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少年院の見学に行ってきました。

先日、認定NPO法人育て上げネットさんが主催した少年院のスタディツアーに参加してきました。

「少年院」という言葉を聞いたことがあっても、それがどんな施設で何を目的にしているのかまで知っている人はどれだけいるでしょうか。

私は、「罪を犯した未成年者が入る施設」くらいの知識しかありませんでした。


ちなみに、少年院は「未成年者対象の刑務所」ではありません。

法務省所管『少年院のしおり』には、

少年院は、家庭裁判所の決定により保護処分として送致された少年を収容する法務省所管の施設です。
少年院では、在院者の特性に応じた適切な矯正教育その他健全な育成に資する処遇を行うことにより、改善更生と円滑な社会復帰を図っています。

と書かれています。

保護処分とは、非行のあった少年に対し、家庭裁判所の決定により、刑罰ではなく、保護の必要性に応じた健全育成のための処遇のことです。いわゆる「前科」とはなりません。

つまり、少年院は罪を償う施設ではなく、適切な教育を受け、社会復帰を目指す施設なのです。

対象はおおむね12歳から20歳まで。また、20歳を超えても、家庭裁判所の決定などにより収容を継続することができます。

院内には矯正教育課程や少年院矯正教育課程が指定されており、一人一人に対して個人別矯正教育計画が立てられます。

内容としては、生活指導、職業指導、教科指導、体育指導、特別活動指導があり、その他にも社会復帰に向けて就労支援や地域機関との連携も行います。


スタディツアーでは、院生に会ったり写真を撮ることは禁止されていましたが、施設内を見学させてもらうことができました。

昭和20年代に建てられており、印象としては「昔の少年自然の家」という感じ。

廊下には院生の作品がいくつも展示されていました。歴史上の人物についてまとめたものや、実験のレポート、お金の使い方についてのレポートなど。

中でも印象に残ったのは、短歌でした。写真を撮っていないので曖昧な記憶しかありませんが、「真っ当な人になる」「父の愛を知った」「誰かを助けたい」とか、そんな言葉が書かれていたと思います。

ただ短歌を読んだだけで、その院生が過去に何をしたのか、どんな人かなのかはもちろんわかりませんが、普通の10代の子どもと変わらない印象を受けました。

もしもっと早くに適切な教育を受けることができていたから、この子はここにいなかったかもしれない。


少年院は、加害者の支援をする施設とも言えます。

加害者がいるということは、被害者がいる。その少年によって、傷ついたり苦しんだ人がいる。少年に対する怒りの感情を持つ人もいる。

そのため、当然ネットやテレビでは、少年院のことや加害者を支援する活動について大きく取り上げられることはほとんどありません。

見る人によっては、複雑な感情を抱くことももちろんありますし、それは自然なことだと思います。

ただ、少年たちが生まれ育った環境を知ると、この子たち自身が、もう既にずっと被害者だったんじゃないのかと、そんなことを思います。

被害者と加害者、どちらの方が大事という話ではなく、誰もが幸せに生きる権利を持つこの社会には、少年たちと社会をつなぐ支援もまた必要なことなのです。

私はそんな少年たちと直接関わったりする立場ではありませんが、少年を支援していくことへの必要性を強く感じています。

できることと言えば、少年たちを支援する団体を金銭的に支援すること。

小さな額ですが、そういった支援をすることで、私自身の中で少年犯罪に対する見方考え方が変わってくるような気がしています。



最後までお読みいただきありがとうございます(*´-`) また覗きに来てください。