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都会から離れて起業する&暮らす~小浜TEtoKIの事例

Linkhola Inc.

都会から地方移住し起業する~小浜TEtoKI

ほぼほぼ第2波、冬に第3波となると、長期戦を見越して、都会から離れる移住者、ワーケーションを本気で考える人も増えていくと思います。とはいえ、都会の企業に属したままのテレワーク型の移住の他にどんな選択肢があるのか先駆者の事例は知りたいところ。地方で自分のスキルを活かして、地域まちおこし隊や、起業を考える人、ローカルベンチャーに奮闘するという選択肢もあるかもしれない。

縁あって、コロナ下で新しいビジネス、スモールビジネスの立ち上げにチャレンジしている都市デザインの複業家に出会いました。北陸の3万人の都市、福井県小浜市に都内から2年前に移住。地元の観光まちおこしと都市デザインの複業しながら、8月1日に地域内外の食材・雑貨を扱うセレクトショップTEtoKI(てとき)を立ち上げたばかり。地方でのスモールビジネスの可能性について対談形式で掘り下げます。

そのまえに、コペンハーゲン市の脱観光宣言に学ぶ

小浜市は3万人都市で、必ずしも交通至便や温暖な気候に恵まれてはいない。それでも、コロナ前に年間日帰り客170万人、宿泊型は少ないが14万人(うち外国人4千人)もの旅行客が訪れていたらしい。現在、観光関連の雇用や売上の打撃は他の地域と同じと予想されます。コロナ終息後に前と同じように地方は観光まちづくりを(日本は観光立国を)目指してよいのでしょうか?オーバーツーリズム問題、また地域は豊かになったのか、今の貴重な時間を大切にして、「地域まちづくりと観光」を立ち止まって考え、立て直すチャンスでもあると思うのです。
例えば、デンマークの港町、コペンハーゲンは従来の観光振興のあり方を終焉させて、これからのあり方を「End of Tourism」で宣言した。呼び込む観光をやめる。見世物、コンテンツ型の観光を改め、地元の日常的な暮らしの中から新しくつくっていこう、という地域と観光が向き合ったうえでの宣言だ。

私たち日本でも、観光業界の中から早期段階から発信された、星野リゾートの星野代表の「マイクロツーリズム論」は、業界内外で一石を投じる提唱となっています。

こうした宣言や議論は今後もいろいろな所から出てくることを健全な流れと思うのです。「サステイナビリティ」に欠けていたこれまでの観光産業、観光まちづくりのあり方を見直しにつながれば良いと。

ローカルベンチャー、移住してスモールビジネスの起業の形

前置きはさせていただいたうえで、本題に入りたい。
「小浜」「若狭」は、関西の人はなじみのある「鯖街道」の街。また、北陸地域に集中する原子力基地、その原子力誘致をことごとく阻止してきた勇気ある市民の街でもあります。NHK朝ドラ「ちりとてちん」のロケ地にもなり、焼きサバ、若狭塗り箸が全国に知られるきっかけになり、今も地元の食文化としていきづいている。

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写真:高野哲矢氏撮影

なにより、地元の人が愛してやまない、日本海と日本海側の気候風土が織りなす風景、絶景。自然資源。#若狭七色。

そんな若狭地方・小浜に、東京の都市計画、都市デザインのアトリエ事務所で活躍していたプロフェッショナルの高野哲矢さんが、2年前に夫婦で移住して3世代居住を始めました。観光まちづくりのDMO、株式会社小浜まちづくりと複業の形で、自らのアンドプレイス合同会社を設立して、1年目の今年、コロナに遭遇。そのコロナに負けず、8月1日に、まちの中心部にあるまちの駅施設内に地域内外の食材・雑貨のセレクトショップTEtoKI(てとき)をオープンされました。

なんとも、濃密な数年間を過ごし、バイタリティあふれる複業スタイル、スモールビジネスの起業家がいるものだ。
ローカルでの起業、スモールビジネスを始める意気込み、気概を聞いてみました。

Youは何しに小浜へ? 

そもそも、なぜ小浜に移住することになったのですか?
高野さん:2人目の子どもが生まれるタイミングで妻の地元である小浜で子育てをしようと決心し移住しました。

観光まちづくりのDMOと、都市デザインの合同会社の二つの顔(複業)は必然?移住前から描いていたプランだったのですか?
高野さん:地域で働くだけでなく、外で働く機会も作りたいと考え、移住前から兼業はするつもりでした。都市デザインの仕事は個人で受けることも考えていましたが、会社を設立したので、DMOの仕事とのバランスは今後変わるかもしれません。

移住した時は新参者ですよね。2年ほどで、コミュニティにとけ込んで、人脈も広げていった。具体的にどんな風に?
高野さん:DMOという組織で働けたのが大きいと思います。観光推進のために様々な事業者様と出会う機会があり、着地型の体験プログラムやツアー等を企画・運営する中で多くの方に助けてもらえたことが大きいと思います。

コロナ下でセレクトショップTEtoKI立上げの想い、掛けること?

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コロナで都内から伺えず、Facebookやネットから拝見させてもらうしかないので、高野さんから全て!写真提供してもらいました。駅前の広場、オープンスペースが素敵で、店内の意匠、デザインなど素敵!

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小浜_note投稿用の店内画像

写真:高野哲矢氏撮影

ターゲット層は若い家族?どんな利用の仕方をねらっているのですか?
高野さん:一番利用してもらいたいのは市内や周辺市町の小さなお子様を育ててらっしゃるお母さん。子供に安心して食べさせてあげられる食材やお出かけの際のちょっとした手土産を買っていくのに日常的にお店を使ってもらえるようになると嬉しいです。

コロナが長引く中、大阪や名古屋や東京など大都市圏からの訪問者は難しいのでは。「当面は近場のマイクロツーリズム」という戦略、どう思われますか?
高野さん:地元の人が自分たちの住んでいる地域の魅力を再発見するための取組はいろいろな面で大切だと思います。コロナの収束に合わせて誘客圏を広げる視点もあるかと思いますが、地元で滞在できる場所が顕在化してくることで滞在時間が延びることにつながればと思っています。

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写真:高野哲矢氏撮影

コロナ下で投資はリスクでは?なぜ今、立ち上げに踏み切ったのですか?
高野さん
:テナントが空くことになって、店舗を運営する人材を探している話を偶然知りました。まちなかの重要な場所にもかかわらず、そのポテンシャルがまだまだ活かしきれていないと感じていたので、当面はいくつかの草鞋を履きながら、スモールスタートで場の運営を通じて徐々に改善していければよいと思っています。

移住者だからできる?それとも、地方都市の中からでもローカルベンチャー、スモールビジネスは可能と思いますか?
高野さん:地元からでも可能だとは思いますが、移住者の方が心理的なハードルは低いと思います。地元のしがらみが増えていく前の方が良いという思いもあり、移住してきてからのタイミングとして良い時期なのかなとは思っています。

高野さんは、まさしく、コペンハーゲンの宣言、マイクロツーリズムの考え方を、実際の移住した小浜の街で体現しようとしている。

いつまでも「グロース=成長させる」、「呼び込み、誘致に躍起になる」数字を追いかける指標、単純な価値観は古い。地域の古き良き街並み、住む人の日常生活、文化風習、人が集まる場所の風景、住む人が中心であり、そこに訪問客=観光客が、邪魔にならないようにひと時を過ごさせてもらう。地域の暮らし・人がいきぐるしい、遠慮がはたらくような観光優先は、長い目で見て地域資源を色あせさせていくことになるから・・・。

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写真:高野哲矢氏撮影

TEtoKIを、コロナ下、コロナ後を見据えてどう育てていきたいですか?
高野さん:ショップの運営(物販)だけでなく、作家さんの展示販売等を企画したり、併設する厨房施設をシェアキッチンとして活用したり、店舗前の広場を活用したりと、この場所を活かすための取組を積み重ねながら、地元の人に日常的に気にかけてもらえる場所に育てていきたいと考えています。

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最後に、コロナ下で、地方移住をしようか/しまいか、関心をもっている方へ一言。これからの移住のポイント、メリットとデメリットとは?
高野さん:移住しようとする地域にどれだけ可能性を感じられるか、好きになれそうか(肌に合いそうか)がポイントかなと思います。

まとめ

観光DMOに携わることで、通常よりも早いスピードで移住した街の魅力発見、コミュニティに馴染む、人脈の広がりができたかもしれない。早い遅いはあっても、好きな移住先を見つけて、そこでやりたいことを見つけた人は輝いているし、強い。
小浜の高野さん、真鶴の山下さん(前回投稿)も、地域でリアルな店舗・オフィスで立上げ、手触り感のあるスモールビジネス、人との交流、コミュニティの醸成をスタートしている。地に足着いたビジョンとあついパッションを持っている。
アンテナショップ、コワーキングスペース、シェアキッチン、パン屋、プログラミングスクール、コラボレーションが生まれる起業の可能性は無限大。
日本を含む世界中の大都市は、経済・景気の雲行きが怪しいし、気持ちが沈滞し、息苦しい。ローカルだってもちろんインパクトも受けますが大都会の比ではない。ローカルのスローライフ、地域資源、地域の商圏はゆるぎない。

それを活かしたスモールビジネスを、スモールスタートで、ゆっくり、丁寧に。始動したTEtoKIのワクワクするチャレンジ、楽しみです。

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