炭水化物の暗号を解く：新しいグリセミック指数データベース
米国で消費される炭水化物の品質の変化についての洞察を提供するため、全国的なグリセミック指数（GI）およびグリセミック負荷（GL）データベースを開発した、という報告。これまでそのような研究は存在しなかったという。
GI は、公衆衛生研究者が炭水化物の質を分類するために使用する尺度である。白小麦粉や砂糖入りシリアルなどの高 GI 食品は「シュガーラッシュ」を引き起こし、代謝の健康に悪影響を及ぼす可能性がある。さらに、GL では摂取する炭水化物の量（負荷量）も考慮されている。
「大規模な研究により、高GI食と高GL食はともに、2型糖尿病、心血管疾患、一部のガンのリスク増加と関連していることがわかっています」と研究者は述べている。「さらに、高GI食品は空腹感を早く感じさせ、摂取カロリーを増やし、体重増加の一因となります。」
この研究を行うために、研究者らは、食品を GI と GL に基づいて分析する AI 対応モデルを開発した。米国人が毎日食べる食品のサンプル リストを提供する国民健康栄養調査 (NHANES) のデータを使用し、AI は、食品の説明に基づいて NHANES の食品を関連する GI/GL 値と照合した。こうして、初の全国 GI データベースが作成された。
「GIデータベースの作成にオープンAIを使用したのは、私たちの斬新な応用であり、栄養研究の方法論の進歩を示しています」と研究者は述べている。「今後、このデータベースを使用して、米国における慢性疾患リスクに対するGIとGLの役割に関する多くの新しい重要な問題を調査できるようになります。」
この食事データベースにより、研究者らは 1万種類近くの食品から収集したデータを用いて炭水化物の摂取量を分析できるようになった。従来このプロセスには膨大な月日が必要だったが、AI を使用することでスピードアップし、迅速に実現可能になったという。
米国初の全国 GI データベースの作成に必要な方法論の開発に加えて、本研究には、20 年以上にわたる炭水化物摂取量の傾向の分析が含まれており、ソフトドリンク、白パン、米、フルーツジュースなど、米国人の食生活で GL に最も貢献している食品について報告されている。
「この研究から得られた重要なポイントの 1 つは、食事の中で低グリセミック炭水化物を優先することの重要性です。これは、血糖値をゆっくりと血流に放出し、血糖値の急上昇を防ぐ、加工が最小限に抑えられた自然食品に重点を置くことを意味します」と研究者は言う。「精製穀物から全粒穀物に切り替えると、食事の健康性が向上し、全体的な食事の GI 値を下げることができます。」
研究者は、グリセミック指数が低い食品を簡単に理解しておくと、より情報に基づいた食品選択ができると指摘している。食品庫を「GI フレンドリー ゾーン」に変えるために、以下の品目を買い物リストに追加するか、週の食事の準備にいくつか含めることを勧めている。
全粒穀物
インゲンマメ
レンズマメ
ヒヨコマメ
玄米またはワイルドライス
キノア
オオムギ
スティールカットまたはロールドオーツ
非でんぷん質の野菜
果物
ナッツ
さらに、この研究では、性別、人種、民族、教育、収入レベルに基づいて、GI と GL の食事パターンが明らかになった。驚くことではないが、年齢を重ねるにつれて、人々はより健康的な炭水化物を選択する傾向がある。教育と収入が高い人は、GI の低い食品を食べる傾向が強くなる。黒人成人の GI/GL が最も高く、女性の GI/GL は男性よりも高い。
研究者らは、この研究に協力できて楽しかったと語り、彼らのデータベースによって炭水化物の質の重要性に対する一般の認識が高まることを期待している。炭水化物の質は、他の重要なライフスタイル要因とともに、病気の予防や個人の健康寿命の延長に役立つ可能性がある。
「このデータベースから得られる今後の研究が、GIを食事ガイドラインに組み込むのに必要な証拠の集積に寄与することを期待しています」と研究者はコメントしている。
出典は『American Journal of Clinical Nutrition』
https://doi.org/10.1016/j.ajcnut.2024.06.001
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