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空想小説

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思いつくままに書いた空想です。
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記事一覧

140字小説『cigaret is love』

「バカみたい、ただの遊びなのに」 母が恋人と別れた。何人目だろう。 「私は好きだったな、あ…

achi-ko
3日前
7

140字小説『little smoker』

いつも彼女は、好きな人の為に煙草を吸っていた。 「美味しいと思ったことなんて一度もないわ…

achi-ko
8日前
7

140字小説『しばし、お別れ』

手を離せない。 好きなのに。 「もう行く」 「あと少し」 「駄目」 離したくない。 「すぐ逢え…

achi-ko
10日前
8

140字小説『life in cigaret』

彼女は孤高の人だった。 「いい?酒と煙草を楽しむには人生が必要なの。愛する人に心を踏みに…

achi-ko
13日前
7

140字小説『気だるげsmoking』

夕方に近い、まだギリギリ昼。 「…寝すぎた」 ベランダに出て煙草を吸う。 昨日、会社を辞め…

achi-ko
2週間前
10

140字小説『fly with me』

真夏の屋上は辛い。 好きな子と一緒でもキツい。 「キスしたら飛べるって信じる?」 「心は飛…

achi-ko
2週間前
6

140字小説『smoke ring』

婚姻届けを渡された。 「書いておいて」 「これ出すの?」 「どうしよっか」 優柔不断で浮気性で、どうしようもない。 でも好きなんだよな。 「指輪くれないの」 「あー…。手、出して」 煙草を吸い、頬を指で叩きながら煙を出す。 「今、ほら今だよ薬指に通して!」 一瞬で消えた煙の指輪。 いつか本物買えよな。

140字小説『たゆたう』

島への道が現れるのは一瞬。 その間に渡り切れば。 あの人に逢える。 「本当に行くの?二度と…

achi-ko
3週間前
5

140字小説『alcohol or cigaret?』

「お腹すいた」 そう言って君は目の前にビールと煙草を並べる。 「いただきます」 ビールを一…

achi-ko
3週間前
8

空想小説16『思い出オムライス』

土砂降りの中、ずぶ濡れで歩いた。 ああ。やっぱり私は駄目だ。何をやっても中途半端だ。 「ひ…

achi-ko
4週間前
12

140字小説『あなたの心臓で眠ります』

「言い残すことは」 ありません。 「逢いたい人も?」 いません。 「では、お望みの心臓へ」 …

achi-ko
1か月前
7

night smoker

真夜中に吸う煙草は、苦味が強い気がする。 『煙草やめてほしい』 そう言われた瞬間に、別れ…

achi-ko
1か月前
5

spring cigaret

ベランダに出て煙草に火をつける。 春の夕方は怠い。 空気に混じる桜の匂いが怠さを誘う。 電…

achi-ko
1か月前
4

140字小説『heavy smoker』

「メイドなんて、やってらんないわ」 休憩室で煙草を吸いながら、吐き捨てるように呟いた。 唯一、1人になれる場所。 あー。 さっさと辞めたい。 2本目の煙草に火をつけた。 同時に、ドアを叩く音。 「ねー紅茶。淹れてくれない?」 「はーい、すぐ行きまーす」 舌打ちして煙草を揉み消す。 あー。 すぐ辞めよ。