最近の記事
「ケアプラン作成支援AIを活用したケアマネジメントの展望」西口周(2023)『日本在宅ケア学会誌』Vol.27 No.1
ケマプラン作成業務について、AIが支援できる可能性について紹介している。すでに何段階かの検証は済んでいるとのことで、現実味を帯びた取り組みであることが分かる。 <引用> ・AIを活用してケアプラン第2表原案を作成することで、第2表原案作成時間が3~4割短縮された。また、約6~7割のケアマネージャーが業務負担軽減や新たな気づきの獲得を実感した。 ・AIはケアマネジメントの一部を代替し専門職を支援するという位置づけであり、ケアマネジメントにおける専門職としての価値は変わらない。
「人生の最終段階に向けた医療・ケアの話し合い経験の関連要因ー埼玉県A市における横断的調査の結果から―」山口乃生子、他(2023)
『日本エンドオブライフケア学会誌』Vol.7,No.1 <概要> 死が間近に迫ったとき、もしくは意思表示ができない状態になったとき。そんな「もしも」の時に備えて、家族間で話し合いをしているのか? もししているのであれば、何がきっかけとなって話し合いをしたのか等の要因を明確にすることを目的としている。 調査方法は、20代から80代以上の地域住民を対象とした質問紙調査である。 *本研究における「もしも」の時の定義、「例えば事故や病気などで死が近い時、あるいは自分の意思を誰かに
「地域包括支援センター保健師の専門性に関する研究ーテキストマイニング分析を用いた内容分析からー」古賀佳代子、他(2020)『日農医誌 68巻5号 2020.1』
<概要> 地域包括支援保健師の専門性を明らかにするため、半構成的面接法を用いて調査している。 <引用> ・地域包括には3つの職種が配置されており、保健師は保健医療、社会福祉 士はソーシャルワーク、主任介護支援専門員はケアマネジメント等、専門性を発揮することが期待されている。 ・今回のインタビューから、住民の生活に入り込み医療的知識を活用しながら予防的に関わり、包括的に保健指導を行うことが求められていた。 ・(調査結果から)地域包括保健師の専門性として、「相談を受け、関係性を
「がん闘病中の夫婦のコミュニケーションにおける困難-話題にしづらかった内容とその背景要因ー」鈴木いつ花(2019)『家族心理学研究』第32巻 第2号
<概要> 夫(妻)をがんで亡くした配偶者を対象に、インタビュー調査を実施。その結果を踏まえ、がん闘病中の夫(妻)を抱える配偶者を支援する際の視点を考察している。 <引用> ・がん闘病中の夫婦の間には、互いに察したり配慮したりするが故に齟齬が生じてしまうという、周囲からは捉えにくい複雑なコミュニケーションが存在していることが示唆された。 ・配偶者は、自分自身が夫(妻)のがんを受け入れることと同時に、夫(妻)のがんの体験過程を理解しようとしており、二重の過程があると言える。
「終末期がん患者の看取り時に死の文化的特性である ヌジファを取り入れた家族ケア」謝花小百合 、大城真理子ら(2022)『沖縄県立看護大学紀要第23号』
<概要> 終末期がん患者の看取りを経験した看護師を対象に、インタビュー調査を実施。沖縄独自の文化的特性を取り入れた看取り支援について、考察を深めている。死を取り巻くことについて、地域ごとの特性があることをあらためて知らされた。また、インタビュー解答には具体的な様式が紹介されており、大変興味深い。 <引用> ・沖縄では、病院で患者が亡くなると身体を離れたマブイ(霊魂)が、亡くなった病室に残り、成仏できないと 信じられている。民間信仰において、人が自分の家以外の場所で亡くなると
「死が近い高齢者をケアする際の葛藤:ケアスタッフが僧侶と研究者に語ったこと」岡村毅、小川有閑ら(2021)『日本老年医学会雑誌』58巻1号
僧侶と研究者の共同研究。終末期ケアに従事する介護職、看護職らを対象に調査を実施している。 宗教者に対する期待、医療機関に対する失望など、率直な言葉が印象的である。 <引用> (インタビュー調査、発言要旨より) ・かつては施設での看取りは考えられなかった。ただでさえ、自転車操業な大忙しの毎日の中の片手間としてやっている。片手間でやっちゃいけないことを片手間としてやらざるを得ない今の職場環境はつらい。 ・本人が求めているものにこたえられる何かを宗教者は持っていると思う。 ・入退