第12回〔学ぶ〕㈱モリサワ セミナー『文字と組版ルールの基本』
4/12(金)に大阪の㈱モリサワ 本社で開催された、モリサワ セミナー『文字と組版ルールの基本』におのさんと参加しました。
3月はそれぞれの印刷会社で繁忙期を迎え、研究報告会もお休みしていましたが、4月に入り少し落ち着いたところで「こんなセミナーがあるけどどうですか?」とおのさんに誘っていただき「ぜひ!」と二つ返事で受講することになりました。
㈱モリサワは、デジタルフォントの開発・販売などを行う会社として有名ですが、創業者が写研の石井茂吉氏と世界初の邦文写真植字機を開発するなど、時代に沿った「文字文化」の継承と発展を続けている会社です。
今年で、邦文写真植字機発明100周年を迎えます。
文字の見やすさ、美しさを追求する、文字のプロが開催する組版セミナーは、そもそも「組版とは何か」ということから始まりました。
▷文字は散らばった状態やただ並べるだけでは読み手に情報が伝わらない。
▷文字組は目的ではなく手段である。
▷文字組には基本のセオリーがあるが、不正解・正解はない。
など、基本的なことから再確認し、頭の中が整理されたような感覚になりました。
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■読みやすさの定義と書体選び
▷ページ物・長文
「読ませる」要素としての文字
・視線の移動がしやすい書体
・読み疲れない書体
▷見出しなど短文/小さい説明文
「見せる」要素としての文字
・インパクトや視認性が大事か?
・大きく使うのであれば太さも必要
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■版面(はんづら)を決めるときの考え方
▶版面とは
文字や写真を置く領域。
・ノンブル(ページつけの数字)
・柱(各ページの上下などにしるす書名や章名または主要項目のこと)
は、版面の外に置く。
紙面に対して相似の形が良いとされている。
▶版面が小さい
メリット:上品・高級感・ゆったり・オシャレ
デメリット:内容が薄い・寂しい
使用例:文芸書籍・アート性の強い本
▶版面が大きい
メリット:お得感・実用的・にぎやか・元気
デメリット:圧迫感・落ち着かない
使用例:学術書籍・実用書・スーパーのチラシなど
この他にも、行取りや見出しの入れ方、注釈の種類や、読みやすい本文の行間(基本は文字サイズの50~100%だそうです)など、文字組の基本を改めて学ぶことで、文字組チェックの実践では、これまで目に留めていなかった箇所にも、新しい気づきがありました。
最後に、社屋5Fの『MORISAWA SQUARE』にて、ショールーム見学を行い、一日の受講を終えました。
〈おまけ〉
お昼休みには、モリサワ社屋から徒歩2分の『木津の大国さん』でお参りしました。ショールーム見学とともにおすすめです!
〈お知らせ〉
第10回と第11回の上海・台北で見つけた小さな出版も、今後ご紹介していきますので、引き続き、読んでいただけると嬉しいです。
▶小さな出版と本の研究室は、本や冊子づくりをサポートします
この研究室は大阪市内の印刷会社で働く二人が中心となり運営しています。「こんな製本できますか?」「この色と組み合わせる紙は何がいいですか?」など、少しこだわりのある本や冊子づくりを考えている方のサポート(時には一緒に考えます)をいたします。
小さな出版・本づくりについてのご相談や、印刷・製本・用紙のご質問などは【小さな出版と本の研究室】ハダ 宛にメールをお送りください。
contact@littlepress-lab.jp
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