萌芽
文学フリマ京都での和装体験で味をしめた自分。2019年も着物を着せてもらった。この年からあらかじめコーディネートされたものを選んでも予約という形になった。希望者が増えてきたのかもしれない。
この時着せてもらったのは、女物を仕立て直したものらしい。おっさんである自分が着るとどことなくどこかの旦那風になるのはどういうことなのか(むしろ面白い)。
前年は腰紐で襦袢も留めていたけど、今年はなんと布テープ。いやそれでいいんかい。びっくりしたけれども、効率と準備費用考えたらこれでいいのか。レンタルだし。
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正直なところ、人が多数集まるところに自分が行くときに、何を着ていくか問題というのがある。普段、文フリに行くときはほぼ同じような格好にしている。いつものあの人、という覚えられかたをされればいいと思っているからなのだが、それも飽きるときはある。文学フリマ京都でのように衣装を貸してもらえるとそれ以外のところに頭を回せるので気が楽だなと思った。思ってたんだよその時までは。
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で、である。ある時、二度ほど借りて着たわけだけど、毎回5000円払って借りるのもなあ、と思ってしまった。たぶん沼落ちの瞬間だったんだと思う。
着るときのお作法はできるだけ省略したい。長襦袢だの足袋だの……は嫌いじゃないけど、書生さんスタイルならある程度手持ちのあれこれで賄えそうな気がする。そう思い始めたのだった。
通販サイトで眺めてみるものの、全っ然わからん。そりゃそうだ。サイズ表記が洋服と違うんだもの。裄と丈。ほぼ呪文である。これ失敗したら目も当てれんな。検索してはページをそっと閉じる、その繰り返し。
ここ何年かの間に手に入れた和装マニュアル(前にコミティアで見たやつ。しばらく忘れていたけど、文学フリマで見つけて思い出し、即買いした)を眺めてみたり。ちょっと速度がついてきた。
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ツイッターでこんなふうに呟いた。
そしたら、もう一人反応してくれた。
などと言っていたのであるよ。懐かしい。
……で、気がついたら横浜に居た。居たってなんだよ。まあともかく、話に乗ってきてくれた方と二人、その手のことに詳しい共通の知人に連れられて横浜のリサイクルショップに行ったんである。2019年の7月の話。
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