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『ケアとアートの教室』芸大が学生や市民と行う芸術×福祉の学びと試み

東京藝術大学 Diversity on the Arts プロジェクト(DOOR)は、2016年から毎年開講されている履修証明プログラム。現役学生と一般市民が受講生として共に学ぶ。

そのプログラムで行われた講義や実践の記録。多彩な人々や活動が紹介されていて、読みやすい本。

利休みたいなひとたちもいつも「死ぬ」ってことを前提に考えていたと思う。「死にたい」っていうのは、そういう目利きになっている状態なんじゃないかと。(中略)自分が嗅いだもの、感じたもの、裏側の目で見たもの。これをそのまま伝えると新興宗教だから、芸術が必要なんです。(坂口恭平、p. 83)

うつは、何にも感動できなくなっている状態だが、実は感覚が研ぎ澄まされているのではないかという。確かに、死を意識しているくらいの切羽詰まった状態でいる方が、物事に切実に取り組むのかもしれない。それが本人にとっていいことなのかは、見方によってさまざまかもしれないが。


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