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三宝(仏教)・高校世界史・高校化学・英語・ゼルダ・ワンピース

仏教のキホン3つの宝-僧という宝-

仏教徒が敬うべき3つの宝「仏法僧」。
漢語では「ブツ・ホウ・ソウ」、和語では「(み)ほとけ・(み)のり・(み)ほうし」(「十七条憲法」での読み)、梵語では「ブッダ・ダルマ・サンガ」である。

サンガって何か。高校の社会科で世界史を選択していた人にとっては、古代インドの部族共和制国家の呼称ですよね。専制王を持たない、部族集会で選出された首長に行政権がゆだねられる国家、またその政体のこと。
釈迦族の国家もそうです。

また、『大般涅槃経』の冒頭でお釈迦様が「何故ヴァッジ国が強国なのか」という話をされて、「ヴァッジ国は和合衆の模範である」というお示しをされる。政教分離の概念育ちの現代人は、ついつい「何でお釈迦様が国家や政治の話をされているんだろう」と考えてしまうが、歴史的にも世界的にも、政教分離のほうがマイナーな考えなわけであるし、ここで論じられている本質は、国でも教団でも、そのコミュニティにおいて、パワーの偏りがなく、共同和合のサンガとして運営されているかという、組織論である。

釈迦の最後の旅が行われたこの時期は、ちょうどマガダ国のアジャータサットゥ王による、ヴァッジ国への侵略・征服が進められていた時期であり、本経にもその時代背景が色濃く反映されている。
本経は、アジャータサットゥ王が、ヴァッジ国への侵略計画について、釈迦に伺いを立てるところから、話が始まる。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E8%88%AC%E6%B6%85%E6%A7%83%E7%B5%8C_(%E4%B8%8A%E5%BA%A7%E9%83%A8)

王舎城のアジャータサットゥ王が、バラモンであるヴァッサカーラという大臣を使わし、霊鷲山にいる釈迦の元に送り、自分のヴァッジ国侵略計画について伺いを立てさせる。

釈迦は、ヴァッジ族が、

1.しばしば「会議」を開き、多くの人が参集する間は、繁栄し、衰亡は無い
2.「協同」して集合・行動し、為すべきことを為している間は、繁栄し、衰亡は無い
3.「旧来の法」に従って行動する間は、繁栄し、衰亡は無い
4.「古老の人々」を崇敬し、彼らの言葉を聴いている間は、繁栄し、衰亡は無い
5.「良家の婦女・童女」を暴力的に拘留しない間は、繁栄し、衰亡は無い
6.「霊域」を崇敬し、供物を絶やさない間は、繁栄し、衰亡は無い
7.「真人」(尊敬されるべき修行者)達を正当に保護・防御する間は、繁栄し、衰亡は無い
と答える。

ヴァッサカーラは、そうした7つの法を備えているのでは、戦争で侵略するのは困難であり、外交・離間という手段を用いなければならない、と述べて帰っていく。

次に、釈迦はアーナンダに指示し、王舎城周辺にいる全ての修行僧を、会堂に集めさせ、「衰亡を来たさないための7つの法」として、先に述べたことを言葉を変えて反復する。

すなわち、修行僧たちが、

1.しばしば「会議」を開き、多くの人が参集する間は、繁栄し、衰亡は無い
2.「協同」して集合・行動し、為すべきことを為している間は、繁栄し、衰亡は無い
3.「旧来の法」に従って行動する間は、繁栄し、衰亡は無い
4.「古老の人々」を崇敬し、彼らの言葉を聴いている間は、繁栄し、衰亡は無い
5.「愛執」に支配されない間は、繁栄し、衰亡は無い
6.「林間に住む」のを望んでいる間は、繁栄し、衰亡は無い
7.「他の修行僧」達を思いやる間は、繁栄し、衰亡は無い

と述べる。

同上

『大般涅槃経』ではこれに続いて、「衰亡を来たさないための法」として具体的な教えが記されつつ、舞台を転々し、亡くなって(大般涅槃)、お骨が分配されるまでの、釈尊さいごの旅が展開していく。

サンガとは、王族貴族による共和政体であり、また、自治組織をもつ同業者組合のことであり、仏教教団のことである。そしていずれもその核心は、「和合すること」である。


「サンガに帰依します」とは一体何を敬うのか

さて、サンガの本旨は「和合衆わごうしゅう」。

「僧宝を敬う」とは「和合」を敬うことで、特定のお坊さんを崇拝することじゃない。それは知識恃怙秘事ちしきじこひじ。今風に言えばカリスマ主義。

仏教は「自灯明法灯明」。いくら凄い先生だろうと、愛しい人だろうと、仏教徒は他者に帰命しない。

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