見出し画像

140字小説『たゆたう』

島への道が現れるのは一瞬。
その間に渡り切れば。
あの人に逢える。
「本当に行くの?二度と戻ってこれないのに」
「うん。あの人がいない現実なんて、意味がないもの」
「私がいるわ」
「…ごめんね」
引き止めようとする腕を払って踏み出す。


恋焦がれた人が、笑顔で手を振るのが見えた。

ああ。

もう離れない。


matsumoto kajitsu/nagisa(オリジナルピアノ曲)
曲からイメージして書かせて頂きました。



この記事が参加している募集

私の作品紹介

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?