適度な低炭水化物食は成人1型糖尿病に有益
1 型糖尿病の成人に対する適度な低炭水化物食には、従来の食事に比べてメリットがあるようだ、という研究報告。健康に悪影響を与えることなく、平均血糖値が低下し、24 時間のうち良好な値を示す時間が増加したという。
研究チームは、50名の1型糖尿病患者(平均年齢48歳、半数が女性)を対象に、12週間にわたるオープンラベルでクロスオーバーデザインのランダム化対照臨床試験を実施して、炭水化物からカロリーを減らした場合の影響を検討した。参加者は、ランダムに、30%炭水化物群(総カロリーの30%が炭水化物)または50%炭水化物群に振り分けられ4週間それを摂取した後、4週間の洗い出し期間をおいて、もう一方の群に参加した。
試験の結果、30%の低炭水化物食を摂取した参加者は、血糖コントロールが改善された。即ち、1日のうち血糖値をいわゆる目標範囲に収めた時間が68分(4.7%)増加した。また目標範囲(>10 mmol/L)を超えた時間は、85分(5.9%)減少した。
つまり 1 型糖尿病患者が維持することを目指す血糖値のあるべき範囲内で1日のより多くの時間を費やしていることが判明した。従来の食事と比較して、目標範囲内での時間の増加は1日あたり平均68分でしたが、値が上昇した時間は1日あたり85分短縮されました。全体的な臨床的に重要な変化。
「この研究は、適度な低炭水化物食が平均血糖値を低下させ、より多くの患者が血糖値を目標範囲内に維持できることを示しており、これは1型糖尿病患者の臓器損傷のリスクを軽減するのに有益であると考えられます」と研究者はコメントしている。
出典は『The Lancet Regional Health – Europe』
http://dx.doi.org/10.1016/j.lanepe.2023.100799
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