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歌舞伎『紅葉狩』国立劇場(第102回歌舞伎鑑賞教室)

最初に30分間、舞台で歌舞伎役者が歌舞伎に関する基礎知識と本日の演目『紅葉狩』の粗筋を解説してくれて、その後20分休憩、最後に1時間弱の歌舞伎が演じられる公演。

初心者でも歌舞伎が気楽に楽しめる、国立劇場(東京)の「歌舞伎鑑賞教室」に初めて行った。

「歌舞伎鑑賞教室」は、公演数が比較的多く、土日や平日の夜(平日夜は「社会人のための歌舞伎鑑賞教室」として開催)に開催されている。

また、「外国人のための歌舞伎鑑賞教室」(「外国人のための」というタイトルがあまりよくないが、英語を交えた解説や、英語字幕・イヤホンガイド付きで楽しめるとのこと)や、7月は夏休み特別企画として「親子で楽しむ歌舞伎教室」もある。

当日、無料でパンフレット(日本語)ももらえる。パンフレットには、粗筋や解説、コラム、出演者インタビューが載っている。(英語の説明もA41枚両面印刷で用意されていた)

国立文楽劇場(大阪)では、だいたい近い時期に同じ『紅葉狩』の文楽が上演されているらしい。

舞台上での解説では、演者だけでなく、演奏者や見得(みえ)、後見(こうけん)などについての説明もあった。木を打ち付ける効果音(?)は、舞台上手に黒衣で控えている人が役者の動きを見ながら出していること、演奏者(音楽担当。声も出す)は3カ所にいること(『紅葉狩』は、その3つがいっぺんに演奏することが特徴らしい。「三方掛合(さんぽうかけあい)」)など、初めて知った。

言葉は古いが、せりふが多く、演劇のように見られると思ったところ、『紅葉狩』はせりふが多めの演目らしい。

舞いももちろんあった。前半の女性の優雅な舞いと男性のコミカルな舞い、そして後半の武士と鬼の迫力ある対決が見もの。

西洋では演劇、踊り、楽器演奏、歌が分化して、オペラとか新しくできたミュージカルとかは混ざっているが(踊りも音楽付きのことが多いが)、日本の伝統芸能である歌舞伎、能、狂言、文楽とかは、どういう感じなのだろう。

伝統的な演目(現代の新作でないもの)の歌舞伎を見たのは初めてだが、思っていた以上に演劇的、派手でアニメ的な感じがした。舞台セットもわかりやすいし(紅葉の木々の絵が描かれた板など)、衣装も化粧もはっきりしているし、動きも定型的で明快。江戸時代の大衆的な娯楽だったことに納得。

しかしおそらく、演目によって雰囲気も変わってくるのだろう。

劇場には、記念撮影できるスポットや、記念スタンプもあり、観劇体験を盛り上げてくれる。

河竹黙阿弥=作
新歌舞伎十八番の内
『紅葉狩(もみじがり)』常磐津連中、竹本連中、長唄連中
国立劇場美術係=美術

解説「歌舞伎のみかた」
解説:中村萬太郎

『紅葉狩』
余吾将軍平維茂 尾上松緑
更科姫実ハ戸隠山の鬼女 中村梅枝
侍女野菊 中村玉太郎
従者左源太 尾上左近
従者右源太(交互出演) 坂東亀蔵、中村萬太郎
山神(交互出演) 坂東亀蔵、中村 萬太郎
局田毎 市川高麗蔵
ほか


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