![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/146718089/rectangle_large_type_2_d62a5e35a8ca18882d866fb9277d680f.jpeg?width=1200)
【富士山お中道の植物観察日記】 2024年7月3日
梅雨明け間近
前回から3週間たって、富士山は雪も融け、緑も濃くなって、すっかり夏山らしくなっていました。
それでも梅雨明け前で、梅雨前線が北陸から東北地方にかかっているので、空模様や、かなたの南アルプスの山並みからも、まだ梅雨の期間である様子が感じられます。
![](https://assets.st-note.com/img/1720508995997-2iVqE7RvMR.jpg?width=1200)
上空に湿った気流が入りその気流が富士山を超えた時、風下にできる
![](https://assets.st-note.com/img/1720568109587-LAJnwX05YV.jpg?width=1200)
毛無山や七面山の背後に、南アルプスの山並みが見える
樹木の実もだんだん成熟してきました。
![](https://assets.st-note.com/img/1720511790279-LGI5V8mf6H.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1720511816433-tj2YWUhL9H.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1720511841091-P1yr3dvosC.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1720511887455-xXKodrsrf5.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1720511924605-TOkojGv67b.jpg?width=1200)
小さな種子を包んだ綿毛が飛び始めた
ウスノキは、開葉直後はアントシアンの赤い色が目立っていましたが、すっかり緑色の葉になりました。
葉の光合成系で、強光から守られる仕組みが完成したのです。花が開きましたが、下を向いているので、写真からは見えません。
![](https://assets.st-note.com/img/1720512024689-Jdchx8ej8A.jpg?width=1200)
夏のお中道を彩る花々も咲き始めました。
![](https://assets.st-note.com/img/1720514671294-nwCEcAnKqH.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1720514709460-A3m2a5NaSF.jpg?width=1200)
周りには白い花はコケモモ
![](https://assets.st-note.com/img/1720514791121-bvv1Vwb4ZT.jpg?width=1200)
林床のコケ観察
お中道の下側には、最初に風衝地に定着した古いカラマツと、その後の遷移で侵入した若いシラビソの混交林が広がります。
この林の林床のコケを観察してみました。
![](https://assets.st-note.com/img/1720512331895-QenbGdUnYo.jpg?width=1200)
林床を覆っているコケでは、イワダレゴケが最も多く、次いでタチハイゴケ、そしてチシマゴケがみられます。
![](https://assets.st-note.com/img/1720513025825-M814TAlDAC.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1720513190323-KSaRBW3pO0.jpg?width=1200)
太いカラマツの根元を覆っているイワダレゴケ群落がありました。
このカラマツの樹齢は、300年を超えていると思われます。
![](https://assets.st-note.com/img/1720513252703-q95Kddyg9t.jpg?width=1200)
倒木の上のコケの中に、コメツガの実生がありました。
![](https://assets.st-note.com/img/1720514160824-47kgwf3mRu.jpg?width=1200)
キヒシャクゴケ(二重丸で囲った部分)、
イワダレゴケ(四角で囲った部分)
倒木の腐朽が進むにつれてキヒシャクゴケ、そしてイワダレゴケ・タチハイゴケ群落へと遷移していきます。
倒木上では小さな実生であっても、コケ群落に埋まることが少なく、実生が定着しやすくなります。
これは倒木更新と言われています。
富士山は、まもなく本格的な夏山シーズンを迎えます。
先月(6月)のようすはこちら↓
富士山お中道を歩いて自然観察」の連載はこちら↓
「富士山お中道の生物図鑑」の連載はこちら↓
今回の登場人物たちの紹介もあります。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?