「貧しい国」日本がイノベーション大国になるためには?byNewspics

昨日はNewspicsさんの以下の放送の観覧に参加してきた。

以下、Newspicsの動画ページより概要
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「貧しい国」日本がイノベーション大国になるためには?
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少子高齢化による人口減、日本国内の購買力の低下で、モノ・サービスにとって、もはや日本の市場は魅力的ではないと捉える向きも多い。
しかし、果たして日本は本当に「貧しい国」になっているのか?マスマーケティングが終焉を迎えつつある今だからこそ、成熟した国内市場のポテンシャルはどの分野にあるのか?専門家や有識者を交え、日本がイノベーション大国になるために、必要な未来戦略について徹底討論します。
<ゲスト>
後藤達也(経済ジャーナリスト)
宮田裕章(慶応義塾大学医学部 教授)
正能茉優(ハピキラFACTORY 代表取締役)
松永 エリック・匡史(青山学院大学 地球社会共生学部 教授 /アバナード(株) デジタル最高顧問 /音楽家)
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司会の方々含め、みなさんが恐ろしく頭の回転が速く、議論されていることについて具体的な事例を浮かべながら追いついていくのにはかなり苦労したが、中でも私の気づきになったのは以下の点。

 今後、イノベーションというのはイチ事業や企業単体の文脈の中だけではなく、国際的な競争力を高めるという日本社会全体の課題として、よりマクロの視点で各企業が捉えるべきという議論の中で、スタンドアローンの状況で知識を詰め込むだけの日本の受験スタイルや、「JTC」に代表される変化を嫌う要素はイノベーションの阻害要因となりうるという話があった。

 「JTC」=「Japanese Traditional Company」
 これは、大手企業を含む日本企業の伝統的な体質の中にある非効率的な部分や、古い価値観を企業文化として押し付けられることに対する揶揄として使われる言葉だそう。

 また、地方で事業を起こした際に、その地域にない視点=「違い」がイノベーションを起こした事例を挙げられているゲストの方がいた。

 私の経験からも、日本企業の中には、今後外国人材の採用を進めなければ企業の成長力が低下することは見込まれているが、なかなかその回避手段としての自己変容が頭の中になく、当然のように外国人材の同化を求めて人材
採用や定着に課題を抱える企業が多くあると感じる。
 
 タイトルどおり、日本が本当に「貧しい国」になろうとしているのであれば、確かに世界の中にまだない価値を創造し、それが世界の中で無くてはならないものとして普及するような、モノづくりのイノベーションが起きなければ今後経済が沈んでいく一方だと思う。そのためにレベルの高い「違い」=外国人材の呼び込みは必須なのではないだろうか。

 経済的に沈んでいきつつもなお視線は下方に向けられ、より経済的に水準の低い国から単純労働に従事する人材をグレー、あるいはブラックな方法論で呼び寄せて安く使おうとする悪癖もまだ日本経済の課題として残っている。もちろんそのような国に対する先進各国、および呼び寄せの対象となるアジア各国からの視線は冷たい。日本が沈み切ったときにその視線の意味に気づいても、残念ながら外から誰かが日本経済を水の中から引き揚げてくれるということは期待できないだろう。

「違い」という観点も、外国人を同化するのではなく、企業の文化にダイバーシティを持たせるという成長可能性と捉えれば、海外からの人材との企業内での共生的文化の創造は急務だと思う。

この島国が「日本沈没」を起こさないよう、自分たちもまた日本語教育業界でできることをひとつひとつ積み上げていきたいと考えさせられた収録見学だった。


追記

司会の古坂大魔王さんは、私が大好きだった「くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン」に、ある時名乗りもせず突然オープニングから会話に入ってきて、独特のテンションで不思議な世界観のボケを展開されていて、そのまま名乗らず30分ぐらいのオープニングが終わって視聴者を驚かせていたのが2007年10月のこと。
あの時の謎の芸人さんがNewspicsで日本の頭脳のトップの方々の話をしっかり回していて、個人的にはそれが一番びっくりしたポイント。





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