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今日が水平線に落ちる頃

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散文、詩、ドローイングなど
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2020年6月の記事一覧

テグジュペリ 「夜間飛行」について

自分は、経験してきた今までの仕事に対して、磨き上げた満足感という感覚がこれといって無い。何について、どれだけ深く追求し、愛という時間を込めたのか、自分の中の神さまに使えたんだ。と言い表せるような諦めに似た澄んだ気持ちになってみたいと、サン テグジュペリの「夜間飛行」を読みながら思う。

その当時の飛行士は、決して誰も現場を見ることのできない、夜という黒い海の中、完全な孤独と経験にゆだねられていたの

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体の中の音は何よりも近く。命がノックする音が聞こえる。

体の中の音は何よりも近く。命がノックする音が聞こえる。

私は音を聞くことが好きである。そして海中を思う。あまり響かないのか、響く最大の波長を聞こうと頑張るかの、ただの実験的毎日に過ぎない。海中で消えてしまうような無意味な音は泡に似ていると思う。聞くことは、書くことに変換して増殖する。泡が分裂するように。聞くというのは、その季節や1日の時間の移り変わり、バイト先での音楽やら駅のたくさんの動的なものが含まれた場所の音の収集作業だと思う。  それらが 「言葉

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