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Stella Polaris

こんばんは。


本日は「OVERLAY FANTASY」3曲目のStella Polarisについてです。

記事を書きながらこの曲をリリースしてからもうすぐ2年も経つのかーと感慨深くなっている僕です(Vo&Gt上野貴広です)

2021年4月にデジタルシングルとしてリリースしてから誕生日のように年月を数えてしまいます。新年度としてキリも良いのでね。

毎年、今年も元気にバンドが出来ていて良かったと思いながら、もっともっと良いバンドに成長させるぞと奮い立つのです。

それではやっていきましょう。


3.Stella Polaris

この曲はライブのMCでもよく話して来たのですが、
新型コロナウィルスが世界に猛威を振るった2020年春頃、家の外へ出られない日々が続き書き始めた曲でした。(M6.プラスワンも同時期に生まれた)


ちょうど前アルバム「Memoria」のツアーが終わった矢先だったのも印象的でした。
初のアルバムをリリースして初めてのツアーをしていざここから勢いに乗って行くぞ!ってタイミングで全て止まってね…

動けないけど止まったらバンドが終わってしまうんじゃないか。みたいな事を常に思っていました。

ただ幸い1人の時間は沢山あるし、自分の言いたい事と向き合うには充分でした。


自分の部屋から窓の外を見つめて、
世界はこんなにシンと静かなのに外にはウィルスがいるんだな。なんて思っていました。SFみたいだなと。


歌詞の"小さな窓から感情を乗せて"というのはこの時に浮かんだ言葉です。


俺は外に出れないけど、お前(音楽)は何処へだって行けるんだよな…。
そう言葉を書き出していきました。


友達と予定していた花見も、ご飯も、全部中止です。家で過ごす時はあまりスマホやLINEを見ないので、本当に世界から孤立した気分になりました。

SNSではプロ・アマ問わずバンドの解散や休止、ライブハウスの閉店と言ったネガティブなニュースに少しずつ気持ちが暗く沈んでいったのも皆さんも覚えていると思います。


そんな暗い気持ちを払拭するようにサビの歌詞での、

"夜空を瞬いて 星よ五線譜を彩れ"

"笑顔に照らされて 歌う星々の凱旋歌"

このフレーズをライブに来てくれるお客さんの前で歌うまで絶対に死なない、バンドも止めない。そう思って歌詞を書きました。


歌詞の話をもう一つすると

"僕は花びらが散ったことも知らない"
この曲が春を歌っているフレーズなのですが

日本語で「花が枯れてしまう事」を表現する際、

梅は「溢れる」
菊は「舞う」
桜は「散る」

などと使い分けるんですよね。
ちゃんとした理由がそれぞれにありまして見てみると中々面白いです。

昔の人はすごい。
日本語が美しいと言われる所以の一つですね。
興味がある方は調べてみてね。


タイトルのStella Polarisとはラテン語で北極星という意味です。


この楽曲が星座のように僕と皆さんを結んで、離れていても繋がっている。
北極星のように見上げるとそこにあるもの。音楽も同様で、存在に気付いてくれたらその人の側にずっと寄り添い続けると思っています。

誰にも会えない、ライブも無観客。
身体的にも、精神的にも距離について考えた僕なりの答えです。

初めてのツアーを経て僕たちが体感させて貰った、

ライブに来てくれる方
僕らの楽曲を聴いてくれる方
色んな形で応援してくれる人へ向けて

「また会いたい、絶対会おうね」

そんな想いを込めて名付けた曲です。


歌詞の内側に秘めた想いというよりも正直な気持ちをそのまま言葉にしました。


Little Bluffの楽曲の中で恋愛を歌ったラブソングは少ないですが
愛や恋だけではなく誰かへの想いを歌う曲をラブソングと定義して良いなら、

Stella Polarisは僕の中ではLittle Bluffを応援してくれる皆さんへ向けたラブソングのつもりです。

この曲を今も歌い続けられて本当に良かったです。

いつもありがとう。



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この曲とM6.プラスワンはシングルとしてすでにリリースされていた曲なので「OVERLAY FANTASY」のアルバムの中では先輩枠という事になります。

サウンドメイクの話では前作「Memoria」の方がキャラクターは近いですね。

この曲のレコーディングの思い出ってなんかあったかな…。

曲の中でタンバリンの音が鳴ってるんですけど、そのタンバリンの音選びを吟味してました。

楽器屋さんで色々試奏させて貰って、頭の中のイメージに合う・合わないって選びました。

「これは音色が軽すぎるね」

とか

「こいつは逆に大人っぽすぎる(色気がありすぎる)」

みたいな。

音に色気?!重さとかあるん?!

と思うかもしれないですが

あるんですよね。

鳴っていれば良いというわけではないんですね。

そうです。

いわゆる「沼」と呼ばれているやつです。

行ったら戻って来れない片道切符の駅です。
それは「沼の底」ですね。
(千と千尋の神隠しで出てくる駅です)

はい。

こう言った曲に最も合う音選びにミュージシャンはたくさんの時間とお金をかけるんですね。

「レコーディングの為に機材新しくしたよ!」

って新調していざレコーディングで鳴らしてみても

「前使ってたやつの方がいいね」

などとなり、泣く泣く陽の目を浴びずに押入れ行きという話もあったりします。

僕の部屋にもレコーディングの為に買った機材が使われないまま眠っている子たちがいます。

彼らは自分が一番輝ける曲を待っていると言うことですね。

いつか、きっとね。

それではまた、

今日はここまでです。


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