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とある委員会
2022年12月13日 00:03
彼女は雪を降らせる。ふわりふわり雪が舞う。黒い目を輝かせ、恍惚の眼差しを僕に向ける。その瞳は、嘘偽りなどは感じられないほど無垢で、油断すると吸い込まれてしまいそうな魅力があった。どうやら僕は、その瞳に一目惚れされたようだ。僕は、今までこれほど露骨な好意を寄せられたことがなかったため、初めはその圧力に慄いたが、悪い気はしなかった。むしろ素直に嬉しいとも感じた。これがモテる男のサガってやつだ
2022年12月13日 00:02
扉を叩く音がした。“トントン”愛しいあなたへ元気にしていますか?こうしてあなたに手紙を書くのも何年ぶりでしょうね。まるで、あなたに初めて手紙を書いた時のように手が震えています。手紙を書くのは上手くないけれど、ちょっとしたクリスマスプレゼントとして受け取ってもらえると嬉しいです。そろそろ寒さも厳しくなってくるころかと思います。あなたは、自分のことに無頓着だから、薄着で過ごしていないか
2022年12月13日 00:00
街中が緑と赤に染まり始め、クリスマスを感じさせられる季節になってきた。だが、俺には関係ないことだ。毎年クリスマスもバイトの俺は、どれくらい忙しくなるんだろう、ワンオペとかになったら嫌だなあとか、繁忙期くらい時給あげてくんないかなあとか、そんなことばかりを考えながら家に帰った。家に着くと、扉の前に白くて丸いモフモフしたものが落ちていた。いや、何だこれ。家出たときはなかったよな?手のひらサイズで、かわ
2022年12月12日 23:58
金色の折り紙、おもちゃのゆびわ、ケーキの上のアラザン。小さい頃からずっと、キラキラしたものが好きだ。ジルスチュアートのリップ、ビジュー付きチョーカー、ヴィヴィアンのピアス。 いわゆる「地雷系」と呼ばれるファッションを身に纏って、夜の街を歩く。世間は二日後に来たるクリスマス・イブに向けて浮かれまくっている。ルナはそれが嫌いじゃなかった。街は大きなツリーやイルミネーションでこれでもかというほどキラ