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69.【読書と私】⑱星の王子さま/サン=テグジュぺリ:ついに読んでみた☆

以前につぶやいたことがありますが、いわゆる「名作」と言われるもので、なかなか読み進められないものがいくつかあります。その中の一つ『星の王子さま』

 ☆

その中で語られる著名なメッセージのことばや、耳にする内容には異論なく、好きだろうなと思うのですが、若き日に手にとって駄目だった以来、読んでみたい(というか読み切ってみたい)と思いつつ、そのまま諦めていました。

「本に出合った時期も関係するかな」という意見をいただいたり、「その方(あなた)には、表現がちょっと幼すぎるのかもしれない」という導きもいただいたりしました。

そこを踏まえて、今なら読めるかなとか、サン=テグジュぺリの違うものから読んでみようかなどと切り口を考えていました。

 ☆彡

そんな折に、定期購読しているCirさんの☆文学夜話☆の2つの記事が後押しとなりました。

一つは「フランスの詩人マックス・ジャコブの美しい詩と翻訳問題」で、翻訳の仕方で生じる違いの大きさを感じたこと。
もう一つは以下の記事です。こちらは全文無料なので引用します。

ドリアン助川さんの小説を紹介されていますが、後半に「ドリアン助川さんは『星の王子さま』の新訳を出版され…」とあって、そこでピピッときました。これは何か読めそうだ…。ちなみに、私ドリアン助川さんの本は読んだことないのですが、叫ぶ詩人の会の人くらいは耳にしていて、詩人の書く翻訳文に勝手に信頼感持ちました。Cirさんが紹介されている著者というのもあります。

 ☆

それで、今や得意の図書館の蔵書検索。。。
ドリアン助川さんの『星の王子さま』は残念ながらなかったのですが、

『星の王子さまからの贈り物 サン=テグジュペリの言葉』という、物語から言葉や会話を取り出して解説している本がありました。
まず、これから読んでみました。

(感想)
あれ、何でこれを読めなかったんだろう?というくらいに、文章がすっと入ったし、ドリアンさんの解説もやさしくわかりやすかったです。
これは、本編読める…と思って購入しました。

 ☆彡

よかったです。こういう言い方が良いかわからないけど、甘くなくさらっと読めました。だから読めました。内容は聞いたことある部分もあったりで、触れたこと自体の感動は少なかったけど、うなづきながら読むことが多かったです。わたし的にはキツネとのやりとりのところが一番好きでした。

「ほんとうにたいせつなものは目には見えないんだ」に通じるところですが、「なつく」「なつかせる」ためにすること。「すごく辛抱がいる」そして「きみのバラが、きみにとってそんなにもたいせつなのは、きみが彼女のためにつくした時間のせいなんだよ」とか「きみは、きみに心を寄せたものに対して、いつまでも責任を負うんだ」というのは、やはり大人になった今深い共感を感じるところで、どこかバラの花だった若い頃(笑)にはわからなかった、いやわかることが出来たら何か違ったかもしれないですね。

一度した質問を忘れない、絶対にあきらめない王子さまの姿勢、ここは、小さい時も大きくなってからもそこまでの気持ちや姿勢を持てていない私ですが、少しでもバオバブの芽をとりのぞくようなことできたらいいなと思います。

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そして、試しに他の翻訳者の方のもちらっと読んでみました。やはり随分と違うものですね。もう、文章の流れる速さも違います。そこは、また解釈の違いを楽しめるところにもなるのでしょうけどね。

なお、ドリアン助川さんは、49歳からフランス語を学びはじめ、フランスの絵本の翻訳も手掛けているそうです。『星の王子さま』の素敵な訳本を手掛けていただき感謝です。著書も読んでみたいと思います。


   サン=テグジュペリ(1900-1944)
          (原題『小さな王子』1943)

           ドリアン助川(1964- )
           『星の王子さまからの贈り物
   サン=テグジュペリの言葉』訳・文 2013
           『星の王子さま』訳 2016

   


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