日本の教育はダメなのか?

上は10歳になるとすぐにアジアのボーディングスクール留学を開始し、13歳直前に帰国して私立中に通うことになりました。そして中学生になって1年半…イギリス留学への準備が始まり、入学から3年待たずしてせっかくご縁をいただいた学校を去ることになるかも?(コロナ次第)しれません。

こんな我が家の忙しい教育事情を見聞きしている知人からある日、とんでもない質問が飛んできました。

日本の教育や学校ってそんなにダメなの?

本当に近しい友人にはなぜ留学するのか…をその都度説明していましたが、誰彼構わず話していたわけではなかったので、ほとんどの人が側から見ていて同じように思っていたのかもしれません。私のnoteを読んでくださっている方でも、留学の目的について書いたnoteを読んでいない方は同じように思われてるかもしれないな…と思ったので、今日は日本の学校や教育に対する我が家の想いを書こうと思います。

留学の目的についてはこちらに書いています

子どもたちの教育環境

上記を読んでいただければわかりますが、留学の理由は日本の学校がダメだからではありません。確かに日本の教育には問題点はあると思います。実際に私自身、日本の教育に閉塞感を覚えながら育ってきた過去があります。それでも日本の教育がダメだなんてハナから否定したことはありませんでした。だから、その質問にはいささかショックを受けてしまいました。

厳密には、日本の教育の根本には共感できない部分はありますが、お世話になっている学校には不満を抱いているどころかむしろ感謝しているぐらいです。

上が4年生まで通った公立小(現在、次男が在籍)は教職員の方々はとても熱心で、学校の雰囲気はとても良く、学校運営や何かの時の対応に不満はありませんでした。また、急激に変わりゆく学校教育に、先生方は日々勉強、努力をされていて迅速に対応していると感じています。子どもたちは安心して学校生活を楽しむのはもちろんのこと、子どもたちが主体となって行う活動も多く、イキイキと学校生活を送っている様に感じています。先生方のご尽力には感謝しかありません。

また、上が現在通う学校は、受験で苦労して入った学校ですし、私も主人も息子にとって日本一の学校だと思って通わせています。

好きな事に夢中になる我が子。勉強はほどほどすぎるほど適当で入学当初はクラスでビリでした。つい最近も久しぶりに偏差値30台を叩き出す始末に唖然としたばかりです。(この結果は返却されてから数週間、鞄の中で眠っていました)提出物は期限内に出さない、家庭では学校の手紙を自ら出したことはない(結果、提出期限のあるものは期限に学校に出せないことが多い!)などなど、学校にとっては少々問題ありの生徒です…。そんな上ですが、先生方はいつでも彼のいいところを伸ばすような声がけをしてくれますし、面談では毎回いいところを探しては期待していると声をかけてくれるのです。

そんな生徒でも褒めてくれるから良い学校である…ということでは全くありません。

先生から言われてすごく共感したことがあります。上は、学校では周りや大人の評価を気にしない生徒なのだそうです。そんな上に対し、自分がしたいからそれをする、したくなかったらしない性格ですが、しなきゃいけないと気付いたらすると思う。自らできなければ意味がないので、自分で気付いてできるようになるまで待ちます。でも、あと1年ね…。頑張ろう!と声をかけてくれました。(先生の経験上、中3でできるようにならなかったらずっとできないそうです。)

私たちが選んだのは、子どもたちの可能性を最大限伸ばしてくれる学校、子どもたちの好きを応援してくれる学校。私立校は営利ですから成果を上げて利益も上げなければいけません。私立一貫校での成果というのは、一般的には大学進学率にあると思いますが、上の学校はもっと先を見ている学校。だからこそ子どもたちの個を尊重し、やりたいことを応援してくれます。上にとっては間違いなく日本一の学校だと思っています。

そんなわけなので、しつこいようですが学校がダメなわけでも進んで辞めたいわけでもありません!正直、体が二つあったらどちらの学校にも行かせたいぐらいなのです。


日本の教育の問題点

私は専門家でもなんでもないただの一保護者に過ぎませんが、その一保護者として日本の教育に問題点はあると感じています。インターナショナルスクールに子どもを通わせる保護者からよく聞くのは、インターナショナルスクールで子どもの個性を伸ばしたいということです。これは言い換えれば日本の教育では個性は伸びないと言っているようなものです。では、なぜ日本の教育では個性は伸びないと思われてしまうのでしょう?

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日本の教育では協調性を重んるというフレーズをよく見聞きします。よく言えば協調性…、それは行き過ぎると同調圧力ともなり得ます。周りと合わせなければならない、周りと違ってはいけない、いえもっと言うと、日本の教育では周りと同じであることを求められるのです。大勢の中で意見を求められた時、一番最初に意見することを躊躇う、まずは誰かの意見を聞いてから周りに合わせた発言をする。私自身、そんな学校生活や社会で生きる事をずっと窮屈に感じながら生きてきました。

この様に周りと同じであることが求められる環境、教育の中ではなかなか個性を伸ばすことはできません。個性的な人たちの大半は日本の教育の中で、人と違うことを隠し、多少なり自分を偽って個性を消してきたのではないかなと思います。そして、それでも個性を伸ばしてきた先人たちは、変わり者というレッテルを貼られ生きづらいと感じながら生きてきたのではないかと想像します。

グローバル化が進む社会で自分たちと違うもの(他人種、他文化など)を受け入れないということはあり得ないことで、こういった教育の根本が、世界から取り残されていく日本を助長しているということは今や教育の専門家だけでなく、私たち一般的な保護者の中でも叫ばれていることです。


日本の教育の良い点

一方で、子どもたちがインターナショナルスクールを経験したり、自ら海外に出て外から見た日本の教育について改めて良いなと思った点もいくつかあります。

一つ目は、日本の和にも通じる協働力です。これは協調性と紙一重ではありますが、適度な協調性はこの協働力に繋がると思います。普段から班で協力して清掃をしたり集団登校や委員会といったグループで協力して与えられた役割を全うしていくという活動は海外の学校やインターナショナルスクールではあまり見られない光景です。こういった協働力を養うことは、今、地球規模で起こっている様々な問題を解決するために必要なことなのではないかと思います。

二つ目は自立に向けた小学校生活です。上記の清掃や委員会活動に給食の配膳など、日本の子どもたちは学校生活の中で自分たちの身の回りのことは自分たちでできるような指導を受けます。海外の学校やインターナショナルスクールでは、清掃やランチの支度は大人の仕事。子どもたちは遊びと勉強に集中する環境となっていることがほとんどです。この他にも友だちとのプレイデイトですら大人が介入しなければできない環境など、海外のインターナショナルスクールを経験して感じたのは、あまりに子どもたちが自分自身でできないことが多すぎるということでした。

これは自立だけでなく、治安や法律の問題もありますが、それにしても小学生の子どもが公共の交通機関を利用して夜間に塾や習い事から帰宅するということが可能な国は世界中のどこを見てもなかなかありません。


理想の教育

日本の教育の良い点、良くない点、私なりに思うことを挙げてみましたが、日本だけでなく海外の教育にも一長一短があり、万人に受ける教育はどこにもないと思っています。子どもの性格や特性などに合わせて教育を選べるのは理想ですが、そうは言っても日本で暮らしていくなら、日本で日本の教育を受けられるのがベストだと私は思います。コストや生活スタイルの問題はもちろん、自国の良き文化、習慣などを吸収し、アイデンティティや美しい母国語を自然に身につけることができるからです。だからこそ思うのは、日本の教育は早急にその根本を変え、より良くなってほしいということです。


最後までお読みいただきありがとうございました♡

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