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魚介類のオメガ3が慢性腎臓病のリスクを低下させる

魚介類のオメガ3多価不飽和脂肪酸(n-3 PUFA)を多く摂取する人は慢性腎臓病(CKD)のリスクが低いようだ、という豪州ニューサウスウェールズ大学などからの研究報告。植物由来のn-3 PUFAにはそのような関係はみられなかった。

研究チームは、成人におけるn-3 PUFA バイオマーカーのレベルとCKD の発症の関連性を調べた 2020年5月までに報告された12 カ国19件の研究結果をプールして解析した。バイオマーカーには、エイコサペンタエン酸 (EPA)、ドコサヘキサエン酸 (DHA)、ドコサペンタエン酸 (DPA)、およびアルファリノレン酸 (ALA) が含まれていた。EPA、DHA、DPA の主な食事源は魚介類で、ALA は主に植物 (ナッツ、種子、葉物野菜) に含まれている。

全体として、25,570 人の参加者が主な分析に含まれた。彼らの平均年齢は 49 歳から 77 歳の範囲だった。4,944 人の参加者 (19%) が 11 年の平均モニタリング期間中に CKD を発症した。

年齢、性別、人種、BMI、喫煙、飲酒、身体活動、心臓病、糖尿病などのさまざまな要因を考慮した後、総魚介類 n-3 PUFA のレベルが高いことは、CKD発症リスクの穏やかな低下 (8%) と関連していた。

植物由来の ALA レベルは、CKD と関連していなかった。

「我々の調査結果は、魚介類の n-3 PUFA と CKD リスクとの因果関係を証明するものではないが、健康的な食事パターンの一部として魚介類を十分に摂取することを推奨している現在の臨床ガイドラインを支持するものだ」と研究者はコメントしている。

出典は『英国医学雑誌(BMJ)


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