白い犬とブランコ 莫言
罪の意識が人生においてどれほどの役割を果たしているか。それは事件そのものをはなれ、いちばん面倒な形で纏わりつく。しかし必ずしもそれが悲劇をつなぐとは限らないし、その形の変化しないものはない。他者の死を喪失で片付けることができないように、見えない熱量を持って、立体的にあるいは転移しながらも変化していく。感慨になるか、動揺になるか、葛藤の時期を過ぎてなお、絶えず流動的な変化を伴っている。
「白い犬とブランコ」は中国の作家、莫言の初期の短編である。莫言は、短編小説としてある瞬間