村崎色

四百文字ぐらいの超短編小説が好きです。 BLも書きます。普通のショートショートも書きま…

村崎色

四百文字ぐらいの超短編小説が好きです。 BLも書きます。普通のショートショートも書きます。 気が向いたら更新。

最近の記事

創作BLオメガバース短編

『愛でした。』  身体を繋げるのは苦手だった。  最中、無意識に頸を噛まれて、どうしようもなく番になれない事実を突き付けられているようで。  男同士でアルファとベータ。番にすらなれなくてもあいつは愛してくれた。その愛さえあれば、それだけでいいと自分に言い聞かせ続けてきた。  だけど、抱き締められるたび、口付けられるたび、繋がるたびに虚しさを抱いてしまうようになった。  どう足掻いても俺はあいつの運命の相手にはなれない。その思いが俺の心に影を差した。あいつの愛を疑っているわけ

    • 息抜き超短編小説②

      『人魚は魚に入ります』  暗い海の底で人魚が泣いていた。  ここは光のささない人魚の楽園。悲しみとは無縁の場所だったが、この人魚にとってはそうではなかった。 「私、人間に恋をしたの」  泣きながら人魚は物言わぬ珊瑚礁に話しかける。 「あの人は別の人魚と恋に落ちたの。同じ人魚なのに、どうして私じゃ駄目だったの?」  なおも泣き続ける人魚に、別の人魚が近付いてきた。 「なにをしてるの?」 「見てわからない? 泣いてるのよ」 「ずいぶん陸の世界に感化されてるね。海の中で涙なんて見

      • 息抜き超短編小説

        『もうキャバクラには行かない』 「ごめん」 「笑いながら謝らないでよ」 「だって、おかしくて。貸切の遊園地でプロポーズしたんでしょ?それで断られたなんて、笑うしかないよ」 「あの日の為に、色々準備したんだ。遊園地の貸切は高かったし、オーダーメイドのリングだってかなりした」 「相当その子に入れ込んでたんだね」 「ひたすら後悔したよ。こんなにあっさり振られるなんて。今まで費やした時間とお金を返して欲しいね」 「でも彼女キャバ嬢だったんでしょ?本気になったのが間違いだったんだよ」

        • 『GOOD MEMORYS』

           私はケーキが好きだ。誕生日やクリスマスはもちろんのこと、頑張った日や疲れた日に、自分へのご褒美で食べることが多い。  今日も私はお気に入りの製菓店で、ショーケースの前に立って悩んでいた。 「お決まりになったら声をおかけください」  営業時間終了ギリギリになってやって来た私に嫌な顔一つせず、すっかり顔馴染みになった店長さんが笑顔でそう言った。 「すみません、いつもギリギリで……」 「お気になさらないでください。いつも来ていただいてありがとうございます」  なんていい人なんだろ

        創作BLオメガバース短編

          note始めてみました。

          はじめまして。深夜のテンションでnoteやってみます。 ショートショート、四百文字ぐらいの超短編が好きです。 よろしくお願いします。

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