バイキンマントヒヒの生態あるいはジャムジジイのしばきかた（絢爛たる頽廃）

九月一日

吾輩は我慢に我慢を重ねて、漸く一杯のビールを飲み干した時、妙な現象が起った。始めは舌がぴりぴりして、口中が外部から圧迫されるように苦しかったのだが、飲むに従って漸く楽になって、一杯目を片付ける時分には別段骨も折れなくなった。もう大丈夫と二杯目は難なく遣付けた。ついでに盆の上にこぼれたのも拭うが如く腹内に収めた。

夏目漱石『吾輩は猫である』(岩波書店)

午前十一時半起床。菓子、緑茶。ラジオのホワイトノイズ全開。きのうは六時五分前には切り上げ、古着屋へ。ジーンズとTシャツを買う。割引もあって一一九九円。そのご石引温泉で三時間過ごす。約三年ぶり。すこし値上げしたか。おもったより客は少ない。尻のたるんだヒキガエルみたいな中高年がほとんど。とちゅうから二十代とおぼしきの童顔の逞しいステキ男子が来て安心。掃き溜めにツルとはこのこと。ツルは「蒸気サウナ→水シャワー→純温泉の露天風呂」を繰り返していた。この露天風呂は微温湯でしかも「モール泉」だからぬるぬるしていて官能的である。だから一時間でも平気で浸かっていられるがなにぶん仰向けの大人四人分のスペースしかないのでいつも静かな取り合いになってしまう。両隣に体積半端ないビール腹が来ようものならリラックスどころではない。ぎゃくにステキ男子がすぐ隣にいる時間は至福。
ところで中日ドラゴンズの応援歌に「燃えよドラゴンズ！」（一九七四年）というのがあるが、この曲名は当時人気のあったブルース・リー主演の映画《燃えよドラゴン（Enter the Dragon）》をもじったもの。そいういえばブルース・リー（Bruce Lee）をときどきブルー・スリーと切っている人がいるね。青が三つというわけか。「ニコラス刑事」に匹敵しうる勘違い。こういうの世の中にいっぱいあるね。マレーシアの首都はクアラ・ルンプールであって、クアラルン・プールではない。「泥んこの川」という意味らしい。ハンガリーの首都は豚ペストではない。この都市はドナウ川左岸のブダと右岸のペストが合併して成立した。そういえばむかし読んだアメリカ小説に、サンフランシスコはサン地区とフランシスコ地区が合併して出来たとかいうジョークがあったけど、これはこのブダペストの成立事情に準えてのもの。
それにしても今の中日は暗黒期真っ只中だね。九十年代の阪神よりひどいんじゃないの。きょうからの広島中日の三連戦がちょっと気になる。もし広島が中日に負け越すようなことがあれば逆転優勝はかなり難しくなる。そんなことはまずありえないだろうけど。
「汚染水問題」はいまどうなってんだ。セブン＆アイ・ホールディングスが臨時取締役会でそごう・西部をアメリカの投資ファンドに売却することに決めた。ストライキがビッグ・ニュースになってしまうこの日本という国は・・・