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着物書き物慌て者

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いつ何を着たらいいのか問題

着物には袷とか単衣とか絽とか紗とかあります。要は裏地のあるなし、さらに薄手か、みたいな話です。

一般には……というか、ガッチガチのルールに従うとするならば、1〜5月、10〜12月は袷、6月9月は単衣、7〜8月はうすもの、ということになっています。
が。
このご時世、そんな悠長なこといってられっかよ、という話ですよ。5月になればもう半袖でもいいくらい暑い、7〜8月なんて天然のサウナですよ。逃げ場が

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足下を固める

今回は足袋の話。和装における靴下ですね。

ルールに則ると、フォーマルでは白でなきゃダメとか、色柄はシーンが限られるとかそれなりにあるようなんですが、普段着なんでその辺は気にしないことにしてます。

実は靴下で良かったりする

書生スタイルから入った初めの頃は足袋までは持っていなくて、普通の靴下にブーツとか、スニーカーとか。着物警察が聞いたら卒倒しそうな話だと思う。
今でもデニムとか木綿とかなら足

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誂える

まずは知識から

着物の基本は「自分サイズに仕立てる」。きっちりと着たいのだったら仕立ててもらったほうが良いに決まっているのだった。
とはいえ、スーツで言うところのフルオーダーなわけで「でもお高いんでしょう?」と思われるかたも多いと思う。

正直に言うと、決して安くはない。
反物が一反、ピンキリだけど、木綿は比較的安価のものもある。絹はどうしても高額になりがち。乱暴に言うと木綿<麻<正絹という感じ

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それは日常になった

 着物をワードローブの一つとして組み入れてから数年、襦袢を1枚、単衣の長着を3枚誂えるくらいにはなった。単にサイズがないのと古着では欲しいと思うものがなくなってきたからというのもある。
 正絹のものは古着とはいえ、やはりどうしても気を遣ってしまう。雨だったりとか、汗とか、手入れに手間がかかるのはやはり日常着には「自分には」面倒な気がするのだ。
 デニムとか、木綿、麻のものを着るようになってその辺は

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出航

最初の着姿は酷いもんだった。とにかく見よう見まねで羽織って、帯をどうにか巻いて、YouTubeで見たとおりに結び、袴もどうにか形にしたけれど。したけどさ。
よれよれってこういうこと言うんだろうなという有様。
その状態で文学フリマに行っちゃうんだからたいした根性だと我ながら思う。車で会場まで行ったんだが、途中で寄ったサービスエリアのスタバで褒められなかったらたぶんいまいちな一日だったんじゃないかと思

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いざ、入手。

2019年7月、いろいろあって横浜にいた。
当初案内してもらう予定のお店がお休みだったそうで、横浜のそのお店に行くことになった。

相鉄天王町駅から近く、おもしろ屋さん。

中に入ると、昔からの古道具屋さんの佇まい、山と積まれた古着。すごい。さっそく見せてもらうことになる。自分の体格からすると古着はサイズが足りないらしい。もう5センチ低かったらもう少し選択肢があったかもしれない。
その日たまたま入

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萌芽

萌芽

文学フリマ京都での和装体験で味をしめた自分。2019年も着物を着せてもらった。この年からあらかじめコーディネートされたものを選んでも予約という形になった。希望者が増えてきたのかもしれない。
この時着せてもらったのは、女物を仕立て直したものらしい。おっさんである自分が着るとどことなくどこかの旦那風になるのはどういうことなのか(むしろ面白い)。
前年は腰紐で襦袢も留めていたけど、今年はなんと布テープ。

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邂逅

邂逅

ある時からなんとなく書生さんスタイルに目がいくようになっていた自分。きっかけはなんだっけか。るろうに剣心の瀬田宗次郎か? 別にコスプレをしたいわけではなかった。そうならないように着たい。どうせコスプレと言われるなら金田一耕助のほうが幾分マシかもしれない。そんなことをぼんやりと考えていた。
実際着てみるとして買うのはさすがに手間だし、すぐに飽きるのはわかっていたので、レンタルならあればいいのに。そう

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原体験

原体験

 着物の記憶なんて、とびとびでしかない。これを書くために思い出しては書き留めていたけれど、前後の繋がりがなんにもなくて読みづらいったらない。



 七五三で豪華な着物を着せられて苦しくて泣いた記憶がある。すぐ終わるからと言われながらお披露目のために母の実家に連れて行かれ、道を歩いている自分。頭に何か被せられ、おでこに何かついていた記憶もある。

実際どうだったのかはわからない。記憶と聞いた話が

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