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③やってやろうやないか、授業アゲイン。


1. 3ヶ月半。

¡Hola!

ホンジュラスに来てから3ヶ月半、任地に来てから2ヶ月ちょい。

少しずつ、こちらの人の温かさを心地よく感じるようになってきた(気がする)。

スペイン語も、最近少し聞き取りやすくなった(かと思えばあるときは全然わかんなくてげんなりする)。

舗装されてない道路も多いので、こんな感じで砂埃がすごい

2. えげつないリベンジ

前回はホンジュラス初めての授業について書いてみました。

前回の結論:小学生は宇宙人。

なんじゃこの異生物は!!!

という感想で終わりました。(失礼)


それでも懲りずに、別の学校で授業をさせてもらいたいとお願いしました。

もともと授業をやろうと思った理由は、先生たちに自分のやり方を知ってもらう、という上から目線的な感じ。

今は全然心持ちが違う。

ただ、もう一度授業に挑戦したかった

少しでも、子どもたちにどんな授業が響くのかをつかみたい。
何か機能するのかわからないで先生を育てるなんてできない。
そして、少しでも先生の気持ちになって、
何が難しくて、何が可能性のあることなのかを体感したい。

そんな思いでもう一度やってみることに。


ただ、問題は、引き受けた量がえげつなすぎる。

90分(1年生)+90分(3年生)+45分(5年生)+90分(6年生)

これを午前中ぶっ通しで。日本の小学校の授業数で言えば、7時間分。

「あ〜やるやる」ってあんまり何にも考えないでその日の授業全部もらっちゃったけど、よく考えたらあまりにも過酷。
小学生の授業作りにも、ホンジュラスでの授業作りにも慣れてないのに。

本当に、細かいことを考えないで飛び込んでばっかりなので、
こうやって痛い目に合うのです。はい。

誰も責められない。
やるって言ったのはこの私。

言ったなら、やってやるしかないやんかい。

それなのに、準備始めたのは本番2日前。
抱えてる授業の量に見合わない計画性。ひでえなおい。

そんなこんなで迎えた当日。

さてさてどうなるやら。

3. こんな感じで授業してみた

【1年生】
《授業内容》
①Call and responseの練習 (先生が”class class”と言ったときは、子どもたちは いつでも”yes yes”と言わないといけないというルール)
②クラスルールゲームの説明(クラスを2つに分けて、クラス内でよりルールを 守れた方に多くポイント)
③前回の復習:色の名前
 色画用紙見せながら覚えてるか確認
④新出表現:体の部分の名前
 体を触りながらリピート→覚えてるか確認
 →私が言った体の部分をすばやく触るゲーム
 →歌 “head shoulder knees toes”(スピードやテンポやボリュームを変えて  みんなで歌う)

《感想》
授業全体通して成功。
歌のスピードやテンポやボリュームを変えまくったらばか盛り上がった。未知の領域すぎてどうしたらいいか悩んでた1年生をキラキラ笑わせられてめっちゃ嬉しかった。

ゲームで守るべき5つのルール。アイスクリームチームとケーキチームとりっさチームで競います。

【3年生】
《授業内容》
①Call and responseの練習
②クラスルールゲームの説明
③前回の授業の復習(フォニックス)
 文字を見せて言えるか確認→ディクテーション
④新出単語(序数)
 導入、全員で理解→リピート、覚えてるか確認
 →仲間探しゲーム(子供全員の背中に序数と色を貼って、同じ色のクラスメイ トを探してグループになり、序数通りに順番に並べたら勝ち)

《感想》
①Call and  response→成功
②フォニックス→OK
③仲間探しゲーム→要改善

初めての中学年への授業だったから、改善点多く感じた。
初めて習った質問文や答え方は、その授業内では上手く使えない。まだ3年生だから、全員が動き回るアクティビティはもっと簡潔な指示と系統立てた授業内容がないとぐちゃぐちゃになる。
とはいえ、3年生はなんでもノリノリで楽しんでくれるから、教えがいがあるなと思った。

序数の導入は、動物のかけっこ。最後の2つを見せた時の盛り上がりはまじで地球が震えた。
仲間探しゲーム。多分アイディア自体は悪くないけど、もっと上手くやる必要があったな。

【5年生】
《授業内容》
①Call and responseの練習
②前回の復習(be動詞の現在形)
 どんなbe動詞があったか出させる→リピート
 →ペアでbe動詞を使って例文を作らせる→全体で共有
③新出表現(be動詞の過去形)
 導入→リピート→eraser battle

《感想》
クラス全体として成功。
最初に授業見た時は真面目で大人しいクラスだな、と思ったけど、ペアワークやゲームやらせたら大盛り上がりで超元気。eraser battleは年齢問わず失敗なしのゲームなのはわかってたけど、ここでもちゃんと機能するのがわかって嬉しかった。
一方、「例文を作って」と言った時に、自分のことについての例文を作ってくれた子は少なかった。自分自身のことについて表現することに慣れてなさそう。

【6年生】
《授業内容》
①Call and responseの練習
②前回の復習 (be動詞の現在形)
 どんなbe動詞があったか言わせる→リピート
 →ペアでbe動詞を使って例文を作らせる
 →be動詞の後にどんなものが来るかアイディア出し。いろんな表現ができる  ことを確認。
③新出表現   所有格(my, your, his, her…)
 私がランダムなものを取って子どもに”yours?” “mine?” “hers?”と聞く。
 →大体私が何を言っているのか子どもに気付かせてから、所有格の説明(スペ イン語と関連付けながら)
 →リピート、覚えたか確認→eraser battle
 →宿題配る

《感想》
クラス全体として成功。
ここでもeraser battleは大活躍。高学年に対してはもっと踏み込んだこともできそうだけど、一回の授業だけだとその場限りのアクティビティになっちゃうなぁ。ま、でも子どもたちが楽しそうだったからよかった。

4.結果はいかに

シンプルに、前回よりまし!

【うまくいったこと】
・授業4つとも大ウケポイントが作れた。まじで嬉しかった。
・やっぱりなんでもゲームにしてしまえば楽しくできる(これを「ゲーミフィケーション」と言います。マインクラフトとかレゴシリアスプレイとかが有名ですね)。

最終目標はゲームなしでも面白い授業だけど(高校ではそれを目指してた)、
初期段階では、ゲームを通してクラスルールや指示への反応、授業内容の応用を子どもたちに染み込ませる切り口が効果的なんじゃないかとは思う。

・call and responseは個人的に年齢に問わずすごく効果的だと思う。
(いろんなバリエーションがあるけど、私が高校時代に使ってたやつはこれ↓)

【課題】
・アクティビティやマテリアルを1から探して手動で作る時間が莫大すぎた。
時間がある私はまだしも、担任の先生がするにはしんどすぎる。
先生たちの負担が軽減されるようなやり方を、先生たちと探っていきたい所存。

5.収穫だらけ

この授業を通して、またまたいろーーーーんなことを学びました。

・できる自信とできない謙虚さ

前回の授業で、

「まじ小学生(特に低学年)難しすぎる、、私にできることあるの??これ??」

って自分の存在価値を疑いかけたのだけど、
今回の授業で少し希望が持てた。

自分の経験が活かせないことはないんだってことも、
子どもたちがどんなふうに学ぶのかってことも、
すこーしだけわかった。

一方で、どう頑張ってもここの先生たちとは経験値が違いすぎる。
「自分はできないけど、先生たちにはできる」
っていう謙虚さは絶対に忘れたくない。

「自分が提供できることがある」
「先生たちができることある」

という2つを欠かすことなく、常に頭においておきたいと思います。

・私の役割

じゃありっさ、何すんのさ?という話。

もちろん先生たちへの研修を全部自分でやっちゃうこともできる。

でもそれは私がやりたいことじゃない。

ここにいる先生たちが、英語を継続的に教えられるような仕組みを作りたい。

じゃあ、そこに辿り着くまでに、

私は何ができる?何をすべき?
逆に、私は何ができない?何をすべきでない?
そして、先生たちは何をすべき?

そんなことを最近はいつも考えている。

もちろん動き始めてからわかることも多いんだろうけど、

今私が思う自分の役割は、「きっかけ担当」。

アクティビティやマテリアル、授業のテクニックとか、
先生たちが知らなかった考え方やアイディアを投げ込んでみる係。

そして、先生たちは「料理担当」。

授業をするのも、子どものことをよーくわかっているのも先生たち。
だから、私が投げたアイディアを、「自分のもの」にしてもらうのは先生たち。
それぞれが持っているいろんな経験、いろんな引き出しと、新しいものを混ぜ合わせて、自分だけができる授業を見つけてもらいたい。

自分と先生たちの化学反応で、面白いことしていきたい!な!!!

言うは易し、やるは難しですが。

日々できることをぼちぼちやって参ります。

学校に着いて、授業の前に楽しそうに自分たちで復習してる子供たち。学びに飢えてるんだなぁ


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