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なぜ企業は派遣社員を活用するのか?!企業が派遣社員を活用するメリット、デメリット、注意すべきポイントを徹底解説!!

「なぜ企業が派遣社員を活用するのか?!」理由を知っていますか?!

正社員ではなく、派遣社員を大量に募集している企業が多くありますね

企業が派遣社員を活用する理由は、企業側に多くのメリットがあるからなのです

派遣社員の方も派遣で働く際に、その理由をしっかりと理解することで派遣社員としてのメリットを最大限に活用できます

この記事では、企業が派遣社員を活用する理由、メリット、デメリット、注意すべきポイントなどを丁寧に解説していきます

この記事で分かること

・企業はなぜ派遣社員を活用するのか?!

・企業が派遣社員を活用するメリット、デメリット

・企業が派遣社員を活用する際に注意すべきポイント


派遣システムとは?!

そもそも【人材派遣のシステム】がどのような制度なのか、解説していきます

派遣社員の定義

派遣社員とは?!

「人材派遣会社に登録し、仕事の紹介を受け、企業に派遣され就業する雇用形態」

派遣社員は、人材派遣会社(派遣元)に雇用され、派遣社員として勤務先企業に派遣されます

派遣システムは、派遣元の人材派遣会社が労働者派遣契約を締結している企業(派遣先)派遣労働者を派遣し、派遣労働者は派遣先の指揮命令を受けて働きます

派遣システムについて


派遣システム図解

派遣社員 = 派遣元(派遣会社)と雇用関係を締結
派遣社員 = 派遣先企業(職場)から業務指揮命令を受ける ※派遣元からではない
派遣先企業と派遣元(派遣会社)は業務派遣契約を締結

また、派遣先企業は派遣労働者に対し、下記の義務があります

・賃金水準の情報提供への配慮(同一労働同一賃金制度)
・教育訓練の実施に関する配慮(同一労働同一賃金制度)
・福利厚生施設の利用に関する配慮(同一労働同一賃金制度)
・派遣料金の額の決定に関する努力

【同一労働同一賃金】制度の下、派遣先企業へ義務が強化されています

【派遣社員の同一労働同一賃金】はこちらの記事で詳しく解説しています

派遣労働者は雇用される企業と、実際に働く企業が異なる複雑な労働形態であることから、「労働者派遣法」で細かいルールが定められています

また、派遣先となる企業側に派遣期間終了後の直接雇用依頼※などの措置が行われる場合もあります ※「雇用安定措置」と言います

派遣労働者の直接雇用については、派遣労働者と派遣先企業の合意のもと、派遣期間終了後に直接雇用(正社員契約社員パート/アルバイトとして派遣先企業が雇用することをあらかじめ想定して就業する紹介予定派遣という制度もあります

紹介予定派遣は、派遣先企業と労働者双方にメリットがあり、即戦力を効率よく採用できるため、近年普及が進んでいます

企業が派遣社員を活用するメリット、デメリット

それでは、なぜ企業が派遣社員を活用するのか、メリット、デメリットを見ていきましょう

企業が派遣社員を活用する10のメリット

はじめに、企業が派遣社員を活用する理由、メリットを見ていきましょう

■企業の中核(コア)業務への集中が可能

企業の経営資源は限られています

その限られた資源を企業がどのように分配するか、資源の最適化を図ることが企業経営の重要ポイントでもあります

「人材」は貴重な資源です

人的資源をどう考え、どのように活用するかで企業の利益率は変動します

派遣社員を活用することで、派遣社員で賄える業務(単純業務、等)は派遣社員にお任せし、正社員でなくてはならない業務(売上/利益貢献業務、新規開発業務、等)に正社員の労力を最大限に活用することが可能となります

要するに、正社員を企業の中核(コア)業務や新規事業に充当することができ、企業の人的資源の最適化が可能となるわけです

■幅広い人材の募集、採用の効率化が可能

派遣社員を活用することは派遣会社を通し、その派遣会社に登録している様々なスキルを持った人材を活用することです

派遣会社には、様々な業界、職種を経験、スキルを持った派遣社員が登録されています

その人材をピックアップして活用することが可能です

自社の募集では集まらない人材の幅、数を派遣会社を通して活用できるのです

企業が派遣会社に人材を依頼する際は、「どの業界で、どんな職種で、○○の資格をもっている、△年以上経験がある人を派遣して欲しい!」と具体的にオーダーすることができます

派遣会社はそのオーダーに合うように、自社の登録者から検索し、企業に紹介をします

企業が自社募集では集めることができない人材を派遣会社を通して受け入れることが可能となるわけです

また、企業の人事は面接にかかる採用費、工数を削減することもでき、効率的に人材を調達することができるのです

■弾力的な労働力の確保が可能

派遣契約は期間の定めのある契約です

例)契約期間:2023年4月1日~2023年6月30日

企業は限定された期間のみ、労働力を確保することが可能となるわけです

「必要な時に、必要な数だけ」労働力を確保できるのです

正社員登用ではそうはいきません

特に、年間を通して季節繁忙が激しい業界においては、派遣を活用することが非常に有効です

例)エアコン/冷蔵庫業界、自動車部品業界、販売サービス(年末年始、セール時期)等

派遣求人の繁忙閑散期はこちらで詳しく解説しています

また、深夜時間や、日曜祝日など、社員募集で集まりづらい時間、曜日などの対応にも派遣社員を活用することが可能です

派遣社員の方は、自分が働きたい時間帯、曜日を指定して派遣会社に登録をしています

派遣の需給調整は、企業として人材が欲しい時間帯と、派遣社員が働いたい時間帯をマッチングします

■雇用リスクの回避

・採用のミスマッチの防止策

直接雇用で雇う際は自社で面接して判断しますが、派遣社員を活用する場合は、事前に派遣会社において、面接をしてくれています

要はプロの面接を経て、派遣先の面談【職場見学、顔合わせ】に進んでくるのです

一度、派遣会社のフィルターを通して人材の選定(人格的な部分、スキル、経験値の確認)が行われるので、採用のミスマッチの可能性も低減できるのです

・労使間トラブルの回避

企業の人事を悩ませる要素として、労使間トラブルが挙げられます

昨今、企業コンプライアンスが取り沙汰されている中において、労使間トラブルが続出しています

派遣社員の雇用主は派遣会社になります

企業とすれば、労使間トラブルは派遣社員と派遣会社にお任せできる、という立場になります

もちろん、事案によっては全てを派遣会社に丸投げはできませんが、企業が面倒くさがる労使間トラブルを回避することができるのです

・労働災害の対応

派遣社員が職場(通勤)において労働災害(通勤災害)が発生した場合、その手続きに関しては派遣会社が対応することとなります

※派遣先でも一部提出書類はあります

雇用主が派遣会社であるため、派遣会社がその手続きを保障します

もちろん派遣先の職場環境に起因して労働災害が発生した場合は、職場環境の改善命令が出される場合もありますが、派遣先に過失がなければ、派遣会社の対応となります

企業人事は労働災害の対応から解放されるのです

・解雇リスクを削減

企業の人事を悩ませる事案として、労働者の解雇が挙げられます

労働者の解雇は非常にデリケートなものであります

企業は簡単に労働者を解雇できません ※解雇要件があります

派遣社員を活用することで、企業は解雇リスクを回避することができます

派遣社員を解雇するのは、派遣会社です

企業は派遣契約の中途解除をするだけです

※ただし、派遣契約の中途解除は企業も慎重に行わなければなりません

企業は労使間トラブルでも1番手間がかかる、労働者の解雇のリスクを回避することができるのです

・退職連鎖の防止策

もちろん直接雇用の社員と派遣社員では雇用主が違う為、お互いの意識の中でも一線を引いた関係性を意識しています

「○○さんが退職するから、私も辞める」社員同士で徒党を組んで退職するケースはしばしばあります

直接雇用の人間と派遣社員との関係において、深い部分の信頼関係、団結力は強くありませんので、退職連鎖のリスクを回避することができます

また、労働者全員が一致団結、協同して、会社へのクレームやストライキなどを起こすリスクも回避することができます

良い意味で、別々の雇用の人間が混在している職場は、意思統一がなされづらく、それが退職連鎖の防止にも繋がるのです

■職場環境、会社風土の固定化を防止

私が様々な企業を見てきた中で、直接雇用の社員のみで構成されている会社と、直接雇用と間接雇用(派遣社員、業務委託社員)で構成されている会社とでは、社内の雰囲気、人間関係に違いが見られます

直接雇用のみの会社はある意味、会社風土が非常に強く感じられる場面が多いです

会社独自の文化、暗黙の会社ルールがあるなど、その会社独自で持っているものにインパクトがあり、それが社内常識になっていて、正誤を疑わないケースもあります

その社内常識は一般的な会社のそれとは違い、社内で長年蓄積された慣習を踏襲したようなものになります

また一方、間接雇用の社員が混在した会社は、その会社文化はあるものの、間接雇用の社員の入れ替えもあり、独自文化が形成されにくく、それほど強く感じられることはありません

派遣社員を社内に受け入れることで、派遣社員の立場から、一般的な見解、客観的な視線を派遣先に伝えることもでき、それが異常な慣習であることを認識させることができるのです

間接雇用社員が混在している職場は、新しい血(人材)が常に入ってくるので職場環境、会社文化が固定化しにくいという点があるのでしょう

以下の企業の需要にも応えることができます

  • 若手、ベテランをバランス良く構成したい

  • 労働者同士のトラブル、いじめ防止に

  • 慣れきった職場に緊張感を持たせたい

  • 新しい感覚、価値観を受け入れたい

  • ベテラン派遣社員を若手社員の教育に一役

■社内コミュニケーションの円滑化

社内コミュニケーションは仕事を進める上で、最重要事項であります

社内コミュニケーションが円滑に回れば、大抵の仕事は上手く回っていきます

逆にコミュニケーションに支障をきたすようになると、仕事のミスが発生したり、効率が悪くなったりと、大きなロスが発生します

派遣社員を活用することは、社内コミュニケーションにおいても一役買うことが可能です

派遣社員は、直接上司や言いにくい社員に対して、派遣担当者から派遣先の社員に伝えることもできます

逆に上司から派遣社員に対して言いづらい内容についても、派遣担当者を通して派遣社員に伝えることもできるのです

昨今、パワハラやコンプライアンスの観点から、上司が部下に向かってはっきりと厳しく、伝えらづらい環境になってきています

派遣社員を活用することは、派遣社員に直接伝えにくい内容に関しても、間接的に伝えることができるのです

もちろん直接言い合える関係性がベストですが、ハラスメントの関係から容易ではない状況もあります

■固定費の変動費化

正社員の人件費は『固定費』派遣社員は『外注費』または『業務委託費』として会計計上されます

企業は『固定費』をできる限り押さえたい!と考えます

派遣社員を活用することで、固定費(人件費)の変動費化が可能となります

変動費とは業務の増減によって変動する費用です

派遣先が派遣会社に支払う費用は、変動費として計上できるため、会計上においてもメリットがあるのです

また、正社員を1人雇う費用額と派遣社員を1人雇う費用を比較しても、派遣社員を雇う費用の方がトータルとして低額で済むので、コスト削減にも効果がありますです

固定費の変動費化のメリットについて

・財務指標の改善
固定費を変動費化することにより、財務指標の改善が可能。例えば、固定費が多い場合、売上高に対し利益率が低下する。しかし変動費化することで、生産量や売上高に応じてコストが増減するため、利益率の改善が見込まれる

・コスト管理の容易化
固定費を変動費にすることにより、生産量や売上高などの変化に応じてコストを調整できる

・生産性の向上
固定費を変動費にすることで、生産ラインの稼働率を最適化することが可能。生産ラインの稼働率が低い場合でも固定費は不変であるが、変動費にすることで生産ラインを最適化することができる

・投資リスクの軽減
設備投資や固定資産の購入(固定費)を変動費にすることで、設備投資に伴うリスクを軽減することができる

■雇用事務手続きの削減

労働者を1人雇う際の、事務手続きは非常に多くの手間と費用がかかります

  • 入退社書類の手続き

  • 保険加入(雇用保険/社会保険)の手続き

  • 給与支払い手続き

  • 年末調整の手続き

  • 福利厚生の手続き

  • 退職金積み立て事務作業

  • 労働災害の対応

上記、事務作業を派遣社員を活用することで、全てゼロにできるわけです

事務員さんの負担、経費を削減することができるのです

従業員を多く雇用している会社であればあるほど、その事務工数は膨大なものとなるのです

■税法上のメリット

派遣社員の費用を『外注費』または『業務委託費』とすることで、企業会計において、税法上のメリットも享受できます

具体的には、仕入税額控除が可能となります

仕入税額控除とは?!

企業が課税対象となる売上高から、仕入れた商品や原材料などの仕入額を差し引いて課税対象額を算出する際に、その仕入額に対して免税または軽減税率が適用される制度

企業が商品や原材料を仕入れる際に支払った消費税額を、自社の売上高から差し引くことができるため、納税額を軽減することができます

仕入税額控除を上手に活用することで、企業は納税額を軽減することができるため、収益増大につながる可能性があります

派遣会社から派遣先へ請求される派遣料金は消費税が課せられます

その消費税を売上額から差し引くことができるのです

それによって、企業は納税額を軽減することができます

人件費については、それ(仕入税額控除)ができません

会社の経理をしている方はその点、十分把握されていますが、人事の方は意外と知らない方も多いのが実態です

■社会保険加入の規模要件の回避

2022年10月の社会保険の適用拡大において、従業員数101人以上の企業について、週20時間以上働くパート社員を社会保険に加入させる義務が課されました

また、2024年10月からは従業員数51人以上の企業についても、週20時間以上働くパート社員を社会保険への加入義務が課される予定です

企業は労働者の社会保険料を一部負担しています

従業員数がある一定の規模以上になると、社会保険料の負担も増えます

しかし、直接雇用者を間接雇用者(派遣社員)に代替することで、社会保険料の負担増を回避することができます

人手の工数を直接雇用社員から派遣社員にすることで、保険加入の規模要件以下にすることができ、その分の社会保険料を削減できるのです

企業が派遣社員を活用する7つのデメリット

次に、企業が派遣社員を活用するデメリットを見ていきましょう

■派遣法の制限を受ける

派遣法においては、いくつかの制限が設けられています

・職種内容に柔軟性がない

派遣契約においては、派遣社員の職種内容に制限が設けています

派遣社員はその派遣先の職種を何でもかんでもできる訳ではありません

ある一定の職種をメインとして契約しなければなりません

例えば、製造業務もやって、営業もやって、経理も同量にやることはできません

ある一定の職種をメイン業務として特定しなければなりません

例えば、製造業務を8割、残りの2割を付随業務の組立作業をやる、といったことは可能です

正社員のように、営業も事務もなんでもかんでも行うことはできません

※【正社員と派遣社員の仕事の区分】はこちらのサイトで詳しく解説しています

派遣社員は、業務制限がかけられているので、会社としては柔軟性にかける労働力と言えるでしょう

派遣社員の同一労働同一賃金制度においても、職種内容はしっかりと区分され、特定職種を選択しなければなりません

・派遣期間の制限がある

派遣法においては、「3年以上、同じ会社、同じ部署で派遣業務を継続できない」というルールがあります

企業が「継続して○○さんにこの業務をやってもらいたい!」、と考えたとしても派遣法では許可されていない為、○○さんに継続してお任せすることはできないのです

企業側としては、○○さんに継続して業務をお願いした方が、引き継ぎ工数も費用もかからずに済むため、できれば継続してお願いしたいのです

しかし、派遣制度はそもそも臨時的な労働力を供給することを目的としているため、常用的な活用ができない制度となっています

ただし、3年以上継続できる手法もあります(部署変更、無期雇用化、等)

詳しくは派遣の3年ルールで解説しています

■社員の指導、教育工数の負担増

派遣社員の離職率は高いものです

「突然、派遣社員が出社しなくなった」、「派遣社員から2週間後に退職希望があった」なんてことはザラにあります

派遣社員のモチベーションは正社員ほど高くないので、会社への情熱や愛着心、忠誠心も低く、安易に退職してしまうケースが多くあります

社内の教育担当者は、その派遣社員が辞める度に、新しい派遣社員に指導、教育をしなければなりません

その指導、教育工数は無視できません

正社員であれば、派遣社員ほど離職率は高くないので、指導、教育工数は少なくて済みますが、派遣社員は退職の度に新人教育が必要となるので、指導、教育工数の頻度は高くなってしまうのです

■重責ポジションを任せづらい

離職率が高い派遣社員ですから、大きな責任がかかる仕事、プロジェクト、長期案件を任せることについてはリスクが伴います

そういったポジションは正社員に任せれば良いのですが、人手不足でそうもいかないケースが多いのも事実です

派遣社員に役職を付けて、重責ポジションをお任せしているケースも見受けられます

しかし、その手法はとてもリスキーでおすすめはできません

派遣社員の多くは、正社員ほど仕事への責任感を強く持っているわけではありません

内心のところ「自分は所詮、派遣社員だし。最悪正社員がケツを拭いてくれるからいいや、、、」と考えていたりします

■会社への帰属意識が低い(モチベーション低下)

派遣社員はあくまで、派遣会社の雇用です

派遣社員の方は、「派遣はこの先、急に切られる可能性もあるし、派遣先が変わる可能性もある、会社にそれほど愛着、帰属意識はないよ、、、」と考えています

派遣先の上司に対し、表向きは良いこと(会社に貢献したい!愛着がある!会社を良くしたい!)を言ったりしますが、本音はそうでない可能性もあります。。。

「最低限の仕事だけすればいいや」「残業やりたくないな。。。」「仕事を増やさないでよ、、、」「それは正社員の仕事でしょ?!」などとモチベーションは高くない派遣社員の方は多いのも実情です

中にはモチベーション高く、積極的に仕事を進める方もいますが、そういう方は正社員登用されるケースもあります

派遣社員を活用する場合、決して会社への帰属意識は高くないので、企業としてもそのつもりでリスクヘッジすることをおすすめします

派遣社員に過度な期待は禁物です

■情報共有、コミュニケーション手法の難しさ

派遣社員への情報共有については、社内規定をしっかりと設け、情報管理をしっかりとしないとトラブルの原因となります

社内には以下の3つの情報があります

  • 正社員(直接雇用者)のみで共有される情報

  • 派遣社員のみに展開される情報

  • 正社員、派遣社員問わず社内全体で共有される情報

私が見てきた中で、「正社員にのみ共有される情報が派遣社員にも知れ渡ってしまい、従業員同士がトラブルに発展した」、「別の派遣会社の情報が派遣社員に知れ渡り、派遣社員間のトラブルになった」、など情報共有については、しっかりとした情報管理が必要となります

また、直接雇用(正/契/パ)と派遣社員では雇用の籍が違うので、コミュニケーションの問題も発生します

職場によっては、派遣差別的なことも行われている会社もまだまだあるので、トラブルに発展するケースも多く見てきました

派遣社員の方に対しては、「派遣先ではお客様扱いされている」、「直接雇用者は派遣社員を部外者だとみている」、「名前ではなく『派遣さん』と呼ばれている」、など一線を引いたコミュニケーションが存在するのが実情です

従業員間のトラブルが少なく、風遠しが良い会社は、できる限り派遣差別的なことが発生しないよう、派遣社員の方が気持ち良く働けるような職場環境作りを心がけています

そういった会社は業績も伸びています

会社は社員で造られている、そこには、直接雇用も間接雇用も関係なく、優れたコミュニケーションが行われている、そんな会社がもっと増えて欲しいと考えます

■情報漏洩のリスク

会社の機密情報、社員の個人情報など、会社には大切な情報が沢山あります

派遣社員を通して、企業情報が漏洩した問題は過去に沢山あります

現時点においても、多数発生し、大きな問題となっています

場合によっては、訴訟問題まで発展するケースもあります

派遣社員が派遣会社と雇用契約を締結する際には、情報漏洩についての誓約も規定されているケースが多いです

しかし、あくまでも書面上のお約束で、会社の機密情報、個人情報などを派遣社員が取得できる情報は山ほどあり、会社の知らないところでその情報が流出している可能性は十分にあります

会社として機密情報の管理については、きちんと制度化、規定を設けると共に、従業員教育(派遣社員も踏まえて)が必須となります

■ブラックボックス化のリスク

「ブラックボックス化」とは、ブラックボックス(黒い箱)の中で業務が行われているかのように、業務プロセスが不明となってしまうことです

ブラックボックス化は、業務の「属人化」により引き起こります

業務の属人化については、直接雇用の社員においてもそうですが、派遣社員の際はなおさら注意が必要です

上項でも述べたとおり、派遣社員は離職率は高く、明日から出社してこない可能性も想定し、企業としてはリスクヘッジしなければならない事案であります

特定の派遣社員しか知らない業務、できない業務については直ぐにリスクヘッジをしましょう

業務の属人化は非常に怖いものです

またブラックボックス化は不正を引き起こす可能性があります

間接雇用の派遣社員の責任感は、正社員ほど高くはありませんので、不正を引き起こす可能性も高くなるでしょう

「この業務は全て派遣社員にお任せ、他にやれる社員は存在しない」などとならないよう、常日頃、派遣社員の業務の透明性を保ちながら、棚卸し、業務マニュアル、引き継ぎ資料はきちんと整えておくことをおすすめします

企業が派遣を活用する際の3つの注意点

最後に企業が派遣を活用する際の注意点を解説していきます

派遣法をしっかりと理解すること

派遣法の中には知っておくべき多くの内容がありますが、少なからず派遣先が知っておきたい最低限の内容を以下に記します

派遣社員の受け入れ業務に携わっている人事の方が最低限、知っておきたい情報です

社員へ派遣法の教育を

派遣法は、非常に複雑で素人では分かりかねる内容も多いです

派遣先の人事の方だけではなく、派遣先の社員が派遣法についてきちんと知識を習得することは非常に大切なことです

今まで経験してきたケースで、派遣先の社員が派遣法を知らないばかりに、派遣社員の扱いに関して派遣社員とトラブルになったことも多くあります

派遣法について、最低限知っておかなければならない事項については社員教育を徹底しましょう

派遣社員を差別しない

派遣社員の方は、派遣先に派遣される際は非常に心細く、不安でいっぱいです

その派遣社員を温かく受け入れてくれる職場は、離職率が低いです

離職率が低いと会社の生産性は向上し、売上、利益は改善します

経営者は派遣社員の取扱いにもっと丁寧に対応すべきだと考えます

今まで見てきた中で、派遣差別の良くあるケースが、ロッカーが違う(ある、ない)、休憩室(食堂)が使えない、食堂において社割が使えない、駐車場がない、制服が違う、など

全てを平等にしなければならない、という訳ではありませんが、まだまだ差別的な要素になっている、差別を誘発する内容があるのも事実です

派遣社員の同一労働同一賃金制度の中においても、福利厚生については派遣先の義務が強化されています

差別的な内容がある理由としては、企業が従業員の統制を図りたいという意図は分かりますが、なくても良い必要以上の規制項目が多い事案も見受けられます

まとめ

企業が派遣社員を活用する理由については、企業、派遣社員からも多くの問合せがある内容の一つです

会計上、税法上のメリット、労働基準法、派遣法の内容に関することと、多岐に渡る項目を鑑みて企業が派遣社員という外注を活用しているのです

もちろんメリットもあれば、デメリットもありますが、デメリットの部分を企業としてしっかりとリスクヘッジすれば、企業経営にとって派遣が効果的な役割を担うことができます

企業も労働者も、関係法令をしっかりと理解した上で、お互いの関係性を潤滑させることが、企業の発展、労働者の満足度にも貢献できることとなるでしょう


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