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一輪の悪魔(名前④)

「たっくん、おまたせ。待ったよね、ごめん」

お風呂に入っていたはずの乙葉だが、何故かメイクをし直している。
少し不思議だったが、今日は、東京へ旅立つ前の特別なデートだ。
きっと夕飯を食べてプレゼント交換をした時に、写真を沢山撮るんだろうなと思った。

コンビニで買ってきたパスタを食べながら、今日のデートを2人で振り返っ
りながら、沢山笑って話した。普段は買わない高級スイーツも、あっという間に食べ終わりいよいよプレゼント交換の時間がやってきた。

「じゃあ、お互いにせーのでプレゼント渡そう」
僕の提案にニコニコ笑顔で頷く乙葉。
「いくよ?せーの!」

僕は乙葉にプレゼントを、乙葉は僕にプレゼントを渡した。
乙葉が渡してくれた袋は、重みがあって僕が買ってきたマグカップと同じだったらどうしようと少し焦った。

「たっくん、開けていい?」

小さな子供がサンタさんからのプレゼントを開けるときみたいに、目をキラキラさせて乙葉は言った。いいよと返事をする前に開けている。よっぽど楽しみだったんだなと僕はそんな乙葉を見てクスっと笑った。

僕があげたマグカップを取り出して乙葉は、
「うわー、マグカップだ!可愛い!たっくん、今だから言うけどね、たっくんからプレゼントの袋を受け取った時、私が選んだやつと同じやつだったらどうしようって少し焦ったんだよ?でも違っててよかったー」

乙葉も同じことを思っていたとは、びっくりだ。

ただ、僕はまだプレゼントを開けていないので、これがマグカップではないということを乙葉が僕に教えたことになる。そんな天然な乙葉も大好きだ。

よし、次は僕の番だ。ゆっくり乙葉からもらったプレゼントの袋を開けた。

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