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【学生目線】『ストリートファッション』の日本的解釈①

 「ストリートファッション」と一口に言っても年代や国、東西南北によってさまざまな解釈がなされている。

 「日本」におけるストリートファッションとはどのような歴史をたどってきたのだろうか。

 こんにちは。
 『学生目線』で連載を開始した『フジムラ タケル』です。

 今回のブログから本格的に記事を書いていきますのでお付き合いください。まず初めに、みなさんは『ストリートファッション』について
どの様な認識を持っていますか?

 ラッパー、DJ、ダンサー、スケーター、クラブで楽しむ人などなど,,,様々な「ストリートファッションをしている人」が思い浮かぶかと思います。

 しかし、以前同ブログで取り上げられた「HipHopの4大要素プラス5~ストリートファッション編~」からもわかる通り、年代や土地柄、流行した音楽など様々な要素によって『ストリートファッション』の解釈は変化してきました。

 今回のブログでは、そんな『ストリートファッション』の日本的な解釈を日本のファッションシーンを振り返りながらつづっていきます。全時代を一度に振り返っていくと途方もないので、年代ごとに数回に分けて投稿します。

第一弾:1980年代

①竹の子族・ローラー族

タケノコ族

 竹の子族とは、1980年代前半に東京の原宿、代々木公園横の歩行者天国でラジカセを囲み踊っていた若者たち。当時の日本は詰め込み教育や競争社会への変化が進んでいました。そんな現実から逃れるためにクラブやディスコなどに集まるようになり、最終的に若者が選んだ場所が原宿の歩行者天国でした。衣装を自作したり、カラフルに自分たちの色を表現していた点から縛られ始めていた自由を取り戻したい若者の想いが垣間見えます。協調性が重視されている日本社会の反抗的な意識があったのではないでしょうか。

 同時期には『ローラー族』と呼ばれる、ロカビリー&ロックンロールミュージックで踊る人々も現れました。彼らはデニムやライダースジャケットなどといった50年代のアメリカのポップミュージシャンを彷彿させるファッションです。これらのことから、ディスコミュージックやテクノなどの流行している音楽やクラブカルチャーが日本に定着し始めたことがうかがえます。

ローラー族

②DCブームとカラス族

カラス族

 80年代半ば、バブル期を迎えた日本は高度経済成長の真っ只中。製品にあふれ、大量生産、大量消費社会へと変貌していきました。モノに満たされた当時の若者たちが自由の次に求めたのは「人と違う」ことでした。そんな個性や少数派になることを求めていた日本で広がっていたのがDC(デザイナーズ&キャラクターズ)ブランドです。その中で今でも人気のあるブランドといえば『ヨウジヤマモト』や『コムデギャルソン』でしょう。1982年にパリコレデビューを果たしたこの2ブランドは、当時のファッション業界ではタブーとされていた『黒』を積極的に使ったり、西洋の体に合った服作りと異なったオーバーシルエットを押し出しました。賛否両論ありましたが、多くのデザイナーに影響を与え「東の衝撃」と語られるようになりました。以降、日本の一部の若者に『黒』を基調としたファッションをする人々が現れました。真っ黒に包まれたその姿から『カラス族』と呼ばれる若者の誕生です。

 大量生産大量消費社会における若者の反抗心がうかがえます。

③プレッピーと渋カジ

プレッピー

 『プレッピー』。聞いたことがある人も少なくないでしょう。『プレッピー』とはアメリカのエリート学校である「アイビーリーグ」に入学を目指す予備校のことです。全寮制であるプレッピーに通う学生は裕福な家庭が多く、着こなしもブレザーやローファーなどを合わせてスタイルが多く見られました。一般的に呼ばれるアイビースタイルと比べてルーズなフィッティングやよりカラフルな着こなしが目立ちます。日本では、アメリカ流の『プレッピー』とは少し異なり、80年代後半にかけて『渋カジ』とよばれるデニムやポロシャツ、スウェットシャツなどで着崩したスタイルが生み出されていきます。ここからは筆者による推測ですが、『プレッピー』というファッションは日本人の体形に上手くなじみにくかったことや、バブル期のディスコブームの影響によってよりラフな解釈がなされていった結果『渋カジ』という日本流プレッピーのようなスタイルにたどり着いたのではないでしょうか。

※『アイビー』については後日執筆するつもりです。

おわりに

 今回はストリートファッションの日本的解釈について、80年代にフォーカスして執筆しました。もちろん、今回ピックアップしたファッション以外にも様々なファッションが当時は流行していました。その中から、Hip Hopの4大要素の1つであるDJが活躍していたクラブ、ディスコシーンや音楽により影響を受けていたであろうスタイルを紹介しました。

 当時「ストリートファッション」とされていたファッションを見れば音楽シーンや時代背景が垣間見えるので、時々振り返ってみるのも面白いのではないでしょうか。私もリアルなシーンを通ってきたわけではないので、こうして振り返って調べていくと毎度発見があって楽しいです。

 次回は90年代の日本における「ストリートファッション」について執筆しようと思います。今の「ストリートファッション」に通ずるものが一番見える時代だと個人的には思っているので、お楽しみに。

 最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

<参考>
https://artsandculture.google.com/exhibit/ogKCPmGdPtB7Iw?hl=ja
https://cragycloud.com/blog-entry-919.html
http://crescenteyes.co.jp/archives/3627
http://www.newyorker.co.jp/magazine/know/iconoftrad/9187/
http://www.newyorker.co.jp/magazine/sp/history/01/

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