小さな出版と本の研究室

大阪市内の別々の印刷会社で働く二人が中心となり『本ができる前も一緒に楽しむ』ために立ち…

小さな出版と本の研究室

大阪市内の別々の印刷会社で働く二人が中心となり『本ができる前も一緒に楽しむ』ために立ち上げた研究室です。 少部数出版(リトルプレス)の組版・印刷・製本に関する知識や、本づくりに関わる人・場所についてなど、真面目にのんびりお伝えしていきます。

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第1回 本ができる前も一緒に楽しむ、小さな出版と本の研究室です。

はじめまして。小さな出版と本の研究室です。 大阪市内の別々の印刷会社で働く二人が中心となり『本ができる前も一緒に楽しむ』ために立ち上げた研究室です。少部数出版(リトルプレス)の組版・印刷・製本に関する知識や、本づくりに関わる人・場所についてなど、真面目にのんびりお伝えしていきます。 ▶研究室メンバーのご紹介 はださん(以下:は)/企画・DTP 主に社内報などの冊子編集と組版をしています。 興味のあること:ラジオ/中国語/布生地(旅行では布市場を巡ります) おのさん(

    • 第12回〔学ぶ〕㈱モリサワ セミナー『文字と組版ルールの基本』

      4/12(金)に大阪の㈱モリサワ 本社で開催された、モリサワ セミナー『文字と組版ルールの基本』におのさんと参加しました。 3月はそれぞれの印刷会社で繁忙期を迎え、研究報告会もお休みしていましたが、4月に入り少し落ち着いたところで「こんなセミナーがあるけどどうですか?」とおのさんに誘っていただき「ぜひ!」と二つ返事で受講することになりました。 ㈱モリサワは、デジタルフォントの開発・販売などを行う会社として有名ですが、創業者が写研の石井茂吉氏と世界初の邦文写真植字機を開発す

      • 第11回〔訪れる〕台北の小さな出版~書店編~ 郭怡美書店

        第10回は、年末に訪れた上海のアートブックフェアをご紹介しました。 今回は、おのさんが台北旅行で訪れた書店をご紹介します。 観光地で有名な大稲埕の迪化街に2022年11月にオープンした『郭怡美書店』は、木造3階建て赤レンガ造りの独立系書店です。 1階は主に台湾に関する本(歴史・観光・小説など)のフロアで、2階は世界各国の本や児童書、3階は展示などを行うアートギャラリーでした。 とくに児童書のフロアは、靴を脱いでくつろげる小上がりスペースがあり、小さなお子さん連れでも一緒

        • 第10回〔訪れる〕上海で見つけた『小さな出版』~イベント編~

          中国の若手アーティストの出版や展覧会を行うアート団体『假杂志(偽雑誌)』と上海の出版レーベル『Same Paper』が企画したアートブックフェア『SEA ART FAIR』を訪れました。 会場は上海の西郊外から中心地へ流れる蘇州河沿い、歴史的な建物が並ぶ一角にある『Fotografiska影像艺术中心(映像アートセンター)』です。 『SEA ART FAIR』は、2023年5月に上海で開催される予定でしたが、延期となり年末の12月に開催されました。 会場は2階が展示・トー

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        第1回 本ができる前も一緒に楽しむ、小さな出版と本の研究室です。

          第9回〔話す〕上海・台湾旅行で見つけた『小さな出版』と『本』のことを話そう

          2024年最初の研究報告会は、年末年始にそれぞれが旅行先で見つけた小さな出版と本について話しました。 は:おのさんは、年始に台湾に行かれていましたよね。今回はどんな旅程だったんですか? お:1月2日から6日まで家族で台北に行きました。1日だけ日帰りで台中にも行きましたよ。 台北では国立中正紀念堂に行ったんですが、たまたまそこで『奇幻動物森林 樋口裕子展』も開催されていて、とても見応えがありました。 は:ヒグチユウコさんの作品は台湾でも人気なんですね。 愛玉子も美味しそう

          第9回〔話す〕上海・台湾旅行で見つけた『小さな出版』と『本』のことを話そう

          第8回 〔聞く〕少しだけ多めに刷って、いろいろな場所で売ってみてほしい(兵庫 尼崎 武庫元町『DIY BOOKS』)

          武庫之荘のつくれる本屋『DIY BOOKS』 第2回でご紹介した、兵庫県尼崎市武庫元町にある書店『DIY BOOKS』が2023年10月27日にオープンしました。 新刊や古書、リトルプレスを取り扱い、リソグラフ印刷機を使った本づくりもできる書店です。 平日の夕方、少し早めに仕事を切り上げ、阪神尼崎駅から宝塚行のバスに乗りかえて『武庫の郷』で下車し、徒歩5分ほどで到着しました。 お店に入ってすぐの棚には、尼崎南部地域活性化のための情報誌『南部再生』のバックナンバーが並べら

          第8回 〔聞く〕少しだけ多めに刷って、いろいろな場所で売ってみてほしい(兵庫 尼崎 武庫元町『DIY BOOKS』)

          第7回 〔話す〕今年読んだ小さな出版とイベントを2人でふりかえろう!

          今年も残りあとわずか。年内最後の研究報告会は、2人で今年読んだ小さな出版と関連イベントについて話しました。 は:おのさん、今年もあっというまに終わりますね。お仕事はまだお忙しいですか? お:年内に納品する分の入稿が終わったので、少しほっとしているところです。はださんは? は:私も今週、年内発行の社内報の出稿が完了したので、あとは年明け初校のものを少しずつ進めているところです。 お:おつかれさまでした。お互い大掃除と最終出勤日は同じでしたよね。 は:おつかれさまでした

          第7回 〔話す〕今年読んだ小さな出版とイベントを2人でふりかえろう!

          第6回 〔綴じる〕実はとっても繊細!本の背表紙のつくり方

          「本の背表紙ってどうやってぴったり合わせるんだろう?」文芸誌を発行されている編集者の方から、本の背表紙についての質問をいただき、調査を進めている中で私自身に湧いた疑問でした。 無線綴じ◆で背表紙をつくる場合、40ページ程度だと、背幅は4mm程しかありません。 「数mmの範囲に文字を入れて、本の背幅にぴったり合わせるのって、かなり高度な技術では?」 背表紙をぴったり合わせるポイントは「前工程」にあり!早速、工場で製本を担当されているMさんに聞いてみることにしました。 は

          第6回 〔綴じる〕実はとっても繊細!本の背表紙のつくり方

          第5回 〔話す〕「印刷は死んでいない」を背負う(People of Print fromU.K.)

          は:おのさん見てください!これすごくかっこよくないですか? Print Isn't Dead™ 活版印刷アートプリントThomas Mayo x People of Print — 50x70cm 'Print Isn't Dead™' Letterpres – peopleofprint.store イギリスのイングランド南東部の都市にある、印刷・版画・デザイン制作などを手掛ける会社『People of Print』が制作した『Print Isn't Dead™』のロゴ

          第5回 〔話す〕「印刷は死んでいない」を背負う(People of Print fromU.K.)

          第4回 小さな出版と本のお悩み相談室【1】PPを貼った表紙が、時間が経つとくるっとまるまるのはなぜですか?

          『小さな出版と本の研究室』の活動を始めてから、本づくりに携わる方から、印刷や製本についてご相談を受けることが多くなりました。 毎月の研究報告会で、調査や改善策を探ったりしていると 「本づくりに関する同じような悩みをもっている方は多いのでは?」 と考えるようになりました。 小さな出版の魅力は、本の大きさや素材、印刷・製本方法がさまざまで、 自由度が高いことにありますが、そのために初版が完成するまで、イメージが湧きにくいということがあるかもしれません。 予算や納期など依頼す

          第4回 小さな出版と本のお悩み相談室【1】PPを貼った表紙が、時間が経つとくるっとまるまるのはなぜですか?

          第3回 〔聞く〕即売会のように誰でも本を手に取ってもらえる場所に(大阪 豊中『犬と街灯』)

          ギャラリーと本『犬と街灯』 2019年11月にオープンした、大阪府豊中市にあるアートギャラリーと本の店『犬と街灯』さん。 以前、気になっていたリトルプレスを検索した際に、取り扱いがあると知ってブックマークし、いつか行ってみたいと思っていました。 早速、リトルプレス好きの友人を誘って、お店にうかがうことにしました。阪急宝塚線の庄内駅を降り、駅前の商店街を抜けて、三角瓦屋根の木造2階建てアパートや、地元の人で賑わう食堂、ぶたのキャラクターが可愛い揚げ物やさんなどを通り過ぎて、

          第3回 〔聞く〕即売会のように誰でも本を手に取ってもらえる場所に(大阪 豊中『犬と街灯』)

          第2回 〔訪れる〕720店の中から見つけた小さな出版と本づくり

          たくさんの『小さな出版』が集まる文学作品展示即売会 先月大阪で開催された『文学フリマ大阪11』は『作り手が「自らが文学と信じるもの」を自らの手で販売する』がコンセプトの文学作品展示即売会イベントです。 個人やサークル、団体や出版社などが出店し、小説・評論・研究・ノンフィクション・誌歌など、さまざまなジャンルの本が販売されていました。 私は昨年初めて一般来場者として参加しましたが、今年は出店・来場者数が大きく増加したこともあり、ブースが並ぶ列は昨年よりとても長く感じました

          第2回 〔訪れる〕720店の中から見つけた小さな出版と本づくり