母親は聖母じゃない 子供も皆んな天使じゃない

私は今、頼まれて実家のホームビデオの整理をしている。

ひたすら過去の自分を見る時間。

人によってはこんなこともあったな〜なんて楽しい時間になるかもしれない。
私は違った。

確楽しい想い出もあるが
それ以上に自分の容姿が気になって気になってしょうがない。

どこからどう見ても、何回見たってブスなんだ。

兄はキッズモデルと言っても良いくらいかわいい顔をしている。本当は記憶違いだろうということにしたいけど、映像が証拠。かわいい顔をしている。

なんでたった2年離れただけで、娘はブスになったんだ!びっくりする。

母はビデオテープの中で可愛いね〜可愛いね〜といってくれるが、全く微笑みもしない、顔の造形もブスな子供をよく可愛がれたもんだなと思った。

私には子供はいないけど、
もし生まれた子供がブスだったら正直ショックを受けるかもしれない。

可愛いね〜なんて言えたもんじゃない。

可愛く産んであげれなくてごめんとずっと思い続けるかもしれない。

母親になったら全ての子供はかわいいんだろうか?

出産は奇跡で、生まれてくることは当たり前なことではない。だから全ての子供は宝物のように可愛く思えるのだろうか?

私にはまだわからない。
自分に似た子供なんて正直嫌だから。


思えば私の外見への考えは早かった。
子供の頃から観察が好きだったが、それが悪い方にでたのかもしれない。

まわりのかわいい!と言われる子供たちを
観察した結果、造形の違いに気がついてしまった。

あれ、私の見た目ってなんか違う!?

とびきり可愛い服を母が買ってくるのが苦痛でしょうがない。服は可愛い。
私には似合わない!嫌だ!ピンクなんて最低だ!
そんなことばかり考えてた。

母は困っただろう。
この服とっても素敵で似合ってる!かわいいよ!
そんな母の言葉が私には辛かった。

可愛くないよ。

そこからは、外見は無理なんだから愛嬌だ!と思い、大人に褒められることをずっと考えて行動してきたとおもう。言葉だけでも可愛いことをいう。
そんな子供時代。

大人は褒めてくれても、友達は悪気なくいう。
お前だけ家族の中で顔が違うよな?
お母さんも美人で、兄貴はかっこいいのにな〜。
そういう時は戯けるしかなかった。
こいつ、、痛いところついてくる嫌な子供だね。と思いつつ。。

父も可愛がってはくれたが、
可愛がり方が私には合わなかった。
この子はいじっていいと思ったんだろうか。

父親に紫色の服をきているときに、紫芋子豚と呼ばれたことこの先も一生許さない。  

そんな中、母はずっと可愛いねと言ってくれた気がする。

本当に?いったい何故?

ずっとモヤモヤしていた私は
大人になって母親に質問した。

正直お兄ちゃんが可愛い顔してるのに、
こんなにブスな子供が生まれて本当にかわいいと思ったの?

母はいった。

思ったよ。かわいいじゃん!


それを聞いて胸がぎゅっとなった。
ありがとうとか、可愛くなれたらよかったのにとか色々複雑な気持ち。

母は続けて、

でも、お兄ちゃんみたいな顔の子供が生まれると思ったら違ったね〜 ははは

多少のサプライズはやはり母にもあったようだった。

兄と私は同じ病院で生まれたが、
兄は可愛いお子さんですね〜!と看護師の方たちからたくさん言われたらしい。

私は?ときいたら、

…。でもお母さんは可愛かったよ!
体に沢山毛がはえてて、お兄ちゃんの時にはなかったから、この子の毛は抜けるんですか?!って
心配して聞いちゃった〜 ハハ!

といっていた。
世間の反応は正直だなとおもった。
毛もそんなに生えてたのか。

社会人になり一番最初に始めたことは脱毛だ。
抜けなかったんだよお母さん。
お金の力で毛をねじ伏せてるんだよお母さん。

私は結局、カテゴリーでいったらブサイクだ。

時代は変わってきて、ルッキズムはよくないとか、個性を受け入れよう!という考えがでてきて、そんな世界になったらとっても素敵だな、未来の子供たちにはぜひその世界で生きてほしいと切に願っている。

だけどそう簡単に変わりもしないだろう。

日本はまだまだ外見重視だし、
コンプレックスを抱えている人も多い。

ライフステージや年齢が上がればどんどん外見だけの勝負なんて無理な話にはなるのも理解してる。
知性、品格。色々な内面や経験値が人を作っていくのだと思う。

それって人生を過ごしてやっと導きだしていくものなのではないか?

外見にコンプレックスを抱いていたひとが、
急に子供を産んで親になったんだから
見た目なんて関係ない!
子供は全てかわいいわ!
なんてなるのだろうか?

いまの子供たちが、私って最高!
ブスなんてないよ!個性だよ!なんてなるのだろうか?

母親は優しく、あたたかいもの。子供がいれば幸せ。全ての子供はかわいい。

そんな考えってなんなんだろう。


今もし母親として子供を愛せない、
子供の容姿に悩んでいるひとがいたら
そうだよね。心配だよね。
あなたのせいではないよ。
っていいたい。 

自分を愛せないから子供は考えられない!というひとにも、そうだよね。わかるといいたい。

そして容姿に悩んでいる子供たちには、
あなたは素晴らしい!
容姿に悩んでるなら一緒に考えまくろうよ!
っていいたい。

しっかりまとまらない話になったが、 人はだれでも悩んでしまうから。大人だから、子供だから、母親だから、父親だからとかではなく、
支え合える社会になれば良いのになと思う。


きっとその悩みは間違ってる!なんてないから。




  










この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?