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精神的幸福度がほぼ最下位 日本の子どもの幸福度について、いま問うならば

例年より一足早く学校が再開し、十分に夏を満喫できなかった子どもたちは残念でならなかったでしょう。

ただでさえ限られた子ども時代を、乳児から青年までかけぬける子どもにとって、失われた「ひと夏」は二度と取り返せないものかもしれません。

8月下旬、炎天下をマスクして登下校する子どもたちを見かけるたびに、この不確実な状況だからこそ、人生を歩み始めた人々にいかに寄り添えるかが問われると感じました。

そんなおり、9月の初旬にUNICEFから『レポートカード16』という、先進国の子どもたちの幸福度(well-being)に関する報告が出ています(「16」とは2000年の開始から数えて16回目という意味です)。

それに、次のような各国比較における日本の子どもの幸福度が示されました。

全38カ国における日本の順位
精神的幸福度:37位
身体的健康:1位
(認知・非認知)スキル:27位

結果、全体では20位というちょうど中間的な位置に日本はいます。しかし、身体的健康が最上位でありながら精神的幸福度がほぼ最下位というのは尋常ではありません。

私たちはこの事実をどのように受け止めればよいのでしょうか。

もちろん順位がすべてを物語るわけではありません(「幸福度で世界一を目指す」なんて、いかにも倒錯的で不幸です)。

しかし今回のレポートで「精神的幸福度」が依拠しているのは、OECDの2018年PISA(生徒の学習到達度調査)報告と子どもの自殺率です。

とくに前者では、「人生の満足度」を問われて10段階中で6以上とした15歳の子どもが、日本では全体の62%にとどまっているのです(35位/36国中。また、得点の低さと、さまざまな社会的困難との相関も指摘されています)。

今回のUNICEF報告で示されたわが国のいびつさを受け、私は次のふたつを今一度問いたいと思いました。

ひとつ、「五体満足に育てているんだから、それ以上を偉そうに求めるな」という、子どもを人と思わない子ども観が、いまだに私たちの社会を覆っていないか。

もうひとつ、自らの生をそのスタートですら肯定できない子どもは、その後いったい、いつになればそれができるようになると私たちは言うのか。

これらの問いにどう答えるか。それは言葉だけでなく実際の行動を伴って示されるものです。

ただ今回の報告は、それが易々と答えて実行できる類の生半可なものではないことを、すなわちその問題の重みを私たちに教えています。

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