WKB53(AT限定)vol.19
お受検ブギ
卒検に備えて、フリーダムドライビングスクール再び。
いつも優しかった、受付の人たち。
「今から?お昼はもう食べたの?」
「休憩時間分、おまけしとくね」
ここの教習生ではなく、時間単位で借りに来ているビジターなのに、すごく良くして下さった。
”私、もうここには来ないんです。
明日が卒検だから。
短い間でしたけど、お世話になりました”
そう挨拶すべきかと思ったけど
万が一落ちたら恥ずかしいので何も言わなかった。
でもまた来なくてもいいように
徹底的に方向変換をやり倒した。
数少ない方向変換コーナーを、すっかりお馴染みの外国勢と奪い合って。
悪いが今日は譲れねえ。
私の念が効いていれば、明日は縦列駐車のはずではあるが。
そして卒検当日。
朝の集合場所には10人ちょっといた。
先生が入ってきて、原簿と照合して出席の確認をし、各自に受検番号を告げて
検定コースを割り振っていく。
私のコースは…すぐさま冊子を開き地図を確認。
うん。ここは結構好きなコースだよ。
おそらく路端への停車は、
ひと気の少ない公園の横になるだろうし。
yes!ラッキー。
密かに喜んでいると先生はさらに言った。
「で、所内に戻って今日は皆さんに
方向変換をしてもらいまーす」
ホワイトボードにでっかく方向変換と書いた。
マジか。
ていうか今それ発表しちゃうんだ。
これからお受験(検)に臨むという、
このナーバスな時にさあ…
一気にしょんぼりだ。
送った念は届かなかったか、不足していたのだろう。
私の予想では、所内では普通の教習もしてるわけだから、その状況で、その時々空いてるほうを
やる感じなんだろうな〜とか思ってた。
◯番縦列空いてるな、はい縦列やって。
みたいに。
そのほうが効率いいじゃん。
それか
「はい、路上頑張りましたね!
ここからはボーナスステージです。
縦列/方向変換、好きな方をどうぞ!」
とか、ならないかな〜。
なんて。
ほぼ妄想の期待は粉々になった。
それでもまあ、路上は淡々と走れた。
停車場所は予想通りだったから
落ち着いてできたし。
にしても一緒のチームで受検したお嬢さん二人とも(多分、10代)、
上手でびっくり。
仮免とか複数教習の時もそうだったけど
若い人の運転には毎回、ほんと感心するばかりです。
何かにトライするのに年齢は関係ない。みたいに
言われがちだしわりとそう思う、けど。
世間で言われるように運転に関しては、
やっぱり年齢のハンデはあるなあと
思い知らされたよね。
だから安心パックだって高額なわけだし。
もちろん、細かい向き不向きはあるにしても。
順番は、10代ー10代ー52歳(私)。
方向変換も、お二人とも私のできない技法で
難なくクリアしてた。
でも真似できないし今更変えられないから、私は私の方法でやります。
一気にハンドルを切って、そのままバックで入っていくやつ。
後方確認で振り向くと、黙って座っているお嬢さんたちの表情が丸見えだ。
”ありえない。これ絶対ぶつかるでしょ”
めちゃ不安そうに窓の外をキョロキョロしてる。
心配させてごめんけどさすがに顔に出すぎだよ。
奇跡的に、すんごい斜めだけど、脱輪も接触もせずに車体を納めはした。
そして逃げるようにさっさと出ていく。
そう、採点対象は「入って、出るまで」だから
どんな形でもいいのだ。
とりあえず終わった。
結果は、合格。
仮免の時みたいな個別の寸評も
「右折で対向車ちょっと近い時あったから、気をつけてね」
だけだった。
最後にまた、スーツ姿のえらい人が登場。
「みなさん、卒業おめでとうございます。
でもまだ運転しちゃダメですよ(←言うってことはする人がいるんだろう)。」
と、いろんな書類を渡されて
本当に、今日で終わってしまった。
卒業しちゃった。
結果的に、オーバーは仮免前のみきわめ4時間分。
あとは教習も検定も、ぜんぶ1回で終えた。
世間的にはストレートで卒業するのが当たり前かもしれないけど。
この歳で人生初の教習所、何より
初期の超ポンコツぶりを思い返せば
そんなに悪くない終わり方じゃないかな?
腹が、減った。
終わった途端に疲労と空腹が押し寄せて
孤独なグルメを我慢できない。
とりあえず柚子塩ラーメンをキメて帰る。
刻んだ柚子の皮と三つ葉がどっさりのったやつ。
チャーシューと味玉も足して元気注入しないと。
なんたって最終最大ミッション、
本免が待っている。
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