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【夢日記】カップ麺の恋

 暗い夜でさえ眠れないくらい静かな夜、僕はリューヌと5階建くらいのビルの1階にあるローソンに向かった。青白い光が少しだけ夜を照らしてくれたが、店の前には古い友人が屯ろっており、少しばかりたじろいだ。僕と彼女は店内に入り、友人から少しばかり茶化されながらも、そこでカップヌードルを1つ買い、店に備え付けの給湯器でお湯を注ぎ、店を出た。外は寒く、湯気が空へ浮かんでおり、僕は湯気が消えるよりも前にペロリと平らげた。

 ビルの窓は真っ暗で、灯りがついている様子はなかったが、やがて僕と彼女はビルの中に入った。ビルの一階には、まるで小学校の給食室にあるような、人一人ようやく入れるくらい小さなエレベーターがあった。そのエレベーターに乗って、暫く揺られると、紫のネオンが奇妙に広がるロビーに出た。

 僕はロビーから廊下に出て、突き当たりを右に曲がると、そこにはまた彼女がたたつずんでいる。僕は彼女の手を取り、その先に伸びる暗い道を進んで行き、薄暗いラウンジに着いた。僕らはバーカウンターに腰を下ろしたが、僕は彼女の手を離さなかった。僕らは長い時間話していたが、二つの顔は終始共にカウンターを向いていた。でも僕らは手を握っていたんだ。すると彼女とは反対の隣の椅子が倒れた。年季の入った木製の椅子で、その足にはキャスターが一つだけついていた。僕がその椅子を立て直し、再び椅子に座ろうとすると、真っ直ぐカウンターの方を見つめる彼女が、視界の隅に浮かんできた。僕ははじめて彼女の方へ振り向くと、彼女は全くの別人だった。

2018年3月4日


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