されている気がして(土井さんはそんなことは仰ってません。あくまでその時の私の解釈)最後まで読了することができない本なのでした。

子供が生まれて、毎日同じように繰り返される日々に、最初は飽き飽きしていたのだけれど、最近になって同じような毎日だからこそ気づける微かな変化にしんみりと感動するようになってきて。

そうだ、このタイミングで土井さんのあの本をもう一度読んでみよう、と思ったのでした。ちょうど、「食事を見直そう」という欲求もあって。

一日一描をする中で、特に後半、ものすごく絵は満足にかけたけれど夕飯を作るのが面倒くさくてたまらなくなった日が何度かあった。
夫が「今日は外食にしよう」と提案してくれて、最初は「台所から解放されて、クリエイティビティを絵だけに注ぐことができて、なんて楽チンで夢のような日なのだ」と思った。
でも、二度目同じことがあったとき、なんだかモヤモヤして、自分の基礎が安定しない気がしてきて、「あぁ、自分は台所から離れてはいけないのだな」と思った。

それもそのはずだ。両親が仕事で忙しく、私は小学校の高学年あたりから晩ご飯を作っていた。大学生時代や独身時代、お酒を飲むことの方が楽しくて(今となっては苦い思い出 笑)台所からすっかり遠ざかってしまった時期もあるけれど、その時の私はなんだか根無草のようにいつも不安定だったと思う。

私は料理がすごく得意なわけではないし、見栄えのするものなんて一つも作れないけれど、かれこれ20年、毎日やってきたことはしっかりと私の基盤を作ってくれていた。

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「ホットケーキの作り方を教えて!」というので、本を片手に絵描き歌のようにホットケーキができるまでをワイワイと描いて遊んだ。

その後、フライパンをいくつも描いて、

「フライパンで今度は何作る?」
色鉛筆をお箸にして、パクパク。

「うーん、甘みが足りないですねぇ〜」

なんて言いながら即興劇。
今度、実際に作ってみようね。


私が子育て中に得たものは、ハレとケのケの方、忙しくて今まで見向きもしなかった粛々と続く日常をつくる楽しさに気づいたことなのだろうと思います。


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