見出し画像

満たされないもの

食事 ( しょくじ ) とは、基本的には生命維持に必要な栄養素を摂取するために、日々習慣的に何かを食べること、そこから転じて、その時食べるものを指すこともある。

‪✝︎
普通が分からなくなってしまったのはいつからだろう。美味しい物を口にして美味しい、幸せ という感情だけに留まらなくなってしまったのはいつからだろう。

小さい頃から食べる事だけが私を救う方法であり、心に空いた穴を埋める材料だった。
食べる事が大好きな私は、あまりにも痩せているとは言えない肥えたカラダをしていた。容姿をイジられ、毎日心を壊され、私はボロボロだった。逃げるように家に帰り、苦しくて涙が出ても、心が限界だと叫んでいても、食べ物を口に入れることを辞めなかった。

歳を重ねるにつれ、どんどん自らの体型が醜いものだという認識が強くなった。色んなダイエットを試し、リバウンドをした。どんどん痩せにくく、体力も無い、不健康な体を自ら構築した。

そして、好きな人が出来た。私は焦るように体重を落とした。極限まで食事を減らし、好きな人と離別した頃には10キロ落ちていた。でも私が10キロ落としても、それは世間一般で言われる「標準」に過ぎなかった。私が苦しみ足掻いて手に入れたかったものは決して「標準」等ではないのに。
彼と離れてからも、見た目の呪縛から解放されることなどありませんでした。寧ろ苦しさは増すばかりでした。まだ目標とは言えない。けれど体重は落ちたし、周りからも痩せたと言われる事は増えた。だが鏡を見ても自分が昔と何も変わっていないように見える。醜いまま何も変わっていない。私は結局1mmも変わっていない。そんな気がして毎晩怖くなる。餌のようなものしか食べられなくなる。そしてストレスに押し潰されそうになったら狂ったように過食をする。そして何杯も水を飲み、ひたすらに吐き出す。翌朝体重が増えてないのを確認し私は安堵する。
これの何が楽しくて生きているのだろう。私自身も全く分かりません。

年々上がっていく美の基準。私はついていけません。標準体型が醜いとされ、骨に近いような体型が美しいとされる今の世の中は本当に狂ってしまっている。理解出来なかった私も、その思考に引きずり込まれている。

そう、ここは生き地獄です。唯一の救いだった食に苦しめられ、行き場もありません。どん底の気持ちから早く救われたい
それがいつなのか、私はまだ分からないけれど

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?