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CBD製品は痛みを和らげず潜在的に有害かもしれない

CBD(カンナビジオール)製品が慢性的な痛みを軽減するという証拠はなく、CBD製品の摂取はお金の無駄であり、健康に害を及ぼす可能性があるようだ、という英国バース大学からの研究報告。

CBDは、大麻植物に自然に含まれる多くの化学物質の 1 つである。これは痛みを治療するための人気の代替薬であり、オイル、チンキ剤、ベイプ、局所クリーム、食用(グミベアなど)、ソフトドリンクの形で店やオンラインで簡単に入手できる。

今回研究チームが、CBDを使用して痛みを治療することに関連した、2023年後半までに科学雑誌に発表された先行研究を調査した結果、以下のようなことが明らかになった。

・消費者に直接販売される CBD 製品には、CBD がまったく含まれていないものから、宣伝されている量よりはるかに多いものまで、さまざまな量の CBD が含まれている
・消費者に直接販売されるCBD製品にはCBD以外の化学物質が含まれている場合があり、その一部は有害である可能性があり、一部の管轄区域では違法である可能性がある。このような化学物質には、大麻植物の主な精神活性成分であるTHC(テトラヒドロカンナビノール)も含まれる
・痛みと医薬品グレードのCBDとの関連を調査した16件のランダム化対照試験のうち、15件では肯定的な結果は示されておらず、CBDは痛みの軽減においてプラセボと同等だった
・メタ分析(複数の研究からのデータを組み合わせたもので、科学的根拠に基づく医療において基本的な役割を果たす)は、CBDと肝臓毒性を含む重篤な有害事象の発生率の増加を結び付けている

「医療規制当局は一部のCBD製品メーカーによる偽りの主張に対して行動することに消極的であるようです。おそらく彼らは、特に販売されている製品が無害であると広くみなされている場合、急成長する市場に介入したくないからでしょう」と研究者はコメントしている。

世界のCBD製品市場は2021年に30億米ドルと推定され、2030年には60億米ドルに達するとみられる。

出典は『Journal of Pain

http://dx.doi.org/10.1016/j.jpain.2023.10.009


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