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汎用性でサバイバル

こんにちは。せむです。
気まぐれ投稿第2弾。
汎用性の高い特性を駆使してなんとか社会人として生き残ってきた記録を書いていこうと思います。

はじめに

 汎用性とは、幅広く適用できる性質のことです。
 本noteでは、どのような汎用性を獲得するに至ったのかという背景から、汎用性で異業種をどのようにサバイバルしてきたのか書いていきます。
 私は汎用性高い特性を武器として活用していますが、人それぞれ有している特性は使い方次第です。どのフィールドで武器を1番活用できるのか、あるいは活用できるフィールドをどのように作り上げていくのか。キャリア論に関する情報が溢れていますが、気ままに書いていこうと思います。

せむの特性

 このセクションでは、せむの特性と特性を有することなった背景について書いていきます。
 私の特性は大きく2つ。1つは「視野の広さ」。もう1つは「想像力の豊かさ」。この2つのベースになっているのは、生まれながらに有することとなった「感受性の高さ」に起因しています。感受性の高さとは事象から感じ取る能力が高いということです。母の育児後日談として、まだ私が言葉を発することができない赤子の頃に幼児向けアニメを見て涙を流していたそうです。「感受性の高さ」は先天的性質ですが、母との関係性など育った環境から「視野の広さ」と「想像力の豊かさ」という後天的な特性を有することとなりました。
 母子家庭ゆえに物心ついた頃から、自分のことは自分でやるという環境で育ちました。家事ができないタイプの母親でしたので、自分の身の回りの事に加えて家事も担当しました。母は気まぐれな性格でよく振り回されました。子どもは親に依存しないと生きていけないため、子どもなりに考えた結果、母の機嫌を損なわないように母の機嫌がよくなりそうな家事などをやるという生存戦略をとるようになりました。この過程で「想像力の豊かさ」という特性を有することとなったと思います。そしてこの「想像力の豊かさ」という特性に付随して「視野の広さ」という特性も有することとなったように思います。自分がこの家事をすると母が喜んでくれるかな、など。

汎用性でサバイバル

 このセクションでは、①飲食店でのバイト、②工場での金属加工、③監査法人での監査業務についてどのように特性を生かしてサバイバルしてきたのかという点について書いていきます。
 上記以外の業種の経歴もありますが、特定を避けるため割愛する点はご容赦ください。
 

①飲食店でのバイト

 まずは学生時代の居酒屋でのバイト経験です。地方ですと、東京都内と異なり選べるバイトの選択肢が少ないです。ほとんど飲食店やガソスタです。いわゆるブラック居酒屋でのバイトは苦戦しました。碌に仕事は教えてもらえず、厨房の職人は気難しい人ばかり。理不尽な理由でマネージャーに怒鳴られる日々。外資系と異なり、日系企業は雇用契約以上のことを求め察することを求める労働文化ですが、少し気の利くことをすると評価してくれる側面もあります。気難しい職人に名前を覚えてもらえるよう挨拶から始めて取り入りました。一度気に入ってもらえればあとはこちらのモノです。仕事のコツを教えてもらったり、新作料理の味見をさせてもらえたりといい経験ができました。
 飲食店に限らず、ブラックな組織では暗黙の了解で仕事のできないやつはいじめてもいいというルールがあるように感じます。よくないですね。飲食店でのバイト業務は大きく①キッチン、②ホールの2つに分かれます。私はホール担当。コロナ禍前でしたので、業務内容はオープン準備、お客からのオーダー取り、料理のサーブ、厨房との連携、レジ締めなど。
 「視野の広さ」と「想像力の豊かさ」という特性はこのバイトでも役立ちました。とはいえ、同時にお客から飛んでくる色んなオーダーを捌く必要があり、正直苦手な作業でした。あれ?あそこの卓からの注文なんだっけ?とど忘れすることも多々あったからです。長期的に考えた時、苦手なフィールドでの戦いは不利。正社員は考えず学生バイトに留めました。お客の入りにより刻一刻とホールの状況が変わっていくので、卓によるコースメニューの進捗をキッチンに伝え、料理の出が遅いなど催促したりする過程などでは、「視野の広さ」という特性を生かして、ホールスタッフ間での連携をとるなどして円滑なオペレーションに寄与できました。「想像力の豊かさ」という特性を生かしてお客さんが喜んでくれそうなちょっとした気遣いのできるスタッフを演じて常連客に名前を覚えてもらい、仕事をしやすい環境の下地を作りました。
 こうして飲食店でのバイトが終わりました。

②工場での金属加工

 次に工場での金属加工経験です。公認会計士試験を大学在学中に合格できなかったため、地元で就活して工場に就職しました。経済的な理由から大学卒業後はニートとして公認会計士試験の受験勉強に専念するという選択肢がそもそもなかったため、就職しました。なかなか合格できない日々が続きましたが、どうしても諦められなかったので粘りました。最終的には短答採用で監査法人へ転職しました。
 話を戻すと、BtoBメインの製造ラインでとある金属加工の製造ラインを担当しました。切削工程では、プログラミングを駆使して工作機械に作業内容を入力。一次加工したものを手作業による粗取りや規格を満たしていることの測定作業。次に組立工程では、複数の部品取り付けなどを担当しました。
 製造ライン別に各自で担当作業に取り掛かることから、飲食店とは異なり他人との連携作業がほとんどありません。他者とのコミュニケーションが少ないため、1人で黙々と作業できる環境にありました。人間関係が比較的希薄です。休憩時間などの軽い雑談を通じて人間関係が出来上がることもありますが、基本1人で過ごす人が多いです。業務時間中は全体朝礼や仕事を教える、教わるといった最低限のコミュニケーションはとられます。指の切断などの危険があるため、雑談をしながら作業できるような環境ではありません。
 製造現場レベルの作業では「視野の広さ」と「想像力の豊かさ」という特性が直接的には役立ちませんが、間接的には役立ちました。公認会計士試験の勉強をしていたという背景もあってか、業界動向や自分の担当している製造ラインの粗利はいくらかなどの情報に興味を持ちました。工場内部の活動を数値化して個人的に分析しました。下っ端であることから、もちろん経営上の機密情報を知りうる立場にありません。ですので、会社HPにて製品ラインナップの売価や性能を把握。担当製造ラインに関わる材料の納品確認も担当していたことから、kgあたりの材料種別の原価が把握できました。自分の人件費も加味した概算で製品1個あたりの貢献利益を算定して、自分の作業が工場の売上にどれだけ貢献しているのか分析しました。この分析作業、誰得なんでしょうね。自分の作業を俯瞰して、工場全体のオペレーションの内、自分の作業がどこに位置付けれらているのかなどを考えながら自分の作業に意味を見出すことで仕事に対するモチベーションを維持していました。
 カイゼン活動として定例会議があります。その際に利益率を上げる(原価を下げる)観点から提案した案が役員に刺さり、将来的に役員採用も視野に入れて働かないかとお誘い頂きました。当時は公認会計士になるという別の目標があったことから、角が立たないように別の理由で断りました。私のように思惑を抱えながら働いている人もいるかと思います。基本的にこういった情報を話すと一瞬で広がり、働きづらくなるので口に出さない方がいいでしょう。
 工場勤務は現場レベルの肉体労働と役員などの頭脳労働に分けられます。「視野の広さ」と「想像力の豊かさ」という特性は直接発揮する機会はありませんでしたが、特性を間接的に使った定例会議での発言などのおかげか気難しい職人に気に入ってもらえました。このように意外なところで人間関係の構築に役立ちました。60代の気難しい職人は圧倒的な暗黙知を有しており、機械にはできない作業を担当していました。このような職人は一度気に入った人間に対しては面倒見がよく、技術上のマニアックな話などをたくさんしてくれました。何がきっけかになるかは分かりませんが、組織で昇進をするにはやはり人に気に入られる必要があります。実力があれば自然に昇進できるわけではないですし、社内政治もあるため組織で働く以上は理不尽な人事もあります。工場のように入口が肉体労働から始まり、昇進して役員を目指すには頭脳労働に移行する必要が出てくるので、役員候補としてお声がけ頂いた人間の特性として「視野の広さ」と「想像力の豊かさ」は参考になるかなと思いました。
 こうして工場での金属加工が終わりました。

③監査法人での監査業務

 ノリで始めた公認会計士の受験勉強。社会人を経験し、人間関係含めて今の環境から脱したいという思いも芽生えたので、東京の監査法人で働く必要があると考えました。
 公認会計士の合格体験記は以下のnoteをご覧ください。
注意点として、2019年合格の体験記です。2023年現在の情報としては陳腐化しており、また論文三振・社会人受験生の不合格体験記としての意味合いが強い点をご了承ください。

https://note.com/lively_lily531/n/n1b7884e3e9f7

 主査業務の経験もありますが、本noteではあくまでスタッフ経験のみを書いていきます。主査業務詳細の記載を避けるのは監査法人の特定を避けるためです。監査法人を退所してから気が向いた際に主査経験は書きます。また経験した業務内容詳細の記載もしません。あくまでせむという人間の特性が監査法人でも通用した点にスポットをあてて書いていきます。

 話を戻します。
 このセクションの冒頭で「社会人を経験し、人間関係含めて今の環境から脱したいという思いも芽生えたので、東京の監査法人で働きたい」点について触れました。地方と主語を大きくすると語弊がありますが、地方の飲食店や工場では悪い意味で色んな人が働いています。男性であれば会話内容がギャンブル、女性の話などが中心になります。志向が合えばいいですが。あとは職場でのいじめに加担させられたりします。給料が低いことや娯楽が少ないことなど構造的な問題点もありますが、私としては居心地がよく感じませんでした。いじめって最高の娯楽なんでしょうね。日々の鬱憤を晴らすのには。幸いいじめに巻き込まれませんでしたが、職場でいじめが発生すると見ていて気持ちのいいものではないですよね。傍観に徹した時点で加害者でもあるという類の話もありますが、ここではこれ以上踏み込むのはやめます。
 また、年収の観点からも東京の監査法人で働きたいと実感しました。工場勤務時代は年収が約250万円でした。当時はまだ実家暮らしであり、家賃などの固定費の支出は少なかったものの貯蓄などに回せるお金が圧倒的に少なくて生活が厳しいという現状でした。生活費はいくらか実家に入れていたためです。母子家庭で実家にもお金を入れていると多くの人は生活が厳しいのではないでしょうか。父親がいて現役かどうかによっても各々置かれた経済状況は変わるイメージです。とある統計データでもある通り、上限があるものの年収200万円代からであれば年収が上がるにつれて幸福度が上がるというのは実感をもって感じました。やはりお金があれば享受できる贅沢過ぎないレベルの幸せは享受したい思いもありました。監査法人1年目の給料は額面で工場勤務時代の3倍になりました。工場勤務では、役員になったとしても3倍も年収を上げるのは無理でしょう。
 私の低学歴を加味すると、就活で高い倍率の中、高学歴の方と戦うのはあまりにも分が悪い戦いになります。大企業などの有名企業の内定をとるのはほぼ無理でしょう。しかしながら、公認会計士試験に合格するだけで、1年目から大企業などの有名企業の1年目以上の給料が得られます。公認会計士試験に合格するだけでいいのですから、低学歴のような私にとっては一発逆転のカードとして魅力的です。文章の表現上「公認会計士試験に合格するだけでいい」という表現をあえて用いていますが、合格に8年要した経験からも決して公認会計士試験を軽んじておりません。
 監査法人はグローバルのメンバーファームに所属していますが、東京事務所も内実は日系企業です。外資系企業での勤務経験もあるので、実感としても監査法人は日系企業同様、雇用契約以上のことを求め察することを求める労働文化であることは同じだと感じました。
 事業部制の縦割り構造の仕事の仕方と異なり、監査法人はアサイン体制を敷いています。アサインとは直訳すると、仕事の割り当てです。例えば、今週はA社の作業が割り当てられ、来週はB社の作業が割り当てられるといった具合です。このアサインは1か月など長期にわたる場合もあれば、1日のみの場合もあります。監査法人での監査業務はチーム単位で動くため、A社チーム、B社チームといった具合に色んなチームを渡り歩くことになります。監査業務は監査法人内で規程されたルールや監査基準その他実務指針に基づいて実施します。このため、実施すべき作業内容はわかるのですが、アサインされる時期によって作業内容が変わるのと、アサインされたチームによってチームの要である主査というポジションの人間により仕事の進め方に違いが出てきます。
 前職が縦割りの事業部でしたので、働き始めた最初はチーム単位での動き方とアサインによって変わる主査のニーズを汲み取るのに苦戦しました。転職する際に誰もが通る道かと思いますが、前職での常識を持ち込み過ぎず、ここでの正解は何なのかというのを見つけ出す作業です。
 監査法人での自分のキャラクター作り、もっと言うと強みの出し方の参考にしたのが、監査法人という組織の特性です。日系の事業会社は基本的に新卒一括採用で年功序列制です。例外はありますが、基本的に上司は年上、同期は同年代、部下は年下という年齢でのピラミッドができます。これに対して監査法人の監査職は公認会計士試験合格者がエントリーすることとなりますので、年齢のピラミッドが様々な形をとります。多くの公認会計士試験合格者は大学在学中の優秀な人達です。大学在学中に合格する方が多いので、マネージャーといった管理職が20代後半と若いケースも多々あります。昇進が早いと30代前半でパートナーという監査法人では一番上のポジションに上り詰める人もいます。こうなると年齢は年下でも上司というケースなどが出てきて面白い組織だなと感じます。
 前職経験もあるので、それで信頼を得たのか1年目といえど能力を鑑みて様々な業務を早い段階で任せてもらえました。2年目以降になるとスタッフとしては多くの仕事を覚えたので、私の特性である「視野の広さ」と「想像力の豊かさ」という強みを全面に押し出していきました。自分のタスクを期限内に終わらせるのは当たり前ですが、チーム全体の動きを俯瞰して観察することでチームの作業全体が円滑に進むような動きを心掛けました。実際にこの点を高く評価して頂きました。このように「視野の広さ」が強みを発揮しました。監査はある程度年間スケジュール及び日々の作業に予測が立つものの予定が崩れる場合もあります。主査は同時並行で多くの業務を抱えているため、想像を膨らませて自分の貢献できる作業提案を行い主査の仕事の一部を巻き取っていました。このように「想像力の豊かさ」が強みを発揮しました。積極的に上から仕事を奪い高く評価されることと、仕事を抱えすぎないようにすることとのバランスをとりながら、キャリア形成していきたいですね。2020年3月からコロナ禍に伴い、リモート監査が普及しました。コロナの猛威が落ち着いた2023年5月現在においても在宅での監査作業が継続しており、目の前にいない主査やチームメンバーの動きを想像しながら仕事を進めている点でも「想像力の豊かさ」の強みを感じます。

おわりに

 最後までお読み頂きありがとうございます。
今回はせむ特性のケースでサバイバル記を書いてみました。
人それぞれ特性が異なるなかでどのようにパフォームしバリューを出していくのか。難しいテーマですよね。
1つのケースとして、飲食業・製造業・サービス業(監査業務)でそれなりの評価を得てきた人間の特性と使い方を書きました。
参考になると嬉しいです。

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