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マヌカハニーは薬剤耐性肺感染症の治療に有望

天然のマヌカハニーと広く使われている薬剤を組み合わせた、致命的な肺感染症に対する新しい治療法が開発された、という英国アストン大学からの研究報告。『微生物学』誌に掲載された。

研究チームは、マイコバクテリウム・アブセサス(Mycobacterium abscessus)肺感染症の治療に、インビトロ吸入モデルにおいて噴霧製剤によってマヌカハニーと抗生物質アミカシンの組み合わせ投与が有望であることを証明した。

マヌカハニーは、幅広い薬効があるといわれているが、最近では、その幅広い抗菌スペクトルが確認されているという。今回、研究者らは、マヌカハニーが、嚢胞性線維症(CF)や気管支拡張症の患者に影響する、M. アブセサスなどの多くの薬剤耐性細菌を死滅させる可能性があることを発見した。

本研究では、研究者らは、インビトロ吸入モデルを使用して、16名のCF患者から採取したM. アブセサスを対象に、抗生物質アミカシンとマヌカハニーをネブライザーによって同時噴霧したところ、単独よりも少ない量のアミカシンによって細菌を死滅させるのに十分な薬効を示すことを発見したという。これによってアミカシンの副作用を低減させることができる。

「マヌカハニーなどの完全に天然の成分を、M. アブセサスの治療に使用される最も重要だが副作用も強い薬剤の 1 つであるアミカシンと組み合わせることで、以前の8分の1量の薬剤で細菌を殺傷する方法を発見しました。これにより、アミカシン関連の難聴が大幅に軽減され、非常に多くの患者、特に嚢胞性線維症の患者の生活の質が大幅に改善される可能性があります」と研究者はコメントしている。

出典は『微生物学


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