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石野の柚子みそ、ありがとう

昨年12月、京都から大事に持ち帰った「石野の京風味 柚子みそ」。


この柚子みそを知ったのは昨年の春のこと。
こちらの記事↓の小包に入っていた。

実は最初、息子に頼んだのは他の老舗の「柚味噌」だった。しかし密閉されたものがなく、海外まで送ることはできず。

その代わりに入っていたのが「石野の柚子みそ」のビンだった。

しっかり艶のある甘めの味噌。その風味のあとにふわりと柚子が香る。ああ和む。
田楽に、また寒い時期には温めた豆腐に合わせてもおいしい。
もちろんそのままご飯にのせたりもするが、小さく握ったおにぎりに塗り、軽く炙るのもいい。
小さいけれど、きゅっと幸せ度が上がる贅沢だ。

というわけで、12月の帰国の「買って帰るものリスト」にも真っ先に入れられた。

まず春に買ったという高島屋地下の売り場に行ってみたが、ちょうど売り切れていた。
と、携帯電話を見ていた息子が「あれ、石野味噌ってホテルのすぐ近くらしいよ」と言う。

なるほどちょうどホテルの裏手、歩いて3分とかからないところにある。
散歩がてらその日の午後に訪ねた。

石野味噌の文字と屋号の掲げられたシックな建物があるが、そこは店という構えではない。

幌のようなシャッターが上がったり下がったりしている。その中には、衛生服というのだろうか、食品衛生を守る仕様のユニフォームに身を包み立ち働く人が何人か見えた。どうやらここで作られているらしい。
外には搬送のトラックが停まっていて、大きな箱がいくつも積み込まれているところだった。

私がうろうろしているのを見て、中からおひとりが出てきてくださった。
「こちらで小売はされていますか?」と聞くと、「あ、はい、こちらへどうぞ」とシャッターの中へ案内された。

と言ってもやはり店らしいものはなく、商品も見当たらない。左側に事務所のようなところがあって、何人かデスクワークをしている。
「ここで訊いてください」と、親切なその人は奥に戻っていかれた。

一番若そうな女性が気がついて出てきてくれたので、「柚子みそをいただきたいのですが…」と尋ねると、「ビン…のですよね?」と。
ビンの他に業務用のバケツ型のがあるらしい。
それを買って惜しげなく心ゆくまで頂いてみたいものだが、手荷物には限度があるのでもちろんビンにした。くーっ。


昨日はそんなことを思い出しながら「鱈の柚子味噌焼き」を。
本当は鰆といきたいところだが、ここにはいないもんなー。
鱈もいつもと違った姿にきっと満足していると思う。
掬ったスプーンに残った分を口に入れるのは料理をする者の特権だ。

もちろん日本にいてもおいしさは変わらない。
でも海外生活における好物の柚子みそは、それを超えて大きな存在になる。

私を癒やし、元気づけてくれる柚子みそ、ありがとう。



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