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映画の半券は取っておく派。|映画エッセイ#3

僕は映画の半券を捨てずに取っておく派。

2023年もたくさんの映画を観た。

ふと思って2023年に集めた半券を広げたくなり、机に並べてみたら意外と少なかった。
あれ? もっと観た気がするが…。

そうだ、最近はSDGsの絡みもあり、チケットも電子化が進んでいたことを思い出した。IT化はとても便利だけど、半券が貰えないのは少し寂しい。

半券を広げてみると、2023年一発目に見た映画が「マッド・ゴッド (*1) 」だったことに気づく。全く、新年早々変な映画を観に行ったものだ。(とても面白かったけど)

2023年の半券と2024年一発目の映画の半券
(「マッド・ゴッド」の半券は一番左下にある)


年締めは、ヴィム・ヴェンダースの「PERFECT DAYS (*2) 」
これもとても素晴らしい映画。個人的には2023年に観た映画で一番良かった。この映画の感想は以下の記事に書いた。

電子の方もTOHO、109シネマズなどの各Webサイトに履歴があるので、そちらも数えてみたら、週に1回は映画館に足を運んでいる計算になった。近年の映画代金を鑑みると、
 2000円×53週(一年間は52週か53週ある)=106,000円
 
※面倒なので、割引は考慮しない。

TOHOと109シネマ会員なので、6回観たら1回無料なので、8回分差し引くとして、
 2000円×45週(一年間は52週か53週ある)=90,000円

TOHOや109シネマカードのおかげで10,600円は差し引けた。(映画好きは絶対に会員になった方がいい)
こう見ると、映画鑑賞という趣味は結構お金がかかる。

近年のインフレで映画代金も高騰を続けている。これからも上がり続けるだろう。でも賃金は中々上がらない。
数字にしてみると、日本の経済がいかに厳しいか分かる。

これ以上に代金が上がったら、映画館に行くだろうか?

おそらく答えは「NO」だろう。
いや、行くけども今まで通りの頻度ではいかなくなる、が正しい。

世間の映画好きはどうだろうか?
NETFLIXやAmazon Prime、U-NEXTなどによる、映画のラインナップはかなり豊富。(余談:洋画専門チャンネルの「ザ・シネマ」は痒いところに手が届くサービスでおすすめ)

コスパという面で考えると、これらのサービスの方が断然良い。
映画好きの皆さんはきっとこういうだろう。
 「自宅ではプロジェクターでは映画館の雰囲気を味わえない」

僕もその意見には同感であるが、でも年間50本も見る気にはなれない。ならストリーミングで見てしまう。それは多くの人も同じだろう。
でも映画館は好きだし、もっと多くの人に多くの映画を見て欲しいというのが本音だけど、きっと今の景気じゃ厳しい。

映画館の収益も経済と一緒で、需要と供給が成り立たないといけない。

映画館がなくなるのは悲しい。
1月31日で、歴史ある「吉祥寺プラザ」が閉館する。
館内の老朽化による改修費を、収益で賄えないことが閉館の要因とのこと。

吉祥寺プラザ最後の上映は、ジブリ作品の「もののけ姫」と「君たちはどう生きるか」である。絶対に観に行こう。そして感謝を込めて観よう。


映画の半券から考えさせられることはたくさんある。
だから僕は半券を捨てずに取っておく派だ。


(*1)マッドゴッド:フィル・ティペット監督のアニメーション映画。クリエイターとして熱い意志が感じられる。
(*2)PERFECT DAYS:ヴィム・ヴェンンダースの最新作。

二◯二四一月
Mr.羊




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