見出し画像

がんと闘うママが登場する絵本「ママはかいぞく」

 素敵な絵本をみつけました!乳がんと闘うママが登場します。

「ママはかいぞく」カリーヌ・シュリュグ 文 光文社

 ぼくのママはかいぞくなんだ。「カニなんてへっちゃらごう」に乗り込んで冒険をしている。ママの胸には戦いでできた傷がある。船酔いで食事を食べられない時もある。でももう冒険はおしまい。ママの具合はすっかり良くなったよ!

 病気の家族が登場する本で患者は「かわいそうな人」として描かれることが多いですよね。がんであればなおさらですが、この絵本では前向きに闘うママの姿が描かれます。この作品がうまれたのは、作者のカリーヌさんが乳がんを患い、当時4歳の息子さんに病気のことを伝える本がないか探したことがきっかけだそうです。思うような前向きながん治療に関する本がなかく、この作品がうまれることになりました。

 病気と立ち向かうには時間がかかること、治療は楽しいことばかりではないこと、食欲がなくなることもあること、髪の毛が抜けてしまうことがあること(ママはすてきなバンダナを巻いています)、治療で疲れてしまうこともあることなど「治療の現実」が、幼い子どもにも伝わるようなかんたんな言葉で、そしてユーモアを持って語られます。絵もとても魅力的で、楽しみながらも現在のがん治療を知ることができる、とても素敵な本でした。お子さんに病気のことを伝えるのに、とてもいい1冊だと思います。オススメです!




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?