見出し画像

食生活の乱れとがんリスクをつなぐミッシングリンク

不健康な食生活や管理されていない糖尿病において、ある化学物質の存在ががんのリスクを長期にわたって高めているかもしれない、という研究報告。

研究チームはまず、両親からがん遺伝子BRCA2の欠陥コピーを受け継いでおり、乳がんや卵巣がんを発症するリスクが高い患者を対象に研究を行った。

そして、そのような患者の細胞は、細胞がエネルギーを作り出すためにグルコースを分解するときに生成される化学物質であるメチルグリオキサールの影響に特に敏感であることを実証した。

研究では、この化学物質ががん発生の早期警告サインである DNA の欠陥を引き起こす可能性があることが示唆された。

研究チームはまた、BRCA2の欠陥コピーを受け継いでいないが、肥満や不適切な食事に関連する糖尿病や前糖尿病の患者など、正常より高いレベルのメチルグリオキサールを経験する可能性がある人々は、同様にがんを発症するリスクが高まることを示唆した。

「私たちの研究は、メチルグリオキサールレベルが高い患者はがんリスクが高い可能性があることを示唆しています。メチルグリオキサールは、HbA1C の血液検査によって簡単に検出でき、マーカーとして使用できる可能性があります。さらに、高いメチルグリオキサールレベルは通常、薬と適切な食事で制御できるので、がんの発症を予防できる可能性があります」と研究者はコメントしている。

出典は『Cell

http://dx.doi.org/10.1016/j.cell.2024.03.006



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?