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緊張とうまく付き合う

心や体が張り詰めた状態である緊張には自律神経のバランスがかかわっています。普段は交感神経と副交感神経が適度なバランスで働いていますが、不安を感じると交感神経が優位になり、筋肉が緊張して震えたり、顔が赤くなったり、心臓がドキドキしたり、汗をかいたりと、体に反応が表れます

「自分は人前ですぐに緊張してしまう」と悩んでいる人は、緊張していることをできるだけ隠そうとする安全のための行動をとりがちです。すると、「顔が赤くなったら、他の人に笑われるのではないか」「汗だくで手や声が震えてしまったら、失礼な人だと周りを不快にさせてしまうのではないか」と考えて、自分にばかり注意が向いてしまい、その自意識が不安を強くしてしまいます。さらに、不安が強くなればなるほど、赤面、発汗、震えなど余計に体が緊張して身体反応が高まるという悪循環が起こります。その結果、頭が真っ白になったり、のどが詰まってうまく話せなくなったりして、ますます「自分は人前に出ると緊張してしまう」「人前に出るのが苦手」という考え(意識)が強くなってしまうのです。

それではどうしたらいいのか!

自分以外に注意を向けて、緊張とうまく付き合う

緊張と上手に付き合う方法の一つは、緊張を極端に隠そうとしないことです。緊張することはごく普通の反応なので、「緊張してはいけない」「絶対に隠し通さなければならない」と思う必要はありません。「緊張していることがばれてもいい、相手にわかってしまってもいい」と思えるようになると、不安は和らいでいきます。

また、周りから自分がどう見えているのかという自意識が過剰になると、誰でも不安になり、緊張してしまうものです。緊張しやすい人は特に、不安や緊張を隠そうと自分の体の反応やイメージに注意を向けすぎてしまいがちですが、自分のことばかりを意識するのではなく、他の物事に意識を向けることで、不安や緊張を和らげることができます。

画家やカメラマンになったつもりで、目の前にある人や物をじっくり観察する「注意トレーニング」

似顔絵を描く画家(あるいはプロのカメラマン)になったつもりで、目の前にいる人の顔をよく観察します。実際に絵を描く必要はありませんが、似顔絵を描くためには、顔の形、目の色、髪の長さなどをかなり細かく観察する必要があるため、相手に注目しなければならず、自分に意識が向かなくなります。人の顔でなくても、目の前にある物や風景を観察してもかまいません。

あるいは、ラジオのアナウンサーになったつもりで、目の前で起こっていることを実況中継してみるのも良い方法です。ラジオには映像がないため、細かく説明しないと聴き手に内容が伝わりません。細かく伝えようと思うと、目の前の様子をじっくり観察しなければならないため、意識が自分から逸れるのです。

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