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「切ない思い」は、いくつになっても変わらない
父が入院しました。
ある日の夜、父は突然、寝ながらしゃべり続けました。時々笑ったりもしていました。今までにないことだったから、母も私も息子も寝られず…
私は、一年前に旅立った猫のちびが、父に会いにきたんじゃないかって思いました。
次の日の朝の様子がなんかおかしかった。
劇的におかしい、というより、なんかおかしい。
だから救急車を呼ぶか迷いましたが…呼びました。
そのまま入院した父、数日後、昏睡状態で眠り続けているという連絡が入りました。
お医者さまは、もう危ないと判断したのか、面会謝絶の中、父に会わせてくれました。
昨日まで意識のなかった父が、母と私を見た瞬間、目を見開き、一生懸命しゃべり始めました。言葉にならないけれど、言葉として聞き取れるようなおしゃべりでした。私は泣きながら父にしゃべりかけ、笑いかけました。
父は顔をくしゃくしゃにして、笑ってくれました。
私は父が、お父さんが、
「がんばれよ」って、昔のように、励ましてくれているような気がして、涙が止まりませんでした。私たちに会いたくて、待っていたような気がしてなりませんでした。
今、私は仕事が大変で、体も心もクタクタです。この1週間、父の入院騒動があったことを一瞬忘れてしまったほどに、仕事上の悩みは深かったです。
この連休は繰り返し眠りました。眠っては起き、眠っては起き。エネルギーが湧かない自分に、ますます落ち込みました。
こんな歳になっても、いつまでも不器用な私。
いつまでも子どもの頃と変わらず、傷つきやすい私。
お父さんは、小さな頃から、いつでも私を励まし、たくさん話を聞いてくれました。
「がんばれよ」
優しく、温かいお父さんの言葉がどこからともなく聞こえてきます。
がんばってるのはお父さんなのに。
認知症になってからも、ずっと守っててくれたんだよね。
私はもう、私で生きていかないと。
だれかに倚りかかるんじゃなくて。
お父さんの「がんばれよ」と、お父さんの笑顔が私の最大のお守り。
ひとりで立てるよ。
だって、ひとりじゃないんだから。
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