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適度なコーヒーやカフェインの摂取は、複数の心代謝性疾患の発症リスクの低下と関連

適度な量のコーヒーやカフェインを定期的に摂取すると、2型糖尿病、冠状動脈性心疾患、脳卒中など、複数の心血管代謝疾患の発症を予防する効果があるようだ、という研究報告。2つ以上の心血管代謝疾患の併存を指す心血管代謝多疾患(CM)の新規発症リスクの低下と関連しているようだ。

研究チームは、37~73歳の50万人を超える参加者を対象とした大規模で詳細な縦断的食事研究であるUKバイオバンクのデータを使用して解析を行った。この研究では、カフェイン摂取に関する情報があいまいな個人は除外された。結果として得られた参加者プールには、カフェインの分析のためのベースラインでいかなる心血管代謝疾患も患っていない合計172,315人、コーヒーと紅茶の摂取の分析のための対応する188,091人が含まれた。

データ解析の結果、コーヒーとカフェインの摂取量は、心血管代謝疾患のない参加者における新規CM発症リスクと逆相関していた。コーヒーまたはカフェインの摂取量が中程度であると報告した人のリスクが最も低かったことも判明した。コーヒーまたはカフェインの適度な摂取は、CMのほぼすべての発症段階と逆相関していた。

多数の疫学研究により、コーヒー、紅茶、カフェインの摂取が単一の心血管代謝疾患の罹患率に対して予防効果があることが明らかになっている。しかし、これらの飲料が CM の発症に及ぼす潜在的な影響はほとんどわかっていなかった。

研究者らはこのテーマに関する利用可能な研究をレビューし、単一の心血管代謝疾患を持つ人は、心血管代謝疾患のない人よりも全死亡リスクが 2 倍高い可能性があることを発見した。対照的に、研究者らは、CM を持つ人は全死亡リスクがほぼ 4 ~ 7 倍高い可能性があることを発見した。研究者らはまた、CM は単一の疾患を持つ人よりも身体機能の喪失や精神的ストレスのリスクが高い可能性があることにも言及している。

「1日3杯のコーヒー、または200~300 mgのカフェインを摂取すると、心血管代謝疾患のない人が心血管代謝性多発疾患を発症するリスクを減らすのに役立つ可能性があります」と研究者はコメントしている。

出典は『The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism』


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