【驚愕】マイクロソフト“本社”の働き方から見る、「理想のはたらく」とは?
こんにちは、LINKAGEのふじき(@Fuji_Mikky)です。
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今回は、私が大学で卒業論文を書くためにインタビューをさせていただいた方をご紹介します!
そして、私がこんなふうに働きたいと思った方でもあります。
誰にインタビューをさせていただいたか…というと?
石坂誠さん!!
石坂誠さんは日本人でありながら、アメリカのマイクロソフト本社でご活躍されるすごい方です!
【石坂誠さんって?】
日本生まれの日本育ち。(純ジャパ!)
日本の大学卒業後、NECで働いていた経験もあり、日系企業と外資系企業のどちらも分かる方。
現在は、マイクロソフトのクラウドサービスAzureのグローバルマーケティングを担当。
マイクロソフトといえば、日本で、2019年の8月に週休3日を取り入れる試みなど行い「働き方改革」に先進的な企業としても知られています!
そんなマイクロソフトの本社で働く、石坂誠さん。
実は、Youtuberのバイリンガールちかさんの動画にも出演されていたことも…。
とあるキッカケでFacebookで繋がり、「働く」ということについて知りたいと思い、Messengerを送ってみたところ…。
石坂さん:『いいですよ、私なんかで良ければ』
急な連絡で、正直ダメ元だったのですが、快諾いただいて本当にありがとうございました。
そこで聞いた、マイクロソフトの働き方が本当にそれまでの私の考えを変えたと言っても過言ではないので、今回ご紹介いたします。
残業はあるのでしょうか?
まず単刀直入に聞いたものは「残業」について。
日本では、しばしば残業というものが問題になっています。
過度な残業のせいで、過労死する社会人も少なくありません。
最近、海外では「Karoushi」として通じるようにもなってしまいました。
非常に不名誉なことです。
また日本では、「空気を読む」という独特の集団心理から起こるサービス残業も問題になっているのも事実。
そんな日本で大きな問題となっている残業。
気になって聞いてみました。
僕:『石坂さん、Microsoftって残業というのはあるのでしょうか?』
石坂さん:『基本的にはありません。5時にはほとんどの社員が退社します。帰宅のために車が一番混むのは午後3時から5時です。そもそも時間が決まっていないため、午後3時頃に子どもの迎えなどでいなくなる社員もいます。』
5時?3時?…???
これを聞いた時、 (´・ω・`)? こんな顔をしていました。
5時に退社できる会社は、日本ではほとんどありません。
大半の企業が9:00~18:00(1:00休憩)の8時間労働を取り入れています。
仮に凄いホワイト企業だったとしても、3時にいなくなる。
なんてことは聞いたことがないと思います。
テレワーク成功のヒントは「目的志向」と「結果」
石坂さん:『マイクロソフトでは、自宅からアクセスできる仕事の範囲が広く、基本的にはどこからでも仕事ができます。自宅、空港、カフェ、移動中などなど…。』
最近、日本でもテレワークの推奨が行われてきました。
(ここでは、テレワークとリモートワークを同義として扱います)
日本では、多くの場合オフィスに出社しなければなりません。
どんなに通勤時間が嫌だ…と感じても、それがまだ一般的といえます。
理由はいくつか考えられますが、その中でも
「会社にいないと働いているのかわからない」
管理が難しいかつ性悪説に基づく理由があります。これについても聞いてみました。
僕:『自由すぎても、会社からしてみれば働いているかどうかが分からないじゃないですか?それでも疑ったりしないんですか?』
石坂さん:『そもそも、Microsoftに入社してくる人のレベルはとても高めです。なので、働かない人はいないと思いますね。それからVision共感してVisionに対して働くので、心配ありません。』
Vision。
後ほどご紹介しますが、Vision…「自分が“その会社で働く目的”」は日本の企業や社会人が取り入れても良いヒントになりそうです。
石坂さん:『1週間、2週間に一回や数ヶ月に1回上司と話したりする機会があり、そこで自分のアウトプット(結果やインパクト)について確認し、社員がその結果を出せていなかったら修正するか、コーチングをしてくれます。他の社員からもらえる360度評価などもあります。』
近頃、日本企業でも取り入れられている上司との1対1のMTG。
成果を確認し、自分のモチベーションを維持、発揮するための手段として有効なのかもしれません!
石坂さん:『結果が大事で、そこに至るプロセスに雁字搦めになるのは…ちょっと…。』
ここは、日本とアメリカの違いがよく出ていると感じたところでした。
日本では、プロセス・過程を重視される傾向が強く、
アメリカでは、結果を重視する傾向が強いようです。
テレワーク成功のヒントは、「自分がその会社で働く目的(モチベーション)がある事」と「仕事の結果に対する評価」にあるのでは?と今回のインタビューで感じました。
Visionの大切さ
「自分がその会社で働く目的」=Visionです。
その会社で「何を成し遂げたいのか?」。
マイクロソフトの社員の皆さんは、マイクロソフトのVisionに本気で共感しているからこそ、それに向けてそれぞれが「全力で働いている」ように思えました。
そういった企業としての理想形を体現しているのでは?と感じました。
石坂さんに紹介していただいた、マイクロソフトのFuture Vision。
ITを手段を使って、自分たちの生活の質を向上させていくことがよくわかります。
自分がこの企業でコレをやりたいんだ!という想いがあることで
仕事の質が大きく変わるのでは無いでしょうか?
トップが伝え動かすマイクロソフト
Visionに関連して、石坂さんはトップがその会社をどうしていきたいのか直接語ることについても教えて下さいました。
石坂さん:『外資特有だからかわかりませんが、MicrosoftはトップダウンでVisionを見せるのがうまいですね。年に1度Microsoftの社員が数万人単位で集まって、トップからVisionを共有されるんです。スライドを読むのではなく、自分の言葉でトップが語るんです。』
僕:『数万人も!?』
石坂さん:『はい。あとは著名なアーティストも来て盛り上げてくれます。例えばMaroon5とか最近ではブルーノ・マーズとか。「Microsoft頑張ろーぜ!」のような。』
石坂さんが指すのは、「Microsoft Ready」というものです。
約1週間かけて、マイクロソフトの社員やパートナーに向けてVision戦略共有が行われる。
「生きること」を全力で楽しむ取り組み
石坂さん:『マイクロソフトは自分の時間や才能を使って社会貢献を推進していて、GIVEキャンペーンって言います。凄く推奨されていて、これも私がNPOや学校のために貢献できる仕組みです。私など社員がNPOなどでボランティア活動をすると1時間のボランティア時間当たり、25ドルをマイクロソフトがさらにそのNPOにお金を寄付金として振り込みます。』
この話を聞いて、皆さんはどう感じましたか?
僕は、「生きるということを全力で楽しんでいる」なと感じました。
この取組みに対して、年間社員一人当たり15000ドル(日本円約160万)の予算が割り当てられているです。
去年だけでも約180億円もの金額がNPO法人に寄付されているようです。
仕事がゴールではありません。
仕事は人生を豊かにしていく手段なのです。
飲み会はナシ!?結束力を高めるには?
日本でも多いのが会社での飲み会。
高度経済成長期から「飲みニケーション」という言葉が生まれ、今でも社員の協調性を高めるために飲み会補助される企業も多いです。
石坂さん:『日本と海外のギャップで言えば、事業部ごとといった飲み会もありません。』
僕:『想像つきません…。日本では結構普通なことのように感じます。』
石坂さん:『はい。でもチームの結束力を高めるためのお金は渡されます。そのお金を使ってランチに行ったりとか、金曜日の午後にカフェで集まるとかしていますね。』
マイクロソフトでは、チームごとにお金が振り分けられます。
そのお金を利用して、ランチに行き、プロジェクトの話やプライベートの話をしたりするようです。
こういったコミュニケーションも自由にさせることで、より生産的に社員を動かしているのでは無いでしょうか?
午後、ちょっと早めに仕事を切り上げて皆で食べに行く。
楽しそうだと思いませんか?
(石坂さんのFacebookには、楽しそうに同僚の方と食べている写真がたくさんあります)
家族との過ごし方
石坂さん:『飲み会もないですし、土日も基本的には仕事はしません。金曜の午後とかなんか皆MTGとか絶対にいれないです。平日の夜はスケジュールが入っていないので、シアトル留学中の日本人学生さん向けにボランティアでワークショップや、キャリアイベントなどを楽しくやっています。彼らの成長を支援するのが楽しいですし、彼らの成長を見て一緒に喜ぶのが楽しいです。』
石坂さんは、家族との時間を大切にしているようです。
テレワークの所でもご紹介したように、「午後3時お迎えで帰宅する」社員もいるほど。
金曜の午後にMTGを入れようものなら、白い目で見られてしまうようです(笑)
日本でも、月末の金曜日はプレミアムフライデーと設定されました。
覚えている人は少ないのでは…?(笑)
実は…日本でも終業を午後3時にしようとしている動きがあったのです。
目的と手段がごっちゃになっている日本
石坂:『全部がそうではないですが、日本の労働のイメージとしては目的と手段がごっちゃになっているケースを見ますね』
目的と手段がごっちゃになっているケースは多く見られます。
確かに日本では、先も述べたように残業することが美徳とされる文化が未だに残っています。
働き方改革は手段にも関わらず、
目的化してしまい、働き方改革を達成するための社内整備を進めていたり…。
手段の目的化。
就活もそうですね。
「就職すること」がゴールになってしまいがちで、本来は何かを達成するための手段として「就職」があります。
就活を迎えている方は、ぜひ一度自分が何をしたいのか?と向き合ってみてください。
まとめ
いかがでしたか?
ここまでマイクロソフトの働き方について、石坂誠さんにインタビュー形式で明らかにしていきました。
①残業はナシ
⇨ただ家に帰ってやるパターンがある。
②テレワーク(リモートワーク)は、その会社で働く目的を社員が持っているので、心配無い。
③社員の目的を達成するために、Vision はとても大切。
④家族との時間が一番大切。時に仕事より優先される。
自分が何のために働くのか?
なぜ、この会社で働きたいのか?
この部分を明確にさせることからまずは理想の働き方につながっていくのではないでしょうか?
モチベーションの部分をしっかりと自分の中に軸として持つことで、仕事のやり方や質が大きく変わっていくというわけです。
そして、いつでもそのモチベに従って生産的に仕事ができるため、家族との時間を優先することができるのではないでしょうか?
皆さんは充実した社会人生活を送るために、自分と向き合ってみてはいかがでしょうか?
本当にそこでやりたいことができているのか?
無理はしていないか?
仕事をして、自分が豊かになっていくのか?
ぜひ、問いかけてみてください。
石坂さんは今回こう締めくくってくださいました。
もっと視野を広く、自分の働くということを見つめることが大切なのかもしれません。
最後になりましたが、
今回インタビューを受けていただいた石坂さんに改めて感謝申し上げます。
本当にありがとうございました。
自分の中の大きな軸となった瞬間でした。