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富士山お中道を歩いて自然観察

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富士山の中腹を巡るお中道は火山荒原や森林を横切りながら歩ける遊歩道です。富士スバルラインの奥庭〜5合目駐車場までのお中道の自然を生態学的な視点で解説します。 週1、2回の更新で、…
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#富士山

【富士山お中道の植物観察日記】 2024年10月20日

富士山の黄葉と紅葉富士山は黄葉・紅葉の季節となりました。 今年の秋は、例年になく暖かな日…

【富士山お中道の植物観察日記】 2024年7月20日

梅雨明け! 登山シーズン突入関東・甲信地方が梅雨明けして数日後の7月20日、スバルライン奥…

【富士山お中道の植物観察日記】 2024年7月3日

梅雨明け間近前回から3週間たって、富士山は雪も融け、緑も濃くなって、すっかり夏山らしくな…

【富士山お中道の植物観察日記・番外編】 梅雨の合間の御殿場登山口

積雪期の御殿場登山口の様子は、以前に紹介しましたが、雪が融けて植物が生育を始めると、どう…

【富士山お中道の植物観察日記】 2024年6月12日

新緑のお中道梅雨入り前の晴れた日、関東地方も30℃を超える暑さが記録されましたが、富士山お…

【富士山お中道の植物観察日記】 2024年5月2日

春を待つ富士山4月26日にスバルラインが、今季初めて全線開通しました。越冬した植物の様子を…

【富士山お中道の植物観察日記・番外編】 積雪期の御殿場口登山道

御殿場口登山道とは? 富士山の静岡県側南東斜面には、1707年の宝永山の噴火の堆積物が広がり、300年以上たってもまだ遷移の初期の状態で植生の回復が遅れています。 他の斜面の森林限界は2200 m~2500 mにあるのに対し、御殿場口では1400 mと低く、ヤマハンノキ、ミズナラなどの落葉広葉樹林からなっています。 積雪期2022年2月末の御殿場口登山道の様子です。早春を感じる柔らかな青空でした。 御殿場口では森林限界が低く、山頂までの標高差2300 mもの広大な雪の斜

【富士山お中道の植物観察日記】 2023年12月9日

初冬今年の富士山は雪が少なく、冬富士らしい姿がなかなか見られませんでしたが、12月6日の朝…

【富士山お中道の植物観察日記】 2023年11月8日

晩秋のお中道10月中旬に7合目以上は真っ白になった富士山ですが、11月になって暖かい日が続き…

【富士山お中道の植物観察日記】 2023年10月16・17日

黄葉・紅葉の季節秋も深まり、カラマツの黄葉も見頃となりました。ただ、風当たり・日当たりの…

【富士山お中道の植物観察日記】 2023年9月27日

夏から秋へ大勢の登山者でにぎわった登山シーズンも終わり、本格的な秋を迎えようとしているお…

【富士山お中道を歩いて自然観察】 持ち歩き版&A3版マップができました!

カラマツやダケカンバの新緑が美しい季節となりました。 これからの時期はお中道の両サイドで…

【富士山お中道を歩いて自然観察】18 森のとろろ昆布 

植生遷移が進むと、コケ・地衣ともに、より乾燥に弱く暗い場所を好む種類に替わる。終点の5合…

【富士山お中道を歩いて自然観察】17 常緑広葉樹の越冬 

お中道に生育する広葉樹で、冬でも葉をつけたままなのはハクサンシャクナゲとコケモモだけである(常緑広葉樹)。それ以外の広葉樹はダケカンバのように葉を落として越冬する(落葉広葉樹)。 ハクサンシャクナゲの場合シャクナゲ類(常緑広葉樹)は例外的に耐凍性が高く、さらに葉の形などを変えることで冬の厳しさに耐え、高い標高域に生育することができる。 冬のハクサンシャクナゲは、葉を細い筒のように丸めて下向きに垂らし、外気にさらされる葉の面積を最小限に抑えている。 それでも森林限界を越え