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自分との、向き合い方。|『パリ16区美しく生きる人の12カ月』

大学で5年間がっつりとフランス語を学ばせてもらったほどのフランス好き。

だからこそ、こういうフランスに住んでいる方のエッセイは、自分が暮らしを垣間見ているような気がして大好き。

年齢を重ねれば重ねるほどかっこよくなっていくフランスマダムたちみたいになりたいよなぁ…なんて思いながら、読んだ一冊でした。

『パリ16区美しく生きる人の12カ月』を手にとったワケ

パリに暮らしたことはないんだけど、なんどか訪れたことのある素敵な街が舞台のエッセイ本。

「パリ16区」といえば、パリの中でも一番リッチな方々が住むエリア。なんだろう、東京でいうと広尾とか田園調布みたいなイメージかな。

そんな場所で暮らしている方が、周りのマダムたちを見ながら書いたエッセいは面白そう!と思って手に取りました。

『パリ16区美しく生きる人の12カ月』からの気づき・学び

パリマダムは、長年かけてワードローブを充実させていく人達。そして、自分にとってきらめきを感じなくなったものは、あっさり処分できる気質です。大切なのは、モノではなくて、モノがもたらしてくれる「心地よさやポジティブな爽快感」であることを、ベテランのおしゃれの達人たちは、よくご存じなのです。

家名田 馨子 『パリ16区美しく生きる人の12カ月』(2018)SBクリエイティブ社

いろいろなフランス系エッセイを読んでいて、フランスのマダムたちが素敵なのは、ある日突然素敵になったわけじゃなくて、じわじわと若い頃からの蓄積なんだなぁというのがすごく伝わってくる。

お洋服にしても、トレンドのものを追うなんて若い子のようなことはしないけど、自分の好きを着実に増やしていくイメージ。

でも、この箇所をよんで「あっさりと処分できる」というのも重要な要素だよなぁと。なんとなく年齢や体形にそぐわなくなった服やモノを、今まで使ってたから…とキープするのは簡単。

でも「ポジティブな爽快感」をもたらしてくれなくなった”古いもの”がクローゼットにあると、その周りだけどよんとするもの。

今の自分としっかり向き合っているからこそ、モノや服が自分にマッチしているのかが分かっているというのも大切なこと。定期的に、クローゼットを眺めながら、点検していきたい。

『パリ16区美しく生きる人の12カ月』から取り入れたこと

パリマダムはこんなふうに、街の中に人生の「幕間」を過ごすカフェをいくつか持っているのです。これは、習慣と言うより、賢い人生術かもしれません。問題に直面したとき、衝動的にだれかと会っていらぬこぼれ話をしたり、うっかり感情をぶつけてしまって公開したりするより、しばし一人になって心をととのえるのは、スマートなたしなみであるように思います。

家名田 馨子 『パリ16区美しく生きる人の12カ月』(2018)SBクリエイティブ社

イライラすることがあった時に、ちょっと頭を冷やすために外に出かける。いつものカフェじゃなくて、ちょっと落ち着くようのカフェを持っているマダムのお話。

いつものカフェで「キーー」となっている姿をさらしたくないから、ちょっとだけ遠くのカフェに行くというのが、可愛らしいなぁと思ったのだけど。

自分と向き合うというと、何かと静かに一人でするものというイメージがあって、部屋に引きこもりそうになるもの。

でも、見られていないようで、見られているような「カフェ」で「自分時間」をとるのも、特にネガティブになっていたり、キーって時は大切かもしれない。ちょっと取り入れてみたいなと思った考え方。

▼カフェでの自分時間大切という話は、こちらでもしています。


『パリ16区美しく生きる人の12カ月』をおすすめしたい方

日常のある瞬間を、人生の記憶に刻むほど素敵な時間に仕立てることにかけて、パリの人々は本当に天才的な企画力とパワーをみせます。

家名田 馨子 『パリ16区美しく生きる人の12カ月』(2018)SBクリエイティブ社

なんとなく毎日が繰り返して、あんまり楽しくないなぁーというモードに突入している方に、おすすめしたい一冊。

多分華の都パリで暮らしていても、淡々とつまらないなぁと過ごしている人も沢山いるんだと思うんだけど。だって「華」なのは外から見ているからであって。

でも、この本を読んだら、毎日の暮らしの中にちょっとした楽しむコツ(先に紹介したイライラした時こそ、カフェで休憩みたいなね)が沢山あることに気付かせてもらった。

結局のところは、気持ちの持ちようというか、どういうテンションで毎日に取り組むかだよねとも思うんだけど。パリマダムたちから、ちょっとしたヒントをもらえる一冊でした。


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