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実施報告書  第一弾「移民・難民の子どものいのちを守る基金〜セーフティネットからこぼれ落ちる子育て世帯へ~」

皆さまこんにちは、Living in Peace難民プロジェクトです。
先日、noteでも告知をいたしましたが、現在Living in Peaceでは、「移民・難民の子どものいのちを守る基金」の第二弾実施に向け、クラウドファンディグを実施しております。
 現在、第一ゴールを達成し、残りの期間をつかって2ndゴール500万円(約100世帯への現金給付額に相当)を目指します。


 さて、今回は2月~3月にかけて行った「第一弾:移民・難民の子どものいのちを守る基金」のについて実施報告を致します。
 もし、今回の基金にご賛同頂ける方がおりましたら、ぜひとも上記のリンクからクラウドファンディグを確認いただき、ご支援頂けると嬉しく思います。


1. 本基金の概要

 2021年2月特定非営利活動法人Living in Peace(以下、LIP)は1月7日以降、複数の都府県で緊急事態宣言が再度発令されたことを受け、移民・難民として日本で生活する子育て世帯への緊急支援を行うことを決定しました。
 新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中で、解雇や勤務時間の短縮により収入が激減し、困窮する家庭が増えました。それに加えて、外国籍の方々の場合は、在留資格によって「最後のセーフティネット」と言われる生活保護制度が受けられない、または諸般の事情で公的支援に容易にアクセスできない世帯も少なくありません。

 そしてそのしわ寄せが向かう先は、社会でとりわけ弱い立場にある子どもたちです。そのため、移民・難民の子どもたちを対象に緊急支援として現金給付を行うことにしました。
 LIPだけでは移民・難民の子育て世帯との直接のつながりは限定的であるため、他の移民・難民の子育て世帯を支援している団体を通して支援を届けていただくことにしました。
 2月8日に募集を開始し、2月21日の締切までに6団体からの申請がありました。LIP内での申請内容の審査を経て、計59名の子どもたち(胎児含む)を支援することになり、3月5日までに申請いただいた団体への支援金の振込を完了しております。
 各団体から受領した申請書から、新型コロナウイルスの影響で子どもたちの家庭の状況は一層厳しさを増していることを痛感いたしました。今回の基金でサポートできたのは、ほんの一握りでそれも十分とは言えません。
 私たちは今回の基金を一過性の取り組みにせず、これからも経済的支援も一つの選択肢としながら、より包括的に移民・難民の子どもたちへの支援に取り組んでいきたいと考えています。


2. 支援結果

■緊急支援金の支給総額      1,500,000円
■支援総世帯数          34世帯
 (内ひとり親世帯数)      8世帯
■支援した子どもの総数(胎児含む)59名
■国籍の内訳
 ネパール 12名、ミャンマー 11名、フィリピン 6名、中国 2名、
 イラン、ベトナム、エジプト 1名ずつ
■申請代表者の在留資格の内訳
 定住者 14名、経営・管理 1名、教育 1名、技能 11名
 特定活動 3名、家族滞在 2名、仮放免 2名
■都道府県内訳
 東京都 29名、大阪府 2名、茨城県、千葉県、埼玉県 1名ずつ


3.申請書に見る移民・難民の子育て世帯の声

■子どもたちに学習機会を保障してあげられない…
・子どもたちは在留資格が影響し、奨学金を申請できず、進学資金の見通しが立たない中での受験となった。
・日本語を学べる教室に参加させたいが経済的に厳しく通わせることができない。
・日本語習得と受験対策の勉強のため休校中私塾に通わせたかったが、父親は勤務していた飲食店を解雇され、行かせることができなかった。

■子どもたちに必要なものを買ってあげられない…
・コロナの影響により、収入が激減し、子どもの学用品など買ってあげられない。
・コロナで減収。貯金を切り崩して生活しているが行き詰っており、子どもに必要なものが買えない。

■先が見通せず、子どもたちに我慢をしてもらうしかない…
・ホテルでの仕事が休業になり、減収となった。近所のダンス教室に憧れていることは知っているが通わせてあげられない。友達と遊ぶお小遣いや洋服代なども我慢してもらっている。
・学校でバレー部に入部したかったが、ユニフォームやシューズを買いそろえることができず、あきらめてもらうしかなかった。


4.支援対象者からヒアリングしたニーズ

【日用品・食品 】
■食品:お米、パスタ、パン、油、果物等
■日用品:子どもの服、オムツ、洗剤、マスク等

【その他】
■現金給付支援(用途:家賃、子どもの教育費用、医療費)
■医療機関への同行(コミュニケーションのため)
■日本語を学ぶ場
■わからないことを気軽に相談できる場

5. 支援を受けとった方々からの声

■これで家賃の支払いができます。
■子どもの洋服、下着や食べ物を買うために使います。
■食費と光熱費に使います。
■ミルクとオムツを買います。
■学校の制服の購入をはじめ、教育準備のために使います。
■日本語を勉強しにいくための交通費に使います。
■都立高校へ入学が決まっていましたが、あまりにも初期費用がかかることに不安を感じていました。
■このサポートのお陰でなんとか無事に払い終わることができそうで少し安心しています 。
■新型コロナウィルスの感染拡大の影響で仕事が見つからず収入が少ないときに助けて下さって、本当に感謝しています。この度は本当にありがとうございました(原文ミャンマー語を支援団体の方が和訳くださいました)。
■みなさまのご支援に心より感謝します。みなさまからいただいたご支援のおかげで、私の子どもたちは学習を継続することができます(原文アラビア語を支援団体の方が和訳くださいました)。

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