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100倍、身につく国語力 (19) 創作文篇

❤小~高校生と、母親向けのレッスン

 (1年間で国語力の悩みが解決できる!)

【創作文篇】
 ・四コママンガから原稿用紙4~5枚
   (2,000字)程度に書く練習
 ・『コボちゃん』で短編の創作練習⑦

『コボちゃん』で短編の創作練習 ⑦

(7)コボちゃんの寝たふり(狸寝入り)
① 課題四コマ

② 創作スーリー
 コボちゃんは,昔話が大好きです。

 いつも寝る前におばあちゃんに昔話を
読んでもらっています。いつも一つ読ん
でもらうと眠くなるけれど、今日は目が
さえてなかなか眠れませんせん。  

 「ねえ、もう一つ読んで」 
 「どうしたの?もう3つめじゃ
  ない」 
 「わかった、もう1つね」 
 「だめよ、もうねなくちゃ」 
 「だって、眠くないんだもん」 
 「しょうがないわねね、じゃあと
  1つね」

 おばあちゃんはしかたなく、次の話を
さがしました。

 日本の昔話は、「むかしむかし、ある
とろに、おじいさんとおばあさんがすん
でいました…」という書き出しで始まる
ものがいくつもあります。その代表的な
ものは、

   「桃太郎」 
 「金太郎」 
 「おむすびころりん」 
 「かぐや姫」 
 「一寸法師」 
 「浦島太郎」 
 「花さかじいさん」 
 「ぶんぶく茶がま」  

 などですが、もちろんみなさんも小さ
いときから聞いて知っているでしょう。  

 さて、コボちゃんのお気に入りは、
「一寸法師」で、毎晩これを聞かないと
ねむれません。  今日もおばあちゃんの
「一寸法師」を聞きながら楽しんでいます。  
おばちゃんがいつものように、  

 「お姫さまは、こづちを何度も振る
 と、一寸法師がぐんぐん大きくなり
 ました。そして、りっぱな若者になり
 お姫様と結婚して、幸せに暮らしまし
 た。

 はい、これでおしまい!」 
 「もう一回読んで」 
 「ええ?だめよ、もう4回めよ」 
 「ね、読んで、読んで」 
 「もうしょうがないわねえ」 
 「おねがい、おばあちゃん」
 「どうして一寸法師が、そんな
  に好きなの?」 
 「だって、おもしろいんだもん」 
 「なにがおもしろいの?」 
 「あのね、一寸法師が鬼を退治
  するところ」 「
  一寸法師って強いのね」 
 「そうだよ」 
 「だって、ちょうパワーだもん」 
 「ちょうパワーって、なに?」 
 「うーんと、すっごく強いってこと」 
 「だけど、オニだってかわいそう
  じゃない?」 
 「しかたないよ、悪いやつだもん。
  自業自得(じごうじといく)じゃ
  ない?」 
 「ええ?今なんって言ったの?」 
 「自業自得だよ」 
 「あら、難しいこと知っているのね」 
 「どうしたの」 
 「テレビでやってたよ」 
 「テレビで?」 
 「テレビの昔話で言ってたの」 
 「で、意味わかるの?」 
 「うーん、悪い人をやっつける
  こと?」 
 「それだけじゃないのよ」 

 と言うと、おばあちゃんがコボちゃん
にもわかるように、優しく説明してくれ
ました。 

 「それはね、自分がした悪い行い
  に、自分がむくいを受ける
  ことよ」 
 「むくいるって?」 
 「人に悪いことをすると、それが
  自分にももどってくること」
 「ふーん、じゃオニはお金を盗ん
  だのだからしかたないね」
 「それもあるけど、オニは多くの人
  もいじめていたから」 
 「そうか、だから自業自得なんだ」 
 「じゃこれで、おしまいね 
 「ええ?ずるい。まだ終わって
  ないよ」  

 そのとき、ママが洗濯物を抱えて部屋
に入ってきました。すると、コボちゃん
がまだ寝ていないのに気づいて、たずね
ました。  

 「あら、コボ、まだ眠れないの?」 
 「眠くないんだもん」
 「だめよ、おばあちゃんも寝る時間
  だからから」 
 「今日はなかなか寝なくて、4回め
  なの」 
 「困ったわね。じゃ、あとはワタシ
  が引き受けるから」 
 「そう、じゃ、お願い」 
 「あっ、おばあちゃん行かないで」  

 コボは、ママに代わると困ったことに
なるのがわかっていました。なぜなら、
ママのお話は、いつも難しくてわから
なくなるからです。

 ママの昔話は、おばあちゃんのと違って、
すぐ計算問題になってしまうのです。 コボ
はそれがわかっているので、なんとかしよ
うと考えていました。

 ママはコボちゃんの気持ちに関係なく、
すぐ話し始めました。 

 「ある日、おばあさんが川で洗濯を
  していると、上流から桃が7つ流れ
  てきました」  

 (始まった、始まった。ママお得意
  いの計算問題だ) 

 「おばあさんはそれをひろって帰り、
  家で3つ食べました」 

 (うーんと、7つの桃で、3つ食べた)  
 「さて、第一問、残りの桃はいくつで
  しょうか?」
 「3つ!」 
 「ちがうわよ」 
 「うーんと5つつ!」 
 「どうして?」  

 (う~んと、うーんと、もういいや、
  めんどうだから、眠っちゃおう) 


 すると、コボちゃんは急にいびきを
かきながら、たぬきね入り(寝たふり)
しました。ママは、コボちゃんの性格を
よく知っているので、苦手な計算の問題
を出したわけです。 コボちゃんはうまく
寝たふりをしたつもりですが、実はママ
の作戦にまんまとはまってしまったこと
になります。

 ❤コボちゃんは、ママの企みがわかって
 いるので、すばやくくタヌキ寝入りを
 した気持ちがわかりような気がします。 

 アナミズ (2024.0301)

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